「人生100年時代」を生き抜く、〝自分らしく働く〟とは?【働き方改革@沖縄(18)】


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自分らしく働いている人や自身について魅力的にお話する人を見て、「私も自分らしく働きたいな」と思う瞬間ってありませんか。人生100年時代、予測不可能な変化が毎日起こる中で自分の人生は自分で、舵をきっていきたいですよね。

では、どうやって自分らしさを発揮するの?

今回も私、福島知加がお送りしている「働くを楽しくする」をモットーにしたラジオ番組「福島知加の週刊!はたらくニュース」で本シリーズ【働き方改革@沖縄】の執筆メンバーでもあるレンアイ型採用コンサルタントの小宮仁至さん、組織コンサルタントの波上こずみさんと一緒に「自分らしさ」をテーマに深堀りをしていきましたので、ご覧いただけると幸いです。

【深掘りメンバー】
 

①小宮 仁至(こみや ひとし) ファンシップ株式会社 代表取締役
広告会社やWEBマーケティング会社を経て、2015年にファンシップ(株)を創業。
2016年より「レンアイ型採用戦略」を提唱し、企業へのセミナーや求職者への採用支援を実施している。
1979年生まれ 熊本県出身。うちな〜婿歴10年の2児の父。

②波上こずみ(なみのうえ・こずみ) コズミックコンサルティング代表
子育て・介護と仕事との両立に苦しんだ経験を踏まえ、2016年に起業。
「働く人のモチベーションを組織の活力へ!」をテーマに、沖縄の企業や個人を対象としたコンサルティングを手掛けている。
1976年、那覇市首里生まれ。1男1女の2児の育児中。

③福島知加(ふくしまちか)ワダチラボ 代表
営業、人事、キャリアコーチの経験を経て2017年に独立。
現在は「働く人々のキャリアを豊かにする」を指針に企業や大学生向けにカウンセリング、研修講師を務めている。
自身のラジオ番組では毎週様々な「働く」に関するニュースを深堀り中。
1984年中城村生まれ。1児の母。

ポイントは、好きな人と仕事をする?!

波上:私が個人事業主だからできることもあると思うんですが、出来る限り好きな人とお仕事をする!ことではないかと思うのです。仕事で何が自分にとってストレスかと考えた時、信頼関係を構築することが難しい相手とのお仕事だと感じているので、自分を必要としてくれる人や好きな人とお仕事をすることに力を注ぎたいなと思っています。

福島:ということは、今一緒に仕事をしている私たち2人は好きな人ということでいいですか(笑)

仲の良さが伝わってくる【深掘りメンバー】の3人

小宮:欲しがるね~。

福島:「承認」大好物なので聞いちゃいました。小宮さんはどうですか。

小宮:自分をわがままと思わない・・・かな。昔は、行きたくない会合にも行かなければ、とかやりたくない仕事もやらないと上手くいかないって教えられてきたけど、逆な気がしていて。なので、今意識しているところは苦手なことや「違うな~」と思いながらお仕事をしていると結果に繋がらないので、得意なことや好きなことの時間を増やそうと思っています。

波上:一人で全部できないですもんね。

小宮:それ基準で考えて、現実的に好きなことの時間を増やすためにはどうしたらいいのか考えていますね。なので、苦手なこともやってはいるんですがそれも、自分の好きな会社を維持するためだと思ってやっていますね。

福島:このバランス難しいですよね。苦手ことにやらないといけない時はどう踏ん張るんですか。

小宮:終わらない痛みはない!と思ってやり切ります。

福島:いつかは終わりますからね。波上さんはどうですか。

波上:苦手な仕事も必要だと思っているから行動していると思うので、その仕事をやったら誰がハッピーになれるのか考えながらやっていますね。

福島:好きな人と仕事をする。苦手なことをしない。というお2人のお話ですが、とても共感できます。でもこれは極論ではなくて、柔軟性をもってやられていると思うんです。どうしてもやらないといけない時は、その行動の先を考えて、誰かがハッピーになったり、自分の好きに繋がっていたりすることをイメージしていくのが大事なんでしょうね。

「自分らしさ」どう見つける?

福島:お2人は自分らしさを見つけるために何かされていることはありますか?

小宮:僕は明確にあって「発信する」ことです。ビジネスにおいての自分らしさは、他人からどう見られているかなので、例えば僕のどこを必要としてくれているのか。魅力に感じてくれているのか。仕事を依頼したいと思っているのか。について、発信を通して、相手の反応から捉えています。

福島:面白いですね。何か最近の例とかありますか。

小宮:例えば、自分が一生懸命書いたSNSの記事には「いいね!」が付かなかったのに、ふとした瞬間に書いた記事に、ものすごい「いいね!」や共感を得ていたりして。自分で思う自分はズレてたりするんですよね。なので、反応が良かった文言をセミナーで使ってみたり、共感を得た言葉や口調で話をしてみたりしています。もちろん、演技をしているわけでないんですが、ビジネスにおいての自分らしさを見つけて実践していることで、周りから自分らしく生きていますよね。って言われるんでしょうね。

福島:他人から見えている自分って案外知らないですもんね。発信することはSNSだけじゃなくてもいいですよね。

小宮:もちろん誰かに話をするのも発信です。例えば「いつも明るいよね」と言われて、「いやいやそんなことないよ。根暗だよ」って否定するんじゃなくて一旦受け入れて、自分らしさとして使っちゃったらいいんですよ。

福島:面白い発想ですね。波上さんはいかがですか。

波上:私は自分と向き合うですね。これまでのキャリアや世代的に、私は自分のやりたいことに蓋をしてきたことが多かったので、自分らしさに鈍感なんです。でも個人事業主をやっていく中で、自分のことを知らないって言うのは致命的だなと思って徹底的に向き合っています。例えば、自分がモヤモヤしている時や違和感を感じた時にスルーするのではなく、なんだろうと考えたり、逆にワクワクしたときは「こうゆうことしたかったんだな」とやりたいと思っていたことが明確になったりするので、蓋をどんどんはがす作業をしています。

福島:波上さんらしいですよね。ちなみにどういう方法で自分と向き合っているんですか?

波上:紙に書いたりもしますし、スマホでメモを取ったり。あと、私よく走っているんですが、その時に「やりたいこと」がおりてきたり、気持ちがスッキリしたりするんですよ。なので、仕事とは異なる環境で向き合うって大事だなって思うんですよね。

福島:徹底的に自分の気持ちと向き合うって大事ですね。

福島:自分らしさを明確にした上で、組織の中で自分らしさを発揮する方法は?

波上:組織の中でもこういう話をもっとして欲しいですよね。前職はこういう経験をしていたとか、こういうプロジェクトに関わっていたとか。どうゆう点にやりがいを感じているのか。とか、意外に分からないんですよね。お互いのことが分からないまま業務分担をしていくので、モヤっとした状態が続いちゃうんですよね。なのでお互いを知るきっかけをもっと増やして欲しいですよね。

福島:人に自分のことをシェアすると、相手にも親近感をもってもらえたり、相手に認めてもらえると自分の自信に繋がりますよね。

小宮:ただ、シェアをする時に、少し恥ずかしかったり、嫌われないかなと怖かったりはしちゃいますよね。

波上:そうですよね。なのでシェアしやすい環境をつくることって大事ですよね。例えば管理職や経営者の方が率先して自分のことを開示してあげると、部下や後輩の皆さんも話しやすくなると思うんです。

福島:成功体験だけでなく失敗話とか、プライベートの趣味とか家族の話とか話せる範囲で伝えてもらえると「◯◯さんでも失敗するんだ」とか「こんな趣味を持っているんだ」とか一気に親近感湧いて、自己開示しやくなりますよね。

キャリアコンサルタントが教える自分らしさの見つけ方

福島:私は求職者支援でよく自分らしさを見つけるワークを行うのですが、沢山あるワークの中で特におススメなのが、

①これまでのキャリアの棚卸しをして「自分のやれること」を明確にする
②キャリアアンカーを診断し「自分の働きがいや仕事の大切にしている軸」を明確にする
③アセスメントツール(エニアグラムやストレングスファインダーなど)を活用して「自分の行動特性や強み」を理解する 
④家族や仕事仲間に「私ってどんな人?」とか「私が手伝えることって何かある?」「私ってどんな仕事が向いていると思う?」聞いて「他者から見えている自分」を理解する

①~④までやっていくと、ある程度自分がどうゆう人なのか見えてくると思うんです。また、就職や転職のタイミングだけでなく、自分と向き合える時間が5分でも10分でもあればすぐにできることなので、ぜひやっていただきたいですね。もし、やり方で迷うことがあればキャリアコンサルタントの福島知加までご連絡ください(笑)。

私も独立する前には①~④は一通りやって、ある程度、自分の性格、好きなこと、したいこと、他者から求められていることが理解でき、そこからブラッシュアップして自分の事を相手に伝えられるようになると少し自信が持てるんですよね。ブラッシュアップの方法は小宮さんと同じく相手の反応が良かった言葉や流れをメモにとってブラッシュアップしています。なので独立した当初と今の自己紹介は大きく違いますよ。

あと、③アセスメントツールは1つだけでなく、2つ・3つ実施して共通点を探していくと、より自分の行動特性や価値観に気づけるのでおススメです。
例えば、エニアグラム、ストレングスファインダー、MBTI(性格を16の分類で診断するアセスメントツール)をやってみて、共通点を書き出して、それを言葉にして、相手の反応を見ながら答え合わせする。みたいな。
様々な方法があるので、「いいな」「やってみたい」と思うものがあればぜひやってみてください。

◇執筆者プロフィール
福島知加(ふくしまちか)ワダチラボ 代表
https://www.wadachilab.com/

「働く人々のキャリアを豊かにする」をテーマに人材育成、キャリアカウンセリング、女性支援事業を展開し年間で70社、2000人程の支援に携わっている。
またFM那覇で放送中「福島知加の週刊!はたらくニュース」ではオピニオンリーダー、人事、経営者など毎週素敵なゲストをお迎えし働くに関するニュースやテーマを深堀り中。
沖縄県産業振興公社登録専門家。沖縄県観光人材育成マッチングサイト「育人」認定講師。1984年中城村生まれ。1児の母。