アラジンのしまくとぅば版も人気!オシャレな映像と音楽を発信する「Nanaironote」ナナイロノートの世界


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ギタリストのHOMARE(ホマレ)さんが中心となって開設したYouTube音楽チャンネル「Nanaironote」。メンバーが集合してクリスマスソングを披露してくれた。(前列左から)前堂ニイナさん(ボーカル)、トカシキマコトさん(ボーカル&カホン)、安慶名愛さん(ボーカル)。(後列左から)セルゲイ・クワエフさん(ベル)、HOMAREさん(ギター&アレンジ&プロデュース)、前田秀幸さん(三線&ボーカル)=宜野湾市のフェアアトラクションズ アンダースコア コーヒー スタンドにて撮影 写真・村山 望

こだわりの音と映像を世界に

人気の楽曲をオリジナル・アレンジし、沖縄テイストを取り入れた音と映像を製作。YouTubeで発信している音楽チャンネル「Nanaironote(ナナイロノート)」。開設から1年半が過ぎたところで、登録者数が1万人を突破した。最高再生数を稼いだ動画は約80万回、チャンネル総再生数は180万回を超えるアクセスがあるというから驚きだ。参加メンバーの思いや目標を聞いた。

動画の制作チームはミュージシャンと映像クリエイターで構成。ギタリストとしてデビューし、創作活動をしていたHOMAREさんのアイデアから、このチャンネルが始動した。

「企画するのが好きでいろんな分野に友人がいる。自分にしかできない事を自問自答した時に音楽を通して巻き込みたいと考え、たどり着いたのが世界に発信できるYouTubeというプラットホームでした」

HOMAREさんがこだわるのはハイクオリティーな作品づくり。J−POPや洋楽のヒット曲を丁寧にアレンジし、音と映像をプロ仕様で録音・撮影。完成に至るまでに相当な労力をかけている。

チャンネルをプロデュースするギタリストのHOMARE(ホマレ)さん

「1年経っても登録者数が千人足らずで心折れましたが、映画『アラジン』主題歌の沖縄方言バージョンがツイッターで広まったんです。動画の未来の可能性にワクワクしました」

この動画は50万回以上再生され、登録者数は10倍以上に増えたそうだ。高品質の映像に加え、小道具・衣装・ロケ地など沖縄色を出す作り手側の思いも見逃せないポイント。

「泡盛を入れるカラカラはアラジンのジーニーをイメージして探しましたし、海などの美しい自然、協力してくれるお店や衣装、沖縄ならではの魅力を世界に紹介したいです」とHOMAREさん。作品ごとに参加ミュージシャンを替え、書道家をはじめとしたアーティストの出演もある。

「まだ見ぬ才能を発掘して、沖縄を代表する次世代アーティストが誕生するチャンネルになれたらうれしいですね」

実力派たちが参加

沖縄を代表する楽器、三線を弾いて歌うのは前田秀幸さん。「レコーディングの見学に行ったら、三線の音を入れたら面白いと言われ、気付いたら参加していました(笑)。この活動が楽曲作りのヒントになり表現の幅が広がりました。世界に広がるコンテンツに協力します」

ソロシンガー・ソングライターの安慶名愛さんは「みんなで意見を出し合って映像を作り上げるのが新鮮です」と楽しみながら参加している。

ラジオやテレビのリポーターとして活躍する前堂ニイナさんは、東京で歌手活動をしていたキャリアを生かして参加。「久しぶりに歌える場ができてうれしい。歌う姿を見てビックリしてもらうさりげないポジションで、続けます」

大学時代から約15年、HOMAREさんと音楽活動を続けているトカシキマコトさんは、「曲ごとにチャレンジがあるので面白い。ゆくゆくはオリジナル曲を発表したいです」と意気込む。

チームを国際色豊かにするのがロシア出身のセルゲイ・クワエフさん。日本在住歴が長く、何と81万人のチャンネル登録者を持つ人気ユーチューバーだ。

「半年前に東京から沖縄に越してきましたが、住みやすくて大好き。楽器を本格的に学んで、もっと積極的に参加していきたいです」

経験豊富なスタッフ陣

視聴者の目を引く動画に仕上げる役割を担うのが、映像クリエイターの松井涼さんと川北貢輔さん。

「東京で音楽映像の製作会社にいたので、腕が落ちないように参加しています。選曲から撮影まで意見交換しながら楽しくやっていますが、流行に乗ってこの活動で生活できるようになるのが理想です(笑)」(松井)

「何が当たるか分からない世界。数の暴力で勝つ感覚です(笑)。クリエイターは受注型でしたがこのチームで攻めることもできると知り、デジタルに対する向き合い方が変わりました。楽しいですが、生きるための作戦でもあります」(川北)

映像チームの川北貢輔さん(左)と松井涼さん

そしてオブザーバー的な立場で若い才能を見守っているのが、長年音楽事業に携わっているサードウェイブ代表の浜里稔さんだ。

「CDが売れない時代なので新しい方法でしっかりとした音楽メディアを作りたいというHOMAREの計画に賛同しました。分かる人には伝わっていると実感しますし、若手が参加したくなる登竜門的な音楽チャンネルになってほしい」

Nanaironoteの最新動画は、クリスマス曲をアレンジした「沖縄クリスマスメドレー2019」。視聴して、ハッピーな音楽を奏でる彼らに注目してほしい。

(饒波貴子)

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<オススメ動画>

沖縄クリスマスメドレー2019
A Whole New World(アラジン沖縄方言バージョン)
U.S.A.(スパニッシュ沖縄バージョン)
366日(英語バージョン)

(2019年12月19日付 週刊レキオ掲載)