優しいズル休み 100cmの視界から―あまはいくまはい―(66)

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先日、息子が初めて幼稚園をズル休みしました。

毎朝1番早く起きる彼がめずらしく寝坊し「眠い、寒い」を連発。疲れているようで、ご機嫌ナナメです。私も仕事に余裕があったので「いいチャンス!」と思い、休むことを提案。彼は喜んで休むことになりました。

「疲れているんだから、ちゃんと寝てよ」と私が言うと「ママと一緒がいい」と言って、朝から布団の中で1時間、私とギュウと抱き合う。こんなにゆっくり過ごす時間は本当に珍しいのです。

そして、私の小さい頃を思い出しました。

幼稚園、保育園に通っていなかった私は、日中は父や祖父母と家にいて、ご近所さんの家へ遊びに行き、週3回は、骨を強くする注射を打つため、病院へ行っていました。

注射は痛いし、注射後2時間は気分が悪く、何も食べられないので嫌でした。でも私のペースで、安心できる環境で過ごしていたので、幸せでした。2、3カ月に1回は骨折して、布団から動けなくなるのだけど、テレビを見たり本を読んだりお菓子を食べたりと、自分にとってはそれが当たり前の毎日でした。


ピアノコンサートを企画して、プロの演奏とともに

人は誰だって、元気な時もあるし、動けない時も、落ち込む時もあります。休まないといけないことで、いろいろな気持ちを味わいます。楽しみにしていた予定をキャンセルする悲しみ。まわりは進んでいるのに自分は動けなくて取り残されたような孤独感。休んだことで人に迷惑をかけていないかと心配になったり、自分は役に立たないと落ち込むこともあります。

でも休むことで、人は必ず元気になります。もし休まずに無理をして頑張り続けていると、疲れはたまってしまいます。そして休んだり手を抜いたりする人を見ると「インチキ! 私は我慢して頑張っているのに」と相手を批判したくなることもあるのです。頑張り過ぎることは要注意。休むことは、人に優しくするためにも大切なことです。

ズル休みをした日のことを、息子がいつか思い出して、休んでいる人に優しくなれるといいです。そしてなんとその翌日は娘がズル休み。謎の交代制のわが家のズル休み(笑)。それもいいですよね。休んだからこそ、また頑張ろうって思えるのだから。しかし、子どもを優先し過ぎて、たまった仕事を急いでこなした私も疲れたので、先週は映画を4本鑑賞、読書も5冊し、最低限の仕事だけをして手抜きウィークに。充電したので私も人に優しくなれそうです。優しさにつながるズル休み、最高ですね。



(次回は3月3日)


伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2020年2月18日 琉球新報掲載)

 



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