パートナーシップは永遠の課題 100cmの視界から―あまはいくまはい―(68)

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今月、結婚10年を迎えました。子どもができてからは山あり谷あり。「産後クライシス」そのものでした。

私はずっと子育てをしたかったのです。おっぱいをあげたい、布おむつを使いたい、抱っこをしながら眠りたい、車椅子に乗せてお散歩に行きたい、離乳食を作りたい、とやりたいことがたくさんでした。

めいやおい、友だちの子どもとできることもありますが、ただただ子どもと一緒に過ごし、時間を重ねていく生活をしたかったのです。私はできないことも多いので、それを補うためにヘルパー制度を使ったり、情報を集めたりと、準備をしていました。しかし、ここで大きなミスが!

その生活のイメージ共有が、彼とできていませんでした。そして、変わるであろう彼との関係性の準備をしていなかったのです。


時には二人でランチ

彼の生活は子どもができてもほとんど変わらず、仕事は忙しくなるばかり。

特に二人目の産前産後は夜勤をしていて、子育ての即戦力になりませんでした。

0歳と2歳の世話で、私も疲れがたまり余裕がまったくない。力を抜いたり、弱音を吐いたり、夫や周りにもっと頼ってもよかったな、と今は思うのですが、できなかったのです。私の出産、育児を心配する人、反対する人もいたので、どうにか乗り切ってみせる! と意地を張って、頑張り過ぎていました。

どんどん深まるパートナーとの溝。子どもが保育園に入り、私も少しずつ休めるようになって初めて、「この状況はおかしい」と気がついたのです。

子どものかわいさを夫婦2人で共有したいのにできないのです。

分かってほしくて説明しても、私の怒りが前面に出てしまうので話し合いになりません。家事分担表図を作ったり、彼の帰りが遅い時は課金制にしたり。別にしていた寝室も一緒にし、朝は私よりも先に起きてもらい、家事育児に責任を持ってもらう。試行錯誤を重ね、少しずつ改善されてきたけれど、私の怒りはまだ収まらないし、理想ともほど遠い。

そんな中、一冊の本に救われたのです。清田隆之さんの「よかれと思ってやったのに 男たちの『失敗学』入門」。彼と話し合いができない理由、私のイライラの原因、すれ違いが起こる瞬間などが、文章と図で描かれていて、自分の中のモヤモヤが整理されてきました。彼とも話しやすくなり、関係がよくなりました。知識こそが人を救います。私にとってパートナーシップは永遠の課題です。つらいこともありますが、いろいろな情報や人に頼り、もがきながら進んでいきたいです。



(次回は3月31日)


伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2020年3月17日 琉球新報掲載)

 



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