どこまでも自然体な4人組 沖縄から頂点を目指すロックバンド ヤングオオハラ

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沖縄生まれの4人組バンド、ヤングオオハラの勢いが止まらない。彼らは「音楽の島」と呼ばれる沖縄で今、一目置かれているロックバンドだ。もしかしたら沖縄県民ならテレビやラジオから流れる彼らの楽曲を一度は耳にしているかもしれない。人懐っこくも心を震わせる楽曲と、見たものを引き込む圧倒的なライブパフォーマンスを武器に全国を進撃中の彼ら。結成から今までの激動の4年間を振り返った。

◇聞き手 野添侑麻(琉球新報Style編集部)



新世代のロックヒーロー!



―以前、ヨウヘイさんの取材はさせていただいたのですが、メンバー全員は初めてとなります!手始めに自己紹介をお願いします

ユ:「ヤングオオハラのギターとボーカルを担当しています、ハローユキトモです」

ヨ:「ギターのヨウヘイギマです」

ミ:「ベースのミツキングです」

ノ:「ドラムのノリバルカンです」

「1997年生まれ」がアツい! 沖縄の音楽シーンを賑わす 奢る舞けん茜×ヤングオオハラ 対談インタビュー
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-437849.html


―目覚ましい活躍をされている皆さん。本日は結成から今までの振り返りをさせていただければと思います。最初にバンド結成の経緯をお聞かせください。

ヨ:「2016年に結成しました。元々はその前から同級生の4人で組んでいたんですが、進学などもありメンバーが抜けて、その後ノリが合流して今の形になりました。今は沖縄を拠点に活動しています」

―ヤングオオハラの名前が大きく広がった理由として、2018年に沖縄県内の企業CMに使われ始めたことがきっかけだと思います。その時の周囲の反応ってありましたか?

ミ:「2017年に初めてCDを出して、その流れでいろんな県内の企業さんのCMに楽曲を使ってもらったんですが、僕らっていうことは家族にしか気づかれなかったんですよ(笑)」

ヨ:「周囲の反応が大きく変わったのは、県外にライブに行き始めてからですね。行く度にお客さんが増えていって、俺らにこんなにたくさんのお客さんがついてくれているんだと思い、少しずつ反応の変化を感じ始めました」

新 MV
https://www.youtube.com/watch?v=Ezn8X18muuQ


年間80本以上のライブをこなす!



―県外でライブする機会も増えたと思います。なんと昨年は県内外で合わせて81本のライブをこなしていました。5日に1回のペース。すごいハイペースの活動量!

ユ:「自分たちでも『めちゃくちゃライブしてるな~』と思っていたんですが、そんなにやっていたんですね!」

ミ:「最初は多くてしんどかったけど、今やライブ中心のこの生活が当たり前になってきているよね」

ヨ:「その時は感覚がおかしくなっていて多いと感じなかったけど、今改めて見ると多いですね。本当にありがたいことです」


ツアー中の一コマ。普段とは違う環境に笑顔も見える(撮影:知衿)

―昨年1月には若手バンドの登竜門といわれているスペースシャワーTV主催のイベント「スペースシャワー列伝JAPAN TOUR 2019」への参加がありました。沖縄県出身のバンドでは初めての快挙です。タイプの違う同世代のバンドが4つ集まって日本列島を縦断したツアー。いろんな体験があったと思いますが、感想を聞かせてください。

ユ:「めちゃくちゃ勉強になったツアーで、参加後は自分の音楽に対しての考え方がガラっと変わりました。他の3バンドのメンバーは全員年上だったんですが、各々音楽に対する考え方が自分と全然違っていて、ハッとさせられる場面が多かったですね。一緒に全国を回る中で彼らの考えを少しずつ自分の中に落とし込めて、いちバンドマンとして成長して沖縄に帰ってくることができたと思います。まさしく人生の分岐点だったと思っています」

ノ:「他のバンドの演奏レベルが高すぎて、もっと練習しなきゃなって思いましたね…。たくさん刺激をもらえました」

ヨ:「公演ごとに出演の順番が変わるんですけど、僕らが大トリの日だけダブルアンコールが起きたんです。それはとても自信になりました」

―列伝ツアーへの出演を皮切りに、全国区へと羽ばたいていくバンドも多いですもんね。夏には大型ロックフェスなどにも多く参加していました。

ミ:「僕ら田舎者すぎて、有名どころのフェスを何一つ知らなかったんです。現地に着いて規模の大きさに本当にビックリした!」

ヨ:「初めてのフェスに出演した時、出番後にいろんなバンドを見て回ったけど、足がパンパンになったもんね。登山並みに歩き回りました」


ヤングオオハラのライブの様子(撮影:知衿)

―フェスの会場って何千、何万人のお客さんがいるじゃないですか。やっぱりステージに立つと、その人の多さに圧倒されて緊張しますか?

ユ:「ステージに立ってみて、ようやく人の多さがわかりますね。お客さんが盛り上がって一斉に手を挙げた時なんかは、その手の多さと合わさった動きに、いまだにビックリしちゃいます」

ヨ:「ライブハウスと違って、フェスは客席との距離が遠すぎるので不思議な感覚。『こんなに離れているけど、僕らの音楽は伝わっているのかな~』って思っちゃいました」

ミ:「ヨウヘイの言う通り、お客さんとの距離が遠すぎるので、緊張度で言うと距離が近いライブハウスの方が高いですね!お客さんの顔が目の前まで来るし(笑)」


沖縄らしさ…?



―最近ヤングオオハラのライブを久しぶりに見させていただいたんですが、明らかにパワーアップしているのが伝わりました。デビュー前と今ではライブに対する向き合い方って変わりましたか?

ヨ:「よりライブ一本一本を大切にするようになりましたね。それは自分たちの名義で全国ツアーを回ったことも影響していて、各地に足を運んできてくれるお客さんがいるということで、彼らに全力で応えようという責任がついてきました」

ミ:「昔はライブ前から気合いが入りすぎちゃって本番は力みがちだったんですが、今ではリラックスすることを心掛けるようになりました。気合いは入れつつも肩の力を抜いて、メンバーとお客さん全員を支えるような気持ちで弾いています」


ライブ前にはメンバーで円陣を組むのが恒例(撮影:知衿)

―県内外でライブを行っていく中で、どういう反応をもらうことが多いですか?

ミ:「僕ら初めての県外ライブは名古屋だったんですが、その時のお客さんって確か3人だったんですよ。で、つい最近ツアーで行った名古屋では100人を超えていました。こうして行くたびにお客さんが増えてくれて、分かりやすい反応で言うとそういったお客さんの数が励みになっていますね」

ヨ:「全国どこでも行くたびにお客さんが増えていて、本当にうれしいですね。『次行った時、減っていたらどうしよう』とも思っちゃいますが…。そういった緊張感も活動には必要だと思っています」

ユ:「同業者の他のバンドマンたちからは、『今のまま変わらずに突き進んでほしい』ってよく言われますね」

ノ:「他のバンドからは『沖縄っぽいバンドだね』ってよく言われるけど、どういうことかあまりよく分かっていないです(笑)。見た目とか曲調なのかな…?」

サマタイMV
https://www.youtube.com/watch?v=HOXbbOGRJVo



全国を回る中、掴んだ手応えとは



―去年セカンドミニアルバムを発表して、初の単独ライブツアーを行いました。今までより細かく全国各地を回っていましたが、自分たちの音楽が届いていると感じましたか?

ユ:「いや、まだまだだなって感じました。SNSなどの発信方法も含めて、もっとやれたんじゃないかっていう反省点も多く出ました。でもライブに来てくれたお客さんは目を輝かせて心から楽しんでくれていたのが伝わったし、地道ではありますがこれを続けていけばお客さんと僕らの関係値も深くなっていって、その輪も大きくなっていくと思います。初めての単独の全国ツアーという経験で手探りの中、模索しながらのツアーだったけど、今後につながる感覚はつかめたと思います」

ミ:「サポートで出てくれた各地のバンドに助けられたっていうのが大きいですね。実力的にはまだまだ足りないと感じました」

ノ:「オフの時は基本一人で行動していたので、ホームシックで沖縄が恋しくなったんですが、ツアーも終盤に近づくと終わるのが惜しくて、逆に県外を離れるのが寂しくなってきましたね。卒業式が近づくあの感じっていうか…(笑)」

―やっぱり長い間、沖縄を離れるのはつらいですか?

ヨ:「県外によく出るようになった頃はしんどかったけど、最近は県外にいるほうが落ち着くようになってきました。今はライブに集中する日々を重ねている方が良いですね」

―環境が目まぐるしく変化していくなかで、大変だったことは?

ミ:「温かい沖縄から寒い地域に行くと、慣れない気温差にやられちゃってよく風邪を引いちゃいました。今では慣れてしっかり体調も整えられています」

ノ:「県外では車移動がメインになるので、身体の凝りが半端ない!整体の先生に、『肩の凝り方がハタチじゃない』って言われました…」

ユ:「僕は自分のセンチメンタルさについていくのが大変でしたね。活動が忙しくなるとその分考え込むことも多くなって、気分が落ちたりすることも多くなっちゃって…。そんな自分の新しい一面に驚き、慣れるのに時間がかかって大変でしたね」

―そんなユキトモくんの新しい一面には皆さんも気づいていました?

ヨ:「もちろん気づいていましたよ。その時のエピソードはヤバすぎてここでは言えないことが多いんじゃないですかね? 誰もいないところで一人で会話していたりとか(笑)」

ミ:「もう独り言の範囲じゃないですからね。彼の部屋から急に叫び声や笑い声が聞こえてきたり…」

ユ:「(笑)」


人懐っこい笑顔で笑う一同。大きなステージを踏む立場でも素顔は20代前半のままだ

ヨ:「ユキトモは沖縄に帰ってくるとパーッと明るくなるよね。飛行機下りて、荷物受け取ったら一目散にすぐ帰っちゃう」

ユ:「僕はやっぱり沖縄が好きですね。このスタジオハイブリッドが僕の一番の居場所なので。ここに来るといつでも仲間がいるし、帰ってきたな~とうれしくなりますね」


取材場所であるstudio HYBRIDは彼らが高校生の頃から使っている思い入れのある場所。名だたるロックバンドを輩出し続けている名門スタジオだ。

沖縄のバンドマンが育つ“家” 「studio HYBRID(ハイブリッド)」の野望
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-481345.html

―皆さんが思うヤングオオハラの魅力を教えてください。

ミ:「良い意味でお客さんの期待を裏切るところですかね。曲だけを聴いていると明るいポップなバンドというイメージを受けると思いますが、ライブではボーカルもギターもステージ上で暴れまわっているし、熱いMCもガンガン言うし、そのギャップが魅力だと思います」

ヨ:「特に僕らは意識してギャップをつくっているわけじゃないんですけどね。高校生の時からこのスタンスは変わらないし、『ライブは衝動的で暑苦しくてナンボだろ!』って思いながらやっていますから」

ノ:「MVだけ見たら一見イケイケな集団ですけど、普段の性格は4人ともおとなしい方だと思います」

ユ:「僕がこのバンドに対して、たまたまどこかで聴いてくれて気に入ったらどうぞごひいきにお願いしますっていうスタンスなんですが、この感覚を自分なりに大切にしているんですよ。ライブも好きに踊ってくれても後ろでジッと見ていてもいい。それぞれが好きな形で僕らの音楽を楽しんで好きでいてくれたらうれしい。僕らはカッコいいって自信を持って言えるし、イケてると思ってもらえるように、押し売りすることなく上手に伝えるやり方を考えています」

ヨ:「僕らの音楽もジャンルにこだわらずに、良いものは良いとオープンな感覚で曲に取り入れているので、そこもバンドのフランクさにつながるのかな」



―最後に、今後成し遂げたい目標を教えてください!

ヨ:「沖縄って立地的にも、他県に比べてアーティストが来づらい環境ですよね。なので、まだ沖縄に来たことがないアーティストを集めて大きいパーティーをしたいなと思っています。日本中には素晴らしいアーティストがたくさんいて、彼らを沖縄の人たちに向けて見せたいという夢があります。お客さんがさまざまな音楽に出会って楽しんでくれたら、そのエネルギーは演者にも波及していくと思うし、最終的に沖縄の音楽シーンの成長にもつながることができると思っています。そのためにもずっと活動を続けていくことが一番の目標ですね」

ユ:「僕は、中学や高校生のバンドと一緒に何かやりたくてたまんないですね。僕らも学生じゃなくなって、10代と接する機会がなくなっちゃったので、もっと関わりをもっていきたいなと。僕らがこの先何十年と音楽やっていくんだったら、今の子たちがどんな音楽が好きなのか、何をカッコいいと思うのか知りたいし、たくさん話したい。また音楽をやっている子たちと、満員に埋まった会場で一緒にライブしたい。『音楽やり続けていると、こんな夢みたいなこともかなえられるんだよ』っていうのも伝えていける立場になりたいですね」

ミ:「もっとロックバンドに関心を向けてほしいので、そのために力を付けたいですね。俺らが高校生の時ってもっとバンドがいて、スタジオにもたくさんの人がいたんだけど、今は少なくなって寂しいんですよ。改めて『バンドってカッコいいんだぞ!』っていうのを10代の子たちにも伝えて、繋げていきたいです。そしてユキトモの言うように、一緒にやれたら最高ですよね! 今は県外からメジャーなバンドが来ると、俺らがサポート役をすることが多いんですけど、その枠にもっと学生バンドが抜擢されるようになると良いなって思います。もっと沖縄バンド界の競争社会をつくりたい!」

ノ:「最近地元の幼なじみでラップ始めるやつが増えてきました。バンドじゃないのが少し悔しいんですけど、今後は彼らのラップに僕がドラムでビートを叩いてコラボできたらいいなっていう密やかな夢ができました。ジャンルは違えど、音楽仲間が増えるのはうれしいですからね。ジャンルを問わず、いろんな人とも仲良くなりたいです。音楽に限らずいろんな人と遊んで、自分たちのアイディアを膨らませていきたいです。外国人とも仲良くなりたいので、英語を喋れるようにもなるのも目標です!」



【プロフィール】

2016年8月始動。沖縄在住。
昨年夏、突如シーン飛び出した沖縄在住のロックバンド “ヤングオオハラ”。
“ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018” “RISING SUN ROCK FESTIVAL2018 in EZO”
“BAY CAMP 2018”といった錚々たる大型フェスのオーディションを次々と突破し出演を果たし、11月には待望の初の全国流通盤1st mini Album 「YOUNG☆BEATS」をリリース。夏の勢いは留まることを知らず、冬の大型フェスへも続々と出演。
2019年には、若手バンドの登竜門とも言われ名高い「スペースシャワー列伝JAPAN TOUR 2019」へ参戦。teto、Hump Back、2と4バンドで全国ツアーを廻り、各地で称賛を浴びる。6月に自身初の東名阪ツアー、ファイナルで地元沖縄でバンド史上初のワンマンを開催した。
HP:http://youngoohara.com/
Twitter:https://twitter.com/youngoohara_o

[Vo/Gt]ハローユキトモ birth 1998/2/27
ハワイ生まれ。米国人と日本人のハーフ。
ブルーノ・マーズと同じ病院で生まれた可能性が50%。
今春「沖縄女子短期大学」を無事卒業。まもなく覚醒する未来のロックスター。
https://twitter.com/_yukitomo_

[Gt]ヨウヘイギマ birth 1997/9/19
沖縄生まれ。沖縄人と大分人のハーフ。
作詞/作曲を主に手掛ける、天邪鬼なヤングオオハラの頭脳。
早くバンドだけでメシが食えるように名曲を生み出そうと奮闘中。
https://twitter.com/imyna____

[Ba]ミツキング birth 1997/11/7
沖縄生まれ。沖縄人と青森人のハーフ。
アルバイト先の居酒屋の幹部候補生だったがバンド活動が忙しくなり
幹部候補生から外される。ヤングオオハラのプリンス。
https://twitter.com/inininin6969

[Dr]ノリバルカン birth 1998/12/10
沖縄生まれ。ウチナーンチュ。
5人兄弟姉妹の長男。ベテラン高校生。
高校生活6年目に突入。妹は無事大学へ入学。弟は高校3年生。
国際通りにあるアパレルショップ#FR2でアルバイト勤務。
https://twitter.com/noritintinko



聞き手・野添侑麻(のぞえ・ゆうま)

2019年琉球新報社入社。音楽とJリーグと別府温泉を愛する。18歳から県外でロックフェス企画制作を始め、今は沖縄にて音楽と関わる日々。大好きなカルチャーを作る人たちを発信できるきっかけになれるよう日々模索中。




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