コロナに負けないキャリアのつくり方【持続可能な働き方を求めて@沖縄】


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「働き方改革@沖縄」は「持続可能な働き方を求めて@沖縄」にタイトルを一新しました!
AIの発達や人口減少などの従来の変化の波に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大など、地球規模の出来事が一人一人の「働き方」にも大きな影響を与えています。
激変する環境の中で、企業も労働者も「持続可能(サステナブル)」な働き方を実現するためには―。沖縄の経営者、労働者、学生たちと日々向き合っている専門家3人がリレー形式で「働く」をめぐる課題と解決へのヒントをお届けします。執筆者は変わりません。

人材開発コンサルタントの福島知加です。
まずは、私たちの命を守ろうと必死に取り組んで下さっている医療従事者の皆さまに心より感謝申し上げます。

前タイトル「働き方改革@沖縄」から今回の新タイトル「持続可能な働き方を求めて@沖縄」へバージョンアップして、初めての投稿になります。

今、世界中で拡大している新型コロナウイルスの感染予防に伴い、沖縄でも県独自で緊急事態宣言を発令し、新たな局面を迎えています。
私たちにできることは何か。手洗い、うがい、マスクの着用、手指の消毒、買いだめし過ぎない、そしてステイホーム。
今はおうちにいるだけで誰かの命を救うことにつながります。
私もこれまでは事務所で記事を執筆していましたが、今は自宅でこの記事を書いています。
なかなか自分でコントロールできない部分もあると思いますが、コントロールできる範囲でステイホームをしていきましょう!コロナ禍はいつか明けます!そのいつかのために今は淡々と準備を進めていきましょう!

【執筆者プロフィール】

福島知加 (ふくしまちか) ワダチラボ 代表

営業、人事、キャリアコーチの経験を経て2017年に独立。
現在は「コミュニケーションで個人と組織をHAPPYに」を指針に企業や大学生向けにカウンセリング、研修講師を務めている。
趣味は自己分析、ジャニーズを応援すること、泡盛をたしなむこと。
1984年中城村生まれ。1児の母。

人材開発コンサルタントって?

さて、今回は新タイトルになったので、改めて自己紹介をさせてください。ディズニーのキャスト、営業、人事職、キャリアカウンセラー、はたまた泡盛の女王を経験し、2017年4月に独立して現在は人材開発コンサルタントとしてお仕事をしています、福島知加と申します。旧姓はガッキーじゃない方のアラカキ。なので、バリバリのウチナーンチュです。
どうぞよろしくお願い致します。

人材開発コンサルタントのお仕事についてももう少しお伝えいたします。「コミュニケーションで個人と組織をHAPPYに」を指針に置き、企業や自治体の職員向けに人材育成や人材開発の研修を実施したり、個人向けにはキャリアコーチングやメンタルカウンセリングを実施したりと、年間で2000人以上の支援に携わっています。

コロナ休みは未来への投資期間

今回新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、私の仕事も大きく変化しました。4月は研修を実施する私たちにとっては最も忙しい月。なぜなら、入社や人事異動、昇進などによって新入社員研修、管理職研修が増えるからです。ですが、今回のコロナの影響により昨年から研修依頼を受けた9社中5社が延期。商工会や大学生向けの研修も延期になりました。しかし、その一方でご相談が3倍に増えた案件あります。なんだと思いますか?
 
それは、キャリアコーチングとメンタルカウンセリングです。基本、こちらも対面からオンラインに全て切り替え、ほぼ毎日対応しております。コロナの影響を受け入社延期や内定辞退になった3月に卒業したばかりの大学生。合同説明会がなくなりどう就活を進めていいか分からない現役学生。休業や自宅待機によって自分と向き合う時間が増えた社会人の方も多くいます。

カウンセリングの冒頭で必ず皆さんにお伝えしていることは、この期間をコロナ禍が収束する未来のための投資だと思って、自分としっかり向き合い、自分の情報(視点)を一緒に増やしていきましょう!ということです。
いわゆる自己分析なのですが、そのゴールは「自分の情報(視点)を増やし土台をつくることで、自分のキャリアを主体的にコントロールできるようになること」です。この土台をつくることはとても大切で、壁にぶつかったとしても乗り越えやすくなる自分をつくることができるようになります。

例えば、自己分析によって自分の強みや過去の成功体験、失敗から学ぶ教訓、協力者の存在が明確になれば、壁が立ちはだかってもこれらを理解し活用することができ乗り越えやすくなる、というようなことです。

心理学やキャリア理論でも自分の情報(視点)を増やして活用することで、キャリアショックに対応できたり、壁が乗り越えやすくなったりするというデータや理論がいくつかあります。

今回はその中で、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された
《プランド・ハップンスタンスセオリー》についてお伝えしていきます。

結論から申し上げると
1、人生の約8割が予期せぬ出来事や偶然でつくられる 
2、そしてその8割を乗り越えるためには5つのスキルを活用すると乗り越えやすくなると、クランボルツ教授は言っています。

では、行ってみましょう!

この状況、あなたならどう考える?

ジョン・D・クランボルツ教授は「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」とし、その偶然を計画的に設計して自分のキャリアを良いものにしていこう、というポジティブな考え方を提唱しています。

例えば、まさに今がこの状況だと思いますが、コロナの影響により会社内で希望退職を募っているとします。あなた何を考えますか。

「会社を辞めたら私なんてどこも採用してくれない」と考えるのか。
「まだこの会社でやりたいことがあるので、自分の成長のためにも居続ける」と考えるのか。
「これも新しいことにチャレンジできるチャンスだ」と捉えて退職を考えるのか。
みなさんはどの考えに近いですか?

もちろん、家族のことや経済の状況もあると思いますが、
どちらにしても後者の2つであってほしいなと思っています。

仕事だけでなく、恋愛においても突然パートナーに別れを告げられたらどうでしょうか。嫌だと泣きつき意地でも別れないと思うのか。これまでお付き合いしたパートナーに感謝し、次の恋愛にまい進すると思うのか・・・

まさにこう考えると、こういった予期せぬ出来事や偶然って、起こりうるんですよね。これから具体的な5つのスキルをお伝えするのですが、ここまで話を整理すると、「人生の約8割は予期せぬ出来事や偶然でできているから、自分のキャリアは自分で主体的にコントロールしていきましょう」ということです。

“予期せぬ出来事”をプラスに変える5つのスキル

では、自分のキャリアをより良いものに変換できる5つのスキルをご紹介します。

1、好奇心
新しい学習の機会を模索すること
例えば、人事異動を命じられれば好奇心を持って取り組んだり、今までできなかったことに挑戦してみたりすること。今回のコロナの影響で休業を命じられた管理職のAさんは、この機会に習いたくても習う時間のなかった「コーチング」をオンラインで学び、コロナ禍が明けた後、部下とのコミュニケーションに活かそうと努めています。

2、持続性
失敗に屈せず努力をすること

例えば、就職試験に失敗しても持続的にSPIの勉強や面接の練習をしたり、企業研究を怠らないということ。客室乗務員を目指していたBさんは、学生時代に10社以上の航空会社を受けましたが全て落ちていました。しかし、社会人になっても受け続けて30回目でようやく合格をすることができ、今では客室乗務員の教育担当を任されるほどに成長しています。

3、楽観性
新しい機会が「必ず実現する」「可能となる」と捉えること

例えば、希望していた部署にいけなかったとしても「いつかは必ず実現できる」と根拠のない自信を持つことや、物事を楽観的に捉えるということ。私が支援をした人でダントツに多いのがこの「楽観性」を活かすタイプ(私自身がこの要素が強いからなのかもしれませんが)。コロナの影響で企業が希望退職を募っていて、どうしようか悩んでいたCさんは、この機会をチャンスと捉え、これまで副業でやっていた「Webデザイン」に本腰を入れ、本業にできないか楽しみながら計画を立てています。

4、柔軟性
信念、概念、態度、行動を変えること

例えば、相手に合わせたり、マイルールを少し崩したりしてその場面に合わせた行動をとってみること。管理職のDさんは完璧主義な性格から、自分にも相手にも厳しくなりすぎて、周りから浮いてるように感じるようになりました。そこで、これまで無表情で相手にお願い事をしていたのを笑顔に変え、毎日継続しました。すると、話す言葉は変わっていないのですが、性格が優しく、明るくなったと周りから言われるようになり、部下から仕事の報告・連絡・相談をされるようになりました。

5、冒険心
結果が不確実でも行動を起こすこと

例えば、結果が見えている勝負でも、冒険心をもって挑むこと。県内の観光親善大使を目指していたEさんは、身長や年齢から観光親善大使に合格することは不可能と周りから言われていましたが、しっかりと対策を行い大会に臨んだ結果、見事合格し1年間観光親善大使を務め上げました。さらに彼女のすごいところは、親善大使に受かる前に受かった時のことを考え、会社を退職して大会に臨んでいたことです。

以上、5つのスキルの中には既に皆さんに備わっているものもあると思います。その中の得意なスキルを活用して、社会の教科書にきっと載るであろうこの厳しい局面を一緒に乗り越えていきましょう。

そして、コロナ禍が明けた後もさまざまな予期せぬ出来事や偶然が
幾度となくやってくると思います。その時もまたこのセオリーを思い出してください。

最後に、ステイホーム中に私にできることを考えて、毎日続けていることがあります。
私のTwitter、Instagram、Facebookのストーリーにて、自己分析のワークを解説付きで毎日投稿しています。全て無料でご覧いただけるので、ぜひご自身と向き合うヒントに活用していただけると幸いです。今のところ、5月6日まで投稿予定ですが、緊急事態宣言が続く限りは続ける予定です。他者とのコミュニケーションも大事ですが、自分とのコミュニケーションも大切にしましょう。

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◆執筆者プロフィール◆
福島知加(ふくしまちか)ワダチラボ 代表
https://www.wadachilab.com/

「コミュニケーションで個人と組織をHAPPYに」をテーマに人材育成、キャリアカウンセリング、女性支援事業を展開し年間で70社、約2000人の支援に携わっている。

自身が営業時代に全国最下位から全国1位を経験したことと、別の企業でメンタル不調を経験したことからセルフコミュニケーションとリーダーのコミュニケーション重要性に気づき、自身の経験と心理学やビジネス・マネジメントスキルを用いて研修を実施している。

沖縄県産業振興公社登録専門家。沖縄県観光人材育成マッチングサイト「育人」認定講師。1984年中城村生まれ。1児の母。