スイートコーンの育て方
黄金色の粒がまぶしいトウモロコシは ゆでる他にも食べ方はいろいろです。
今植えれば夏に間に合いますよ〜!
監修・徳元佳代子 撮影・屋比久光史 イラスト・漢那瑠美子
商品協力・ホームセンターカインズ
甘みたっぷりの黄金の粒は 太陽の恵みが要です。
日当たりのよい場所において 水は朝夕たっぷりと。
人工授粉と害虫駆除も忘れずに。
かけた手間はきっと報われます!
スイートコーンの“ヒゲ”の意外な効用
トウモロコシのヒゲ(絹糸)は中国では玉米鬚(ぎょくべいしゅ)や南蛮毛(なんばんもう)と呼ばれ、昔から利尿やむくみ改善に効果のある漢方薬として使われてきました。欧米ではコーンシルクと呼ばれ、体に良い作用が報告されています。といっても生で食べるのはオススメできませんが…。
① スイートコーンの種
② 野菜用の配合土
③ 化成肥料(N8:P8:K8)
④ 鉢底石
⑤大型プランター
(60cm×30㎝以上深型サイズ)2個
トウモロコシはイネ科の植物で、原産地は中南米という説が有力です。約8700年前から栽培が始まり、15世紀末にコロンブスがアメリカ大陸からスペインへ持ち帰ったのがきっかけで、世界中に広まったといわれています。
日本へは安土桃山時代にポルトガル人が南蛮船で運んできたことから「ナンバンキビ」と呼ばれ、中国のもろこしという植物に似ていたことから「唐もろこし」とも呼ばれました。本格的に栽培されるようになったのは明治時代からで、アメリカから「ゴールデンバンタム」という品種を導入したことに始まります。現在ではゴールデン、シルバー、バイカラー、ポップコーン種のほか、コーンスターチ用、飼料用、でんぷん用などもあり、甘味種であるスイートコーンは穀物ではなく野菜として扱われています。
発芽して20日頃に、養分吸収に必要な種子根や株元から不定根が出る場合もあります。株元からわき芽が出ることもありますが、取り除かずに育てましょう。めしべであるヒゲ(絹糸)に一粒一粒の実がつくため、雄穂が出たら必ず授粉を助けてください。
収穫後、常温(25〜31℃)で1日おくと糖がでんぷん化し、甘みもうまみも低下します。すぐ調理できない時はヒゲを上にしてチルドルームに立てましょう。寝かせると甘みが早く失われるので注意してください。
1 種まき
2つのプランターにそれぞれ鉢底石、野菜用の配合土を入れる。株間を30cmほどあけて2カ所に2〜3cmの穴を掘り、1カ所あたり3粒の種をまいて3cmほど土をかぶせて軽く押す。水をたっぷりやり、日当たりの良い場所に置く。
2 間引き・追肥
種まき後7〜10日で発芽し、本葉が3枚(草丈10cm以上)になったら生育の良いものを残しハサミで間引きする。その後、株元から離して一株当たり10gほど追肥する。土が乾燥すると収量が減るので、朝夕たっぷりと水をやる。
3 管理(授粉・房数の調整)
70日前後で雄穂、その3〜4日後に雌穂の絹糸が出たら、株をふり雄花の花粉を人工授粉させる。土が乾いたら水をやり、一番上の実を残す(2つ目以降の実はヤングコーンとして利用可)。
4 防除・収穫
害虫の「アワノメイガ」は果穂の先端から侵入するため、雌穂の絹糸が出てきたらこまめに様子を見て、そのつど捕まえて取り除く。25日前後(絹糸が黒褐色になった頃)、実の入りを確認して収穫する。
炊き込みコーンバターごはん
バターとしょうゆのコクに コーンの甘さが絶妙にマッチ。
何杯でもお代わりできそうです。
- スイートコーン…1本(250g)
- 米…2合
- ベーコン(ブロック)…60g
- しょうゆ…大さじ1
- バター…20g
- 刻みパセリ…適量
- コンソメ顆粒…小さじ2
- 塩…小さじ1
① 米は洗い、水に30分ほど浸しておく。
② スイートコーンは包丁で実をそいでおく(芯は捨てない)。
③ ベーコンを7mm角に切る。
④炊飯器にスイートコーンの芯と ①②③、 A の材料を入れて炊飯する。
⑤炊き上がったら芯を取り出し、バターとしょうゆを入れる。
⑥よくかき混ぜてから茶碗に盛り、刻みパセリを振りかける。
監修・徳元 佳代子(とくもと・かよこ)
「ベジフルマンマ」代表者、神奈川県出身。
九州・沖縄初の野菜ソムリエ上級プロ。アスリートフードマイスター1級。
1981年、糸満市の農家に嫁ぎ、農業に30余年従事。
2013年4月「第2回野菜ソムリエアワード」(野菜ソムリエ協会主催)で金賞を獲得。
(新報生活マガジンうない 2020年5-6月より転載)