おつりで、ポイントで…不況下こそ始めたい「ワンコイン投資」


社会
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自粛生活が長引き、家にいる時間が増えるいま、「落ち着いたら旅行に行きたい」「家族でちょっとぜいたくな外食をしたい」などといった会話も多い。そんな人こそ、先々を見すえて始めたいのが“ワンコインで始める投資”だ。

「少しでもお金を節約したいと思う人も多いでしょうが、“3年後に旅行に行きたい”“ブランドもののバッグが欲しい”など、自分や家族へのごほうびや息抜きをするためのお金も必要です。『投資』という単語には難しい、損するもの、といったイメージがつきものですが、超低金利の銀行の口座に置きっ放しではもったいない。いまでは、『家にいながら』『スマホによる簡単な操作で』『少額から始められる』ワンコイン感覚の投資サービスが増えています。へそくり感覚でお金が貯まるので、ズボラな人にこそおすすめです」

そう語るのは、ファイナンシャルプランナーの山口京子さん。とはいえ、投資と聞くと、株価に一喜一憂するなどなんだかハードルが高いイメージも……。

「証券会社に行く必要もなく、自分の年齢やお金の条件を入力するとおすすめの商品を選んでくれるので迷うこともありません。投資したお金は、ロボットが自動的に日本国内のみならず世界の金融商品に分散しているので、始めたらあとはほったらかしでOKです」(山口さん・以下同)

元本割れのリスクはゼロではないが、株式投資のように金融商品の価格が上下するタイミングを見計らって売り買いをするのではなく、1カ月に1度ずつの積み立てを1年以上など長い期間にわたって積み立てることで、損失を防ぐことができるのだという。

「たとえば、りんごの値段が1個100円のときに、1,000円分買うと10個手に入ります。1カ月後、50円まで値段が下がったとすると、1,000円では20個購入できます。毎月定額で購入し続けると、下がったときにたくさん買えるので、下落が大チャンスになります。これが“つみたて投資術”で、投資の結果はりんごの数×価格。価格と運命共同体の一括投資とは異なり、ドキドキしない投資法です」

新型コロナウイルス禍の影響などで投資信託の基準価額(値段)が下がったとしても、そこで多くの“りんご”が購入できるので、慌てることはないという。

山口さんが初心者にお薦めする投資サービスは「LINEスマート投資」、「ポイント投資」、「おつり投資」の3つ。山口さん自身SNSの「LINEスマート投資」で積み立てをしていて、30万円程度貯まったら、ごほうびで海外旅行に出かける予定を立てているとか。

「LINEスマート投資」の操作はとても簡単で、スマホでLINEの「ウォレット」中の「スマート投資」をタップ。下にスクロールして「ワンコイン投資」を選び、画面に沿って登録するだけ。

「『あなたの目標を設定しよう』の問いで、10個の目標設定からお金を貯める目的を選びます。とりあえずの積み立てから、旅行や趣味、美容と健康、ファッションなど何でもいいのです。続いてスマホの画面にしたがって口座を開設し、積み立てる金額を設定します」

できるだけお金は使いたくない、という人は、買い物するたびにもらえるポイントの運用で投資が体験できる「ポイント投資」を。

「スマホの大手通信キャリアは毎月の使用料金が多いほど、たくさんのポイントがつくので貯まりやすいです。ドコモのスマホを使っている人はdポイント、auはau WALLETポイントを使って運用するとポイントが日々増減しますから、契約している会社のサイトをチェックしてみましょう」

たとえば、au WALLETポイントはau PAYアプリの画面で、100ポイントから運用でき、これもほったらかしでいい。1カ月ごとに100ポイントずつ足していくなど、時間をかけてポイントを追加していくことが増やすコツ。

買い物をするたびにコツコツ貯まる「おつり投資」は貯金箱に小銭を入れる感覚でできる。

登録したクレジットカードで買い物をした際、100円、500円、1,000円などおつり投資の「単位」を決める。100円を選んだ場合、2,420円の買い物をクレジットカードで支払うと、100円単位での支払い額でのおつりにあたる80円がカウントされ、月末まとめて運用のお金にまわされる仕組みだ。

「ドコモのユーザーでdカードを持っていると『THEO+docomo』というサービスが使えます。ロボアドバイザーの質問に答えると自動で分散投資をしてくれます。今の時代、投資は勉強してお金を貯めてからするものではなく、今すぐ始められるものなのです」

先々のごほうびをちょっとぜいたくなものにするため、今から手軽な投資にトライしてみては?

「女性自身」2020年6月2日号 掲載

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