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夏のコロナ対策に試行錯誤 100cmの視界から―あまはいくまはい―(79)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

この夏、家族みんなで沖縄に帰る予定でしたが、諦めました。すでに今年は2回、帰省を取りやめていたので悲しいです。子どもの誕生日を両親と一緒に沖縄で祝う予定で、プレゼントも沖縄で手配していたのに残念です。代わりにオンラインで、誕生日の歌を歌い、画面に写る両親も一緒に記念写真を撮影(笑)。

オンラインで沖縄の両親と一緒に誕生会

猛暑の中でする新型コロナウイルスの感染予防対策は難しいですね。エアコンをつけながら、1時間に1回は窓を開けて換気します。子どもを遊ばせるために、なるべく密にならない場所に出掛けるのですが、持ち物が意外と多いこと!

今までは帽子、飲み物、タオル、虫よけスプレー、虫かごや拾ったお花を入れる袋だけでよかったのに、いまは加えてマスク、アルコールスプレー、アルコールシート、公園で手を洗うためのボディーソープも。ハンドソープは持ち運び用がなかなかないので、旅行用の小さめのボディーソープで代用しています。外で食べるおやつは手を使わないで食べられるあめをチョイス。アイスクリームは基本手では食べないので、外出の途中に電子マネーで買うことも。ドライブ中の車内は3密になるので、暑くても小まめに窓を開けます。

感染予防のためにやることが増え、地味につらい毎日。家族全員の検温、ドアノブや携帯の除菌、マスクやアルコール、ハンドソープのストック補充、買ってきた物の除菌など。家族で共用していたタオルも個々に掛け、小まめに取り替えます。時間があれば、よく使うハサミやペンも拭きます。どれも5分でできることですが、そのちょっとした積み重ねに疲れがたまります。子どもたちには「手を洗った?」「机は拭いた?」「手で食べないで!」「大きな声で唾を飛ばさない!」と注意することも多くなり、ピリピリしている自分が嫌になります。1日10時間、来てくれるヘルパーさんとも、なるべく距離を保つため落ち着きません。疲れがたまり、とうとう私も寝込んでしまいました。

これではいけない! 楽しむこともしなきゃ。4カ月控えていた外食も少しずつ再開。今まではおいしくて、子どもも過ごしやすいお店を選んでいましたが、今は密を避けて開店と同時に入れるか、可能な限りテラス席にするなどを基準にしています。しかし、この時期のテラス席は暑く、難しいです。

新しい生活様式の試行錯誤。今までやっていたことを潔くやめてみたり、やり方を変えたり、新しいことを試したり。コロナ、もう嫌。コロナのない世界に行きたい。でも共存しかないのです。生き抜きましょう!

(次回は9月1日)

伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2020年8月18日 琉球新報掲載)