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沖縄の両親と!離れていても一緒にごはん♪ 100cmの視界から―あまはいくまはい―(84)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

携帯電話アプリの宅配サービスを使って、沖縄に住む両親に夕飯のプレゼントをしました。神奈川県にいる私が、アプリに実家の住所を入れて注文します。宅配員の動きもGPSで地図に表示されるので、遠隔でも安心です。

私も私の姉二人も神奈川に住んでいるので、「今夜、一緒に夕飯を食べよう」と言って、気軽に両親の顔を見に行くことができません。今までは両親が年3回は神奈川に遊びに来てくれていましたが、今年は新型コロナウイルスの影響で上京ができないまま。両親には元気に楽しく過ごしてほしいのですが、感染予防のために外出を控えてほしい、特に外食での感染には気を付けてほしいと思っています。でも、私が実家に行って一緒にご飯を食べられるわけでも、おかずをお裾分けしにいくこともできません。

そんな時、わが家がデリバリーで頼んだおすしと、同じチェーン店のおすしを両親にもプレゼントしてみたのです。丁寧な配達員が届けてくれ、親も喜んでくれました。実際には会えないけれど、同じものを食べて楽しむご飯の時間、おすすめです。

毎年、わが家のベランダのプランターにチューリップの球根を植えるのは父の係、カバンや服のお直し、テーブルクロスを縫うのは母にお願いしていますが、今年はプランターは空のまま、洋服はほつれたままです。自分でやっちゃえばいいとも思うのですが、安心して頼れるのは居心地がいいんだもの。「じぃじ部屋」と名付けた両親が使う部屋には、父が上京した時に着る厚手のコートが掛かり、歯ブラシや文房具が置かれたまま。来年には、また安心して来られることを願います。

毎年春に咲く、父が植えたチューリップ

国内でもなかなか会えないのに、海外に家族や大切な人がいる人はどんなに寂しいことでしょう。先日米国の友だちに贈り物をしたら、2キロ以上のものは、船便のみの受付で3~6カ月は掛かるそうです。いろいろ悩んで思い付いたのが、沖縄のアーサです。おいしくて、軽くて、日持ちもするのでぴったり!

この半年で世界が一気に変わり、感染に気を付けながら生活することが大切になってきました。どうやったらリスクを減らせるのか、どこまでだったら楽しみを維持できるのか。新しい方法を考えるのは疲れるし、時には失敗もしますが、それを繰り返して、人類は進化し、命をつないできたのでしょう。私たちも賢く、強く、楽しく生き抜いていきましょう!

(次回は11月10日)

伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2020年10月27日 琉球新報掲載)