「助け合い、ためらわないで」人とつながる最高のチャンス 100cmの視界から―あまはいくまはい―(86)

  • 沖縄県全体
このエントリーをはてなブックマークに追加

「宿題は終わったの?」と親から聞かれた時、今やろうとしてたのにうるさいな、そればっかり言わないで、と気分を悪くしたことはありませんか? でも塾の先生や仲のいい友だちに「宿題は終わった?」と聞かれても「あ! まだだった、早くしなきゃ」と素直に受け取ることができます。また、自分よりテストの点数がいい人に同じように聞かれると、ばかにされた気がしてイラっとしてしまうこともありますよね。 

同じことを聞かれても、自分のその時の気分や状況、相手によっても、感じ方が違うのが不思議なもの。悲しいけれど、コミュニケーションの誤解は、あちらこちらで起こってしまうのです。

「車いすの人を見かけたら、声を掛けた方がいいですか?声を掛けるなら何て言った方がいいですか?」

これは、講演会で私がよく聞かれることです。また、声を掛けた時に断られたり、時には嫌な顔をされたりした経験があり、手を貸すことをためらってしまうと話す人も多いです。力になりたいだけなのに、逆におせっかいになったり、相手を傷つけてしまうかもと思うと、不安ですよね。

この質問に私はこう答えます。「ぜひ、声を掛けてみてください。『何かお手伝いしましょうか?』でもいいですし『ドアを開けましょうか?』でも。ただ、相手が断ったり嫌な顔をしたりしても気にしないでくださいね。あなたは全く悪くなくて、タイミングや相手の気持ちがマッチしなかっただけのことですから」。そして、先の宿題の話を例に話します。


寒くなってきたので、ヘルパーさんも一緒に温泉に行きました

誰かに手を貸すことはとてもいいことです。特に子どもは助け合いの天才で、自分のことは忘れがちなのに「荷物持ってあげるね」「手伝ってあげるね」とどんどんお手伝いをしてくれます。人とつながることが大好きで、自分のことも、相手のことも信じているからでしょう。そんな子どもを見習いながら、私たちも周りに声を掛けて、手を貸していきましょう。

助け合いは人と人をつなげます。助けを求めることも、助けてあげることも、人とつながれる最高のチャンスです。助けを断わられても、それは自分が嫌われているからではなく、タイミングが合わなかっただけのこと。嫌な気持ちになることはあると思いますが、そんな時、親の言うことをうるさいと感じていた昔の自分を思い出せたら、クスっと笑えるかもしれませんよ。気持ちを切り替えて、声を掛け、手を貸すことを続けていきましょう。



(次回は12月22日)


伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2020年12月8日 琉球新報掲載)

 


WSJ特設サイト

前の記事渡部建 妻ガン無視の会見断行…佐...
次の記事鬼教官が子煩悩パパに…NiziU...