窮地だからこそ、夢と希望語る 100cmの視界から―あまはいくまはい―(88)

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あけましておめでとうございます。丑(うし)年を気持ちよく迎えたいと思いつつ、新型コロナウイルスの影響で、不安もギュウギュウの年明けですね。この1年、格差がより浮き彫りになり、職種や雇用形態、貯蓄の有無、助け合うコミュニティーがあるかどうかで、被害の大きさが異なっています。また、安心して帰れる場所がない若い人が妊娠したり、家庭内のDVが深刻化したり、自殺者が増えたりと、2次的、3次的な被害が起こり、これからも続きそうです。

不安を抱える毎日だからこそ、何気ない日常の大切さに気付いた人も多かったのではないでしょうか? 私も外出が減った分、子どもと料理をしたり、ベランダを活用したりと、家の中で楽しく快適に過ごす工夫を重ねました。しかし今、体調不良になっても、首都圏では医療が受けられないかもしれないという不安で、気を張り詰めています。この流れが全国にも広がるかもしれません。今までの医療のありがたさを感じつつ、これからの医療制度の見直しと、医療従事者が保障とともに働けることを願います。

クリミア戦争で負傷兵を看護し、医療衛生を改革したナイチンゲール。彼女は看護だけでなく、郵便局や図書館などのコミュニティーづくりも必要だと訴えていたそうです。心身ともに傷ついた兵士が回復するためには、日常生活を取り戻すことが欠かせないと考えていたからです。


世界中の皆さんの健康と幸せを願って

パンデミックの今だからこそ、どんな生活を送り、どんなサポートがある社会に住みたいか、考えてみませんか? 実現してくれそうな候補者に投票したり、首相官邸のホームページから意見を伝えてみたり、地元の議員さんに連絡を取るのもいいですね。情報を集め、人と話すことで、いいアイデアが生まれ、変えていけるかもしれません。

私のように不自由のある生活を送っている人ほど、今回のように何かが起こった時の被害は大きくなりがちなので、避難訓練のように、日頃から助けを求められる環境と制度を築いていきたいです。夢や希望を語りながら、この窮地を乗り越え、理想の社会をつくっていきましょう。

また、忘れがちなのが自然環境の大切さです。ウイルスは自然界の動物から発生し、人が感染するので、自然を守ることは欠かせません。ごみや汚染を減らし、持続可能な生き方をしていきましょう。牛も千里、馬も千里、ゆっくり進んでいきたいですね。



(次回は1月26日)


伊是名夏子

いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。

 

(2021年1月12日 琉球新報掲載)

 



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