着るだけで幸せをもたらす!? 「かりゆし」のお手入れ方法!


社会
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収納をはじめ、掃除や洗濯といった家事について独自の視点から解析し、時短・ラクラク・経済的なテクニックを考案する市川るりさん(愛称:るりるり)。この連載では、るりるりの家事を快適にするための工夫とアイデアを紹介していきます。

かりゆしシーズン到来!

4月を迎え、街ではサラリーマンの「かりゆし」姿が増えましたね。沖縄に引っ越してきた当初、「通勤に着ていくのはちょっと……」とシブイ顔をしていた主人でしたが、照れながらも昨年の夏に「かりゆし」デビュー。その着心地の良さに、今ではすっかり「かりゆし」派なんです。スタイリッシュ・ラフ! 年代問わずにキマル! 感じも魅力かしら。

そこで「かりゆし」ついて調べてみたら、沖縄のおめでたい言葉である「かりゆし」の語源は「軽石」なのですね。水の中でも沈まないことから船出の安全を、また「かり」(縁起)が「よし」(良い)との含みも。「かりゆし」をまとうことは、お守りを身につけるようなもの、シアワセを取り込むものなのかも。

豊かな色使い、自然をモチーフとする生き生きとした柄の中に、沖縄の自然や人との共生・和合の原点があるようにも感じられます。シャツ1枚に凝縮されたハピネス……お気に入りの一着が、ますます愛おしく、大切なものに思えてきます。

豊かな色柄、自然な風合いがかりゆしの魅力

風合いや柄を保つ洗い方

今回は、そんな「かりゆし」の風合いや色柄をキープし、長く着るための洗濯について考えてみます。「かりゆし」は、ピンピン、パンパンにノリを効かせたシャツというよりも、たわーりと肌や身体になじむほどよい質感が魅力のように思います。そこで、あえてアイロンがけはせず、洗濯と干し方の2工程のみで仕上げましょう。

まず、シャツなどに付いている洗濯表示タグをチェック。結論から言えば、「×」と描かれていることは「やってはダメ」ということ。そうすることで、あの独特な色、風合い、柄がキープされるし、着心地のよい「よそ行き」を長く楽しめるはずです。

使い込んで、着慣らして……それが、「くたびれた」ように見えず、むしろ大切に扱ってきたモノへの優しさのように映ればダブル・ハッピーですよね。

Step1 ネットを使って型崩れを防ぐ

かりゆしは裏返して、身ごろのボタンを3~4カ所留めます。ネットの大きさに合わせてたたみ、すき間ができないようにネットに入れます。雨に濡れたり、真夏の汗だくになったかりゆしは洗濯かごに入れず、できればすぐに洗いましょう。できないときはハンガーにかけておきます。


Step2 皮脂汚れには重曹ペースト

襟の皮脂汚れには、重曹ペーストをたっぷり乗せて1時間ほど置いておきます。重曹ペーストは、ドラッグストアなどで購入できる粉末状の重曹を水で溶いたもの。よく混ぜて耳たぶくらいの固さになるよう、水分を調整します。前の晩に重曹ペーストを塗っておき、朝そのまま洗濯機に入れてもOKです。

Step3 中性洗剤で色柄・風合いを生かす

洗濯には液体タイプの中性洗剤がオススメ。アルカリ性の洗剤のほうが汚れは落ちやすいのですが、そのぶん色柄や風合いが損なわれやすいのです。分量通りか、少なめの量を使用します。仕上げには柔軟剤を使うとよいでしょう。


Step4 洗濯機は水流弱め・脱水短めに設定

洗濯機はおしゃれ着コースなど水流が弱いコースに設定します。あまり詰め込みすぎずに、すすぎはシッカリ、脱水時間は短めに。脱水時間を短くするのは、そのほうがシワになりにくいから。水温は高くても40℃までに。洗濯完了後はシワになるので放置は厳禁です。

Step5 重りを付けて陰干しに

洗濯が終わったら、肩の部分を持ちパタパタと激しく10回ほど振ります。襟、袖口は軽く引っ張って伸ばし、ポケット部分はたたいて伸ばします。裏返しのままハンガーにかけてボタンを数カ所留めたら、重り(乾電池3~4本程度を小さめの洗濯ネットに入れたもの)を取り付けたズボンハンガー2つで左右の裾を挟み、陰干しします。