SNSから広がる子どもの性被害 -モバプリの知っ得![126]


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幼い顔立ちをした3人の女優が12歳と装ってSNSを始めると、大人の男性から裸の写真を送るよう脅されてしまう…という衝撃の内容のチェコのドキュメンタリー映画『SNS―少女たちの10日間―』※1 が23日に全国公開されました。撮影した10日間で、2458人の成人男性からコンタクトが届いたとのことです。

『SNS―少女たちの10日間―』公式HP
http://www.hark3.com/sns-10days/

2020年、日本でSNSが理由となった児童の犯罪被害は1819件。これは警察が事件として把握している件数なので、泣き寝入りした件数を考慮すると、もっとたくさんの人が被害に遭っていると考えられます。中学生になると、多くの人が何らかのSNSを始めると思います。SNSは、こうした事件や犯罪と隣り合わせになっている現状を強く意識した上で使いましょう。

「令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/syonen.html

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

SNSでは、相手が本当はどんな人なのか判断ができません。15歳の女の子だと思って、会いに行くとおじさんだった。優しい大学生のお兄さんだと思っていたら、いきなり暴言を吐かれ脅迫されたなどさまざまな事例があります。人間関係も同じで、その人がどういう人なのかというのはわかるまでに時間がかかります。そんな中で、顔すら見えずに情報を偽ることができるSNSだと、人柄がわかるまでにより時間がかかるのは明白です。

特に、他の人からやり取りが見えない「LINE」や「ダイレクトメッセージ」での会話では、秘密を共有して相手に親近感を覚えることもあるかもしれません。しかし、そうしたところを逆手にとってその秘密を脅迫に使ってくるケースもあります。SNSは市民権を得て、より身近なものになりました。当然いいような使い方ができる事例もあるが、間違った使い方や悪い方向に引っ張られることもあるので、SNSは注意しながら付き合っていくように気を付けましょう。

※1 『SNS―少女たちの10日間―』 … 監督バーラ・ハルポヴァー、ビート・クルサーク。チェコで制作されたドキュメンタリー映画。沖縄では桜坂劇場で5月22日から公開。内容がショッキングなため、日本では15歳未満の方の入場・鑑賞が禁止されている「R-15」に指定されています。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」4月25日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/