「仲間うちで見るつもりだった」は通用しない!?アルバイト炎上が起こるワケ -モバプリの知っ得![134]


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6月に入り、大手のピザチェーン店やカレーチェーン店のアルバイトスタッフが店内で撮影した「悪ふざけ動画」※1がネット上で公開され炎上しました。いずれもチェーン店本部が謝罪する事態となりました。アルバイト仲間や学校の友人にしか見せないつもりだったのかもしれませんが、スマホで撮影された動画は誰かが転載すると瞬く間に拡散され、ネットの“広大な海”に広がる可能性が出てきます。こうして炎上すると、アルバイトをクビになるだけでなく、飲食店の評判も悪くなり、損害賠償を請求されることもあります。

残念なことに、アルバイトスタッフの「悪ふざけ動画炎上」は定期的に発生します。大手チェーン店ではアルバイトスタッフに対してスマホの持ち込みを禁止したり、研修などのカリキュラムを作っているでしょうが、それでもなくなりません。

飲食店のアルバイトスタッフ動画炎上問題と「大人」も気をつけるべき理由 モバプリの知っ得![92]

https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-878661.html

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

事の始めは、仲間うちの悪ふざけとして撮影したつもりで、本人たちも「いけないこと」だと分かってはいると思いますが、おそらく「自分は大丈夫」と、どこか他人事でいるからではないでしょうか。こうした心理を「正常性バイアス」と呼びます。災害時に「大丈夫」と思っていたら逃げ遅れてしまう、車の運転中に確認を怠って交通事故になることも正常性バイアスです。

ちなみに、一歩踏み込んだ話をしますと「食べ物」に関することはネット上で炎上しやすいと言われています。例えば、食べ物を粗末にあつかったYouTuberが謝罪したり、商品写真と違うひどい品質のおせち料理が宅配された件で、クーポンサイトが大炎上したこともありました。そう考えると飲食店のアルバイトスタッフは、いっそう立ち居振る舞いに気をつけなければいけませんね。

炎上を起こさないためには、まず「やらない」というのが大事です。友達とのじゃれ合いがエスカレートしてしまうこともあると思うが、まずやらないことです。その次は「撮らない」。一回スマホに撮って誰かに送ると、取り返しがつかないことになります。最後に「載せない」。一度インターネットに載ると消すことはほぼ不可能です。この三つの事柄に注意しながら、皆さんも「こうすると炎上するな」と思うことを点検し直してみてください。

※1「悪ふざけ動画」 … 今回はアルバイトスタッフが撮影した動画が炎上しましたが、過去には「電車の線路に降りて歩く」悪ふざけ動画や、お店の商品につまようじで穴を開ける様子を撮影した少年の動画が炎上しています。つまり、悪ふざけで炎上するのはアルバイトスタッフに限らないということです。

 

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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