憧れの企業に応募してみた ロックダウン世代になった就活生のリアル(20)

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琉球新報Style初となる、学生ライターによる連載が始まります。その名も「ロックダウン世代になった就活生のリアル」。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、インターンや採用試験もオンラインへ移行するなど、就職活動も今までと大きく様変わりしています。そんな新しい日々を手探りで進む学生の皆さんのリアルな感情や、葛藤などを体験記として記していきます。



こんにちは!学生ライターの眞榮城茉理です。日本各地の梅雨も明け、本格的な夏が始まりましたね。日々就活に力を入れている学生の皆さんも息抜きを大切に、体調に気をつけながら引き続き前に進んでいきましょう。

前回は「最終面接で失敗した…挫折から立ち直るために心がけたこと」を通して、就活過程での私の失敗や気づいたことをお伝えしました。前回は就活の大変さを強調してしまったので、今回は「就活も見方を変えたら楽しいと思える瞬間があるんだ!」と感じた体験についてお話ししたいと思います。

1つだけ記事の本編に入る前にお伝えしておくと、具体的な企業名は伏せて記事を書いているため、抽象的な表現があるかもしれません。しかし、この記事を読んでくださる皆さんの憧れの企業や夢について、じっくり考える機会になれば幸いです。

最終面接で失敗した…挫折から立ち直るために心がけたこと ロックダウン世代になった就活生のリアル(16)
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-1332564.html


「誰もが知っているあの企業にチャレンジしたい」 



私は、4月にこの企業が新卒採用を行うことを知りました。この企業について触れておくと、この企業は日本のエンターテイメント業界を牽引する企業の一つです。これまでは「ここで仕事がしたい!」という気持ちを大切にしながらも、企業規模や倍率を気にしながら企業に応募する日々でした。その中でこの企業は日本で知らない人はいないのではないかと言うほどに名が知られている企業。選考に進むのは厳しいと理解していながらも初めて「チャレンジしないと後悔する!」と感じ、応募することにしました。

 



「エンターテイメント業界に興味をもったきっかけー憧れの企業に出会うまでー」



私は5歳からピアノを習い、高校生まで吹奏楽部の一員として楽器演奏に夢中になっていました。常に人生の中で音楽がそばにあったことから、学生時代は漠然と「音楽に関わる仕事をするのは楽しそうだな」という想いを抱いていました。しかし、大学進学を考え始める頃には新たな夢を見つけていたので、音楽とは関係ない学問を学ぶことを決意し、大学に進学しました。

私は東京に進学したこともあって、さまざまなエンターテインメントに触れる機会に恵まれました。コロナ禍以前はコンサートから舞台鑑賞まで、さまざまな場所に足を運び大好きな音楽に触れ、大好きなアーティストに会うことを日々の活力にしていました。しかし、私は大学3年の前期に体調を崩し、大学を長期間欠席することになりました。学業もアルバイトもやりたいことも両立していると思っていた束の間の出来事でした。あの時のことを思い出すと、大好きだった音楽はおろか「娯楽」と呼ばれるもの全てに興味をなくし、私は心から元気をなくしていました。「もう何を聴いても、観ても感動することはできないかもしれない…」と絶望の淵にいたことを思い出します。

しかし、そんな私を救ってくれたのは、やはり大好きな音楽でした。私は体調を崩す前に、あるアーティストのコンサートに行くことを予定していました。「大好きなアーティストに初めて会える!絶対に行きたい!」と、チケットを手にする前からとても楽しみにしていたコンサートでしたが状況は一変。外に出ることもままならない体調で行くかどうかを直前まで悩んでいましたが、「このコンサートに行くために前向きに療養しよう」と考える一つのきっかけになりました。

そして、病院の先生や家族の協力もあって私は念願のコンサートに行くことができました。コンサートで耳にした大好きな音楽、迫力ある演出、生のアーティストたちの声、それら全てが何かを失っていた私の心に潤いをもたらしてくれた、そう感じる素晴らしい体験でした。そのような経験を経て、私は「エンターテイメントで、私のように困難を抱え生きる方に元気を届けたい」とこの業界に従事したいと考えるようになりました。それが高校時代、奥底で秘めていた小さな夢が現実味を帯びた瞬間であり、エンターテイメント業界そしてそのコンサートの運営に携わっていた憧れの企業にチャレンジするきっかけとなりました。
 



「原体験を深堀りしたことで自分のやりたいことが明確になった」



最初に、チャレンジしたこの企業の選考結果をお伝えすると、ご縁はありませんでした。しかし、私はこれまで行ってきた就職活動の中で、一番充実した企業研究やES作成の過程を味わうことができました。

全ての就職活動に共通すると思いますが、「どうしてこの業界なのか」そしてその中で「どうしてこの企業なのか」ということは、とても重要な志望理由になります。そこから志望する業界・企業との自分なりの共通点を見つけ出し、自分にしかない原体験を踏まえ、そこでどうやって活躍していけるのかということをアピールすることが大事なようです。

またエンターテイメント業界は特に倍率が高いので、私はこの業界に従事したいと考えた「自分にしかない原体験」を深堀りすることで、志望理由とこの企業で実現したいことを考えることができました。結果には繋がりませんでしたが、先ほどお伝えしたような原体験を実際に言葉にすることで、自分の目指したい道やどのように社会に貢献していきたいかということが、今まで以上に明確になりました。また、純粋に自分の憧れが詰まった企業について理解を深めることは苦にはならず、多くの夢を思い描きながら企業研究を進めることができ、本当に楽しかったです。

「就活でも夢を思い描きながらチャレンジ精神を忘れない」

就職活動をしていると、自分の「憧れ」や「好き」、「興味」を仕事にすることほど厳しいことはないのだと実感します。企業との相性、適性などいろんな要因が重なり、憧れの企業に入社できる人は決して多くはないと思います。しかし、視野を広く持ちながら自分の「やってみたい」という純粋な気持ちを大事にしてチャレンジし続けることは、新たな強みや夢を再確認する重要な過程でもあると思います。私は憧れの企業にチャレンジしたことで、「就職活動は、自分を見つめ直す前向きな機会なのだ」と改めて実感することができました。

 



純粋に楽しみながら就職活動に取り組めたこの時間は、私にとって忘れられない就職活動の思い出になりました。だから、結果を残すことだけを考えるのではなく、就職活動も自分の夢を実現させるための一つの選択肢だと考えると、より前向きに取り組めるのではないでしょうか。就職活動は現実と理想の狭間の中で自分と向き合うことが求められます。しかし現実に悲観しすぎることなく自分の憧れや理想を大切にしながら、歩みを止めないことが将来何らかの形で自分の夢を叶えることに繋がるかもしれません。

プロフィール

眞榮城茉理。那覇市出身東京都在住。大学では欧米の歴史や文化を中心に学ぶ。洋楽とアイドルを愛する22歳。22年卒に向けて就活中。読んでくださった方が前向きに将来について考えるきっかけになれるような記事を書けるように大学4年生等身大の私自身の体験や思いなど発信できることを日々模索中。




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