新都心エリアに現れるハイビスカスの壁 長さは何と90メートル以上!【島ネタCHOSA班】

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県営天久高層住宅の敷地内に長~いアカバナーの垣根があるんです。建物の横幅と同じくらいの範囲に植えられたアカバナーは、住人の方々が大事に育てていると聞きました。すてきな活動だと思うので関わっている人にお話を聞いてほしいです。

(那覇市 ローズアップル)



那覇新都心地区にアカバナーの垣根!?


天久高層の住人たちが手入れするアカバナーの垣根。最初に植え付けをしたのは12年前。ほぼ毎日の水やり、植え替えも重ねて現在の姿になっています。品種も多彩

那覇新都心地区にある県営天久高層住宅は2002年に完成した県営住宅。地上12階の建物に141世帯が入居しています。アカバナー(ハイビスカス)の垣根は敷地の北側にありますよ。

実際に訪れてみると、まずはその長さにびっくり。メジャーを使い端から端まで測ってみたところ、だいたい90メートルはあるようです。古くからある集落を訪れると、アカバナーを家伝いに植えている光景をよく目にしますが、ここまで長いものはめずらしいですね。

沖縄らしい垣根を

今回は、実際に垣根を手入れしている、天久高層住宅自治会の皆さんにお話を聞くことができました。アカバナーを植えることを提案し、今も世話の中心を担うのは仲本勝子さん。天久高層入居開始以来の住人で民謡歌手としても活躍する女性です。

「アカバナーを植え始めて10年以上。今までに2000本くらいの苗を植えたんですよ」

仲本さんは元気にそう話します。垣根の場所はもともとヒカンザクラが植えられていたのですが、天候や病気などの要因で枯れてしまったそうです。その状況を見た仲本さんが「新都心で昔懐かしい沖縄アカバナーの垣根を作ろう」と思いついたのだとか。「あえて方言で〝アカバナー〟と呼んでいるさ」とこだわりも教えてくれました。

アカバナーの栽培は、挿し木から始まりました。枝を切り、植物用の活力剤の希釈水に漬けて養生します。そうして育てたものが苗として植えられているのです。とはいえ、約90メートルの範囲に植える量の調達は簡単ではありません。仲本さんは、那覇市内を中心にアカバナーが植えられている家々を訪問。お願いして枝を少しずつ分けてもらったそうです。


(後列左から時計回りに)佐久本幸子さん、仲本勝子さん、、東郷ヒロ子さん、堀切邦子さん、仲宗根美奈子さん

暮らし守る美化活動

現在の青々とした垣根ができるまでには、定期的に肥料を与え、土壌改良も繰り返しているだけでなく、草取り、剪定、枯れてしまった株の植え替えも欠かせません。自治会が企画する定期的な美化活動だけでは手入れが行き届かないので、仲本さんや数人の有志は日々作業をしています。

仲本さんは農家の出身。その働きぶりについて「男勝りです」と笑うのは、一緒に汗を流す東郷ヒロ子さん。隣にいた佐久本幸子さんも「仲本さんは垣根だけでなく天久高層のいろんなことに気が付くんですよ」と教えてくれました。皆さん、自分たちが生活する場所を協力してより良くしたいという気持ちで日々作業に取り組んでいるようです。


民謡歌手の仲本勝子さん

下草取りは難儀なことですが欠かせません

「集合住宅の美化活動は防犯の面でも重要なんです」と話すのは、自治会長の伊芸久子さん。市街地にある天久高層は、敷地にゴミが散乱したり、施設の整備を怠ると、イタズラや不審者の出入りを招くリスクがあります。垣根を作るなどの活動で、敷地内を明るく、クリーンに保つことは、住民たちが安全で快適な暮らしを守ることにもつながっています。

仲本さんは「ここに越してきた時、こんな恵まれた環境で暮らせるなんて! と感動したんです」と話します。垣根の手入れをパワフルにこなす彼女の原点には、住まいに対する感謝とよろこびがあるようです。

多くの住人が暮らす集合住宅にも、ゆいまーる(助け合い)の心が根付いているんだな、と感動した調査員なのでした。




県営天久高層住宅

那覇市銘苅1-18-73

(2021年8月5日 週刊レキオ掲載)




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