逮捕者相次ぐ コロナ禍で広がるマルチ商法 モバプリの知っ得[156]

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「AIが勝手に暗号資産を稼ぐ」などとアピールし、資格がないのにお金を集めていたとして、男女7人が今月10日までに逮捕されました。彼らは「友だちを紹介すると紹介料がもらえる」とするマルチ商法の形で被害者からお金を集めていました。マルチ商法に関しては11日にも違法な勧誘で逮捕者が出たことが明らかになっています。これらはそれぞれ別の罪状で会社も違うのですが、マルチ商法を考える際に大切なポイントがいくつも詰まっている事例となっています。

男女7人が逮捕された事件では、「投資会社に出資したら、暗号資産の売り買いで高い配当が得れる」と説明し、顧客からお金を集めていました。仮想通貨を扱う業者は金融庁に登録する必要がありますが、彼らは無許可で行っており、金融商品取引法違反で逮捕者が出ました。逮捕された会社の元代表はSNSで豪遊する様子を投稿し、「出資したら自分のように大金持ちになれる」とアピールをしていました。しかし実際には出資者は配当金をもらえず、詐欺のような形でお金を集めていました。

もう一つは、マッチングアプリで知り合った女性を「日本アムウェイ」への会員登録という目的を告げずに登録を勧誘したとして、京都府の教育庁の男性と自営業の女性が、特定商取引法違反の疑いで逮捕されました。マルチ商法は「特定商取引法」という法律で、勧誘の方法が制限されています。勧誘で呼び出す際には「私は○○というネットワークビジネスを行っていて、あなたを勧誘しようと思います」とはっきり宣言をしなければいけませんが、彼らは行っていなかった。これが二つ目の事件です。


イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

前者の方はマルチを主催していた側。後者は主催者ではなく勧誘を行った人。同じマルチビジネス関連の事件なのですが、逮捕された人それぞれの立ち位置が違います。大前提としてマルチ商法は合法ということになっていますが、勧誘の仕方一つとってもわかる通り、多くの制限がかけられています。合法的にやるためにはいろいろと守るべきポイントがたくさんありますが、多くのマルチ商法の勧誘は、「いい話がある」として呼び出され、さらには「こんなビジネスがある(マルチであることはギリギリまで隠す)」と説明することが当たり前になっているため、合法的な勧誘活動をしている人はほとんどいないと思います(10回以上勧誘されたことのある私の体験談です)。きちんとした製品を売りたければ、わざわざマルチ商法の仕組みを使う必要はありません。「紹介すればするほどもうかる」という説明をされたら警戒しましょう。

今の時代、コロナ禍でお金に対する不安が高まったり、人との繋がりが希薄になって友人を作りたいという人が増えていると思います。そういうタイミングでマルチ商法を行っている人々はマッチングアプリで人とつながったり、セレブのような生活をしている写真をSNSにアップし、そうした思いを持っている人たちをおびき寄せます。「コロナ禍」と「マルチ商法」は悪い意味でマッチしています。

マルチ商法は「友達をお金に変えるビジネス」と言われます。のめり込んで、自分で商品を買い込む「自爆買い」を行い、豪華な暮らしをしているように見せるため借金をする人もいます。結局は友達もお金も失うのです。来年4月、成人年齢が18歳に引き下げられ、今後若者向けのマルチ商法の勧誘も増えるかもしれません。ぜひ、マルチ商法の仕組みや、これまでどんなトラブル、逮捕者が出たのか調べてみてください。


 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。



【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/

 



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