県内お笑いチャンピオン「ありんくりん」が見据える全国区への道

感覚重視、自然体で勝ち取るチャンピオンの座

県内賞レースで優勝。よしもと沖縄花月の舞台に立ち、CM・番組・イベント出演と活躍の場を広げるお笑いコンビ「ありんくりん」。芸歴8年目となる今年の目標、そしてネタ作りについてなどをクリスさん（右）、ひがりゅうたさんに聞いた＝那覇市・よしもと沖縄花月　写真・村山望

人気お笑い芸人「ありんくりん」は、北中城村出身のひがりゅうたさんと沖縄市出身のクリスさんによるコンビ。高校生のころに出会ってお笑いの道に入り芸歴を重ねてきた二人は、着々と経験を積みながら実力を磨いてきた。県内賞レースでチャンピオンになることを目指し歩んだ結果、決勝進出の常連に。優勝を勝ち取った現在、どのような気持ちで次に何を目指しているのか。思いを語ってもらった。

沖縄の2つのお笑い賞レース『O─1グランプリ』、『お笑いバイアスロン』でチャンピオンになったありんくりん。お正月の『O─1グランプリ』では毎年高得点を獲得、3度目の優勝を今年かなえた。視聴者投票で結果が決まるこの賞レースで勝者になるのは、知名度も実力も抜群といえるだろう。

「ありがたいことに街中で声を掛けられる機会が増えてきました。ドライブスルーを利用すると、店長さんが出てきたりレシートにサインを書いたりというのを何度か経験しましたよ」とクリスさん。

1月2日開催の『O-1グランプリ』（沖縄テレビ主催）で優勝！トロフィーと記念撮影

「カッコいい！どんな気持ちか？」と冷やかしながら、「僕は全然気付かれない」とすねるりゅうたさん。すると「相方（りゅうたさん）に似た人がショッピングモールで女の子と手をつないで歩いていました、とよく報告される。声を掛けづらいらしいけど、本当にお前か？」とクリスさんが突っ込む。何気ないやり取りも漫才のようで、笑ってしまう。

幸先の良いスタートを切った2022年は、「メディア露出が増えるように精進して配信動画も増やし、積極的に発信したい」と意気込む二人。

「テレビでは2秒に1回はボケないと」（りゅうたさん）、「MC役は沖縄を元気にする気持ちで務めたい」（クリスさん）など、役回りを意識しながら仕事に取り組んでいる。

先輩芸人から学ぶ

よしもとの養成所・NSC沖縄を14年に卒業。その後よしもと沖縄の所属芸人として活動を始めたありんくりんは、テレビでおなじみの有名芸人と共演する機会も多い。

クリスさんによると最近一番盛り上がったのは、漫才に狂言を取り入れたコンビ「すゑひろがりず」とのライブ。「空気感がマッチして最強。爆笑を巻き起こしました」

りゅうたさんは「県外のよしもとの先輩との共演は勉強になります。女性カルテット『ぼる塾』さんとのライブは本当に楽しかった」と語る。

3月16日には漫才コンビ「金属バット」とのライブを予定しているが、地元の兄貴のような存在とのこと。

「金属バットの友保さんと小林さんは面白くて優しい。ちょっとおかしな二人ですけどね（笑）」とりゅうたさん。来月のライブはフレンドリーな関係性が伝わる公演になりそうだ。

「先輩の立ち回りを目の前で見るのは学びです」とクリスさん。本土芸人の振る舞いは、ありんくりんにとって大きな刺激になっている。

全国の賞レースで好成績を

先輩を手本に沖縄でのキャリアをバネにして、飛躍が期待される二人。今は全国の人に知られる存在になることを目指している。コンビの強みを聞くと「ネタの中に愛嬌（あいきょう）があり自然と笑ってしまうかも。見た目のインパクトもあるはずです」とクリスさん。りゅうたさんは「気分屋なところが武器。こんなキャラクターをやってみたいな～と力を入れずに演じて良い結果につながったりします。感覚をお笑いにしているのが僕たちなのかもしれません」。