偽サイトが公式サイトより上位に出てくる!? リスティング広告の落とし穴 モバプリの知っ得[171]


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消費者庁は9日、人気ブランド「アイリスオーヤマ」「BURUNO(ブルーノ)」を装った偽サイトに対し、注意するよう呼びかけました。春の新生活で家具や家電などを買い替える人が増えるタイミングで人気ブランドのロゴや商品画像を勝手に使って、あたかも本物のようになりすまし、クレジットカード情報などを盗み取っていました。

偽サイトの存在は今に始まったことではなく昔から存在しており、その時々で人気のブランドやメーカーになりすましています。偽サイトかどうかを見分けるための方法として、「URLをきちんと確認する」という手がありましたが、最近の偽サイトはURLも本物と似せており、パッと見て見分けるのが難しくなっています。

今回の偽サイトは、公式サイトと比べて製品の価格が極端に安くなっていたり、ポイントがたくさん付与されるといった事例が見られました。このように「安さ」で釣って個人情報(メールアドレス・パスワード・クレジットカード情報など)を盗むのは古典的な手口です。今後もブランドの名前を変えて同じ手口を使う業者は現れるでしょう。大幅に割引されているのを見ると、衝動的に購入したくなる気持ちはわかりますが、商品を買う前に「なぜこんなに安いのか?」とまずは疑ってみて、いろんなサイトで料金を比較するなど、慎重に見極める必要があります。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

また、偽サイトと見分けがつくように好きなブランドの公式サイトはお気に入り登録しておいたり、クレジットカードの通知をオンにしておくのも自分の身を守る手段です。(カードが不正利用された際にすぐに気が付くので対応がしやすいです)

また今回の偽サイトの業者は、Googleなどの「リスティング広告※1」を利用してサイトを宣伝していました。つまり「アイリスオーヤマ」と検索すると、公式サイトよりも上位に偽サイトが出てきたということです。スマホを使って物事を検索するとさまざまな情報が出てきて、上位に出てきたページがなんとなく「人気で正しい情報である」と思ってしまうこともあるかもしれませんが実際のところは偽サイト、有害サイトである可能性もあるんです。改めて一つ一つの情報をしっかりと判断する必要があります。

※1リスティング広告…Googleなどで言葉を入力して検索をする際、上位に出てくる「広告」マークのついたリンクがリスティング広告です。通常は企業などが自社の宣伝で活用しますが、今回はその仕組みが悪用されました。偽サイトで個人情報を抜き取る業者が悪いのは言うまでもありませんが、Googleなどの検索エンジンの会社も、悪意あるサイトは表示しないなどの対策が求められています。

 

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

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【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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