沖縄・復帰50年をテーマに沖縄を代表する3劇団が舞台劇inなはーと、まもなく開演!

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沖縄の本土復帰を演劇で表現


沖縄を代表する三劇団が「復帰」をテーマにした舞台劇を5月に上演。演出を手掛ける3人、(右から)当山彰一さん(劇艶おとな団)、真栄平仁さん(劇団O.Z.E)、新井章仁さん(劇団ビーチロック)に作品に込める思いや見どころを聞いた。=会場の「那覇文化芸術劇場なはーと」で撮影 写真・村山望


2021年10月にオープンした那覇市の新劇場「那覇文化芸術劇場なはーと」。音楽・伝統芸能・バレエ・アート他、さまざまな作品の上演・展示が続く中、来月は注目の「現代演劇」公演が控えている。その公演は「沖縄・復帰50年 現代演劇集 in なはーと」。三人の演出家がそれぞれの視点で沖縄の本土復帰を描き、多くの役者が舞台に立つ。上演が迫る中、演出家の言葉と共に各公演の特徴を紹介する。



1972年の復帰目前、戦争体験者や主婦など9人のあふれる思いが交差する劇艶おとな団の演目『9人の迷える沖縄人』。

「日米安保条約の事を話したり復帰に反対したり、50年前の会話から始まる芝居です。若い方は冒頭シーンを見て古めかしく感じ、来なければ良かったと思うはずですよ」と笑う当山彰一さん。開演後数分で場面が現代に変わり、観客の心をつかむ展開が待ち受けているという。

「やわらいだと思ったら重いシーンになるなど、緩和と緊張が同時に来る舞台劇です。混沌(こんとん)とした音の中で幕を閉じ、復帰するとどうなる!? とざわつく気持ちを描いています」と当山さんは語る。


劇艶(げきしょく)おとな団『9人の迷える沖縄人(うちなーんちゅ)』

実は上演6回目を数えるこの演目。今回はキャリア十分のプロの役者たちを客演で迎える点が、大きなポイントだろう。

「沖縄芝居で売れっ子の伊禮門綾、組踊の演者で敵役としても知られる宇座仁一、チームスポットジャンブルのメンバー他に演じてもらいます」

過去公演とはセットを変え、復帰体験者の声をさらに盛り込むなど演出家として新たな仕掛けを考えながら、当山さん自身も演者の一人として舞台に立つ。


毎回変化する生の舞台


復帰前後と現在を描く劇団O.Z.Eの演目『72’ライダー』は、実在したウチナーンチュがモチーフ。73年、バイクで国会議事堂の正門に激突死した青年の話を基に、復帰40周年に合わせ作ったそうだ。

「10年前の初演でスベったところはカットします(笑)。たくさんスベった訳ではないので、脚本を見直して詰めていきますよ」と語る、ひーぷーこと真栄平仁さん。関わる作品の脚本書きや演出は観客を笑わせたい一心で、手掛けている。

「難しい事は言わず、とにかく笑えるように作りたいんです。一割程度は心に刺さる要素を入れますが、ほぼ全編を笑いにしたい。お笑い出身ですし、普段しゃべっているような会話でのリアルな表現にこだわっています」


劇団O.Z.E(おぜ)『72’ライダー』

本作の登場人物は復帰っ子の県庁職員と軍雇用員で、何気ない会話から自然に復帰の話題になる流れだという。

「本物のバイクを舞台に入れて、爆音を響かせる。それが物語の要です。完成形の映像作品ではなく、毎回違うものになるのが演劇の魅力。リアルな演技に共感してもらえたら何よりうれしいです」とまとめた。


若者を招待する取り組み


復帰から約一年後を舞台に、生演奏やダンスありでエンターテインメント色豊かな作品が劇団ビーチロックの演目『オキナワ・シンデレラ・ブルース』。

「初演は5年前で、観客アンケートにあった老夫婦のエピソードが印象的でした。クライマックスで、おばあさんがおじいさんの肩に頭を載せたそうなんです。若いころを思い出す要素があったんですね」と新井章仁さん。大阪出身で沖縄に移住し演出家の実績を積んできた新井さんは、背景となる時代と場所に観客を連れて行くイメージで作品を作っている。

「県外出身者が歴史物を描いていいのかという怖さはありますが、橋渡し役となり演劇の力で分かりやすく伝えていければと考えています」


劇団ビーチロック『オキナワ・シンデレラ・ブルース』

そんな新井さんについて「沖縄をテーマに扱うとき、一番客観的になれると思います」(真栄平さん)、「映像製作の経験もある新井さんの演出は、映像的にクロスして速いテンポで進む構造が魅力だと思います」(当山さん)と二人は語る。

今回の演劇集は各劇団3回ずつ上演予定で、全作品を鑑賞できるお得な「観劇パスポート」を販売中。また復帰を知る演劇を楽しんでほしいと、若者に観劇をプレゼントする「みらいチケット」も販売している。1口4000円で2人の若者を招待できる取り組みなので、興味のある方は問い合わせてほしい。

演劇を通して知る復帰、なはーとで見る沖縄の現代演劇。鑑賞後に新たな思いが生まれてきそうだ。


3月1日開催の「記者会見&キックオフミーティング」で概要を発表

(饒波貴子)




沖縄・復帰50年「現代演劇集」in なはーと

劇団ビーチロック『オキナワ・シンデレラ・ブルース』

5月4日(水・祝)開演19時・5日(木・祝)開演11時/16時

劇団O.Z.E『72’ライダー』

5月7日(土)開演19時・8日(日)開演13時/18時

劇艶おとな団『9人の迷える沖縄人』

5月13日(金)開演19時・14日(土)開演13時/18時

会場:那覇文化芸術劇場なはーと 小劇場(那覇市久茂地)
チケット代:大人3000円/23歳以下2000円/高校生以下1000円 
(当日は一律500円増)/3作品観劇パスポート:8000円 

https://okinawa50years.jimdofree.com

問い合わせ:おきなわ芸術文化の箱 TEL 070-4393-6225
 


(2022年4月28日付 週刊レキオ掲載)



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