楽しい場所あてゲーム モバプリの知っ得[194]


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Googleマップのストリートビューを使った場所あてゲーム「ジオゲッサー」はご存じでしょうか?PCやスマホのアプリでもできるゲームです。世界のどこかの街に放り出され、看板や建物、風景などから、その場所がどこなのかを当てるというものです。

モニュメントなども参考にして場所を特定して、Googleマップで「この辺り」と回答すると、結果的に何メートル誤差があったかでポイントを付与されるというものです。世界のいろいろな場所に投下されるので、世界を旅したような気分になれる側面もあります。

スマホが普及して以降、わからないことがあるとすぐにスマホで検索して解決してスッキリする―という方も多いと思います。そういう中にあってこのゲームでは、わずかな情報から場所を推理する楽しさがあり、もやもやしながらも細かいことを進めていくゲームで息抜きにもなるのではないでしょうか。また社会科・地理の勉強になったり、「この推理とこの推理が矛盾しないか」と考える・論理的思考のトレーニングにもなったりすると思います。

YouTubeなどに投稿されているジオゲッサーの「達人」たちのプレイ動画を見ると、瞬時に場所をあてていくので見ていて楽しくなる一方、怖さも感じます。

このゲームのキモは、ストリートビューに写っている看板や大きな店、病院の壁面にある電話番号、国道の名前などが見つけられれば、あああの辺りの場所なんだなとすぐわかるようになります。ここから転じて、こんなに少ない情報で場所を特定することができれば、私たちがなにげなくSNSにアップしている画像から生活圏内をあてることも簡単に思えるからです(ジオゲッサーの達人たちが悪用しているわけではなく、それだけ画像の中には情報が詰まっているということです)。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

個人情報はなくても、インスタグラムなどに定期的に投稿された写真を積み重ねてみていくと、いろいろな情報をつなぎ合わせていくことで、より鮮明なその人のプライバシーが見えてくることになります。

以前、アイドルが自撮り画像の瞳に反射した風景から自宅を特定されストーキングされるという事件がありました。最初に報道を見た時は心底驚きましたが、確かにSNSに投稿された大量の画像をジオゲッサーでプレイするように推理していくと、こうしたこともできてしまうのです。

特定を防ぐために「SNSに画像を投稿しない」と言い切ると楽ではあるのですが、今の時代完全に断ち切るのは難しいと思います。

そこでオススメするのが、わざとダミーの情報を複数投稿しておくことです。隣町の公園を「近所の公園」とあえて投稿したり、プロフィールの生年月日を少しだけ違うものにしたり。つまり、実際の自分と「矛盾」するような投稿をするのです。そうすることで推理をグッと難しくすることができます。

~ 解説 ~

※ ジオゲッサー … パソコン、スマホアプリなどでプレイできる場所あてるゲームです。基本プレイは無料。自分が放り出された場所と推理した場所の距離が近ければポイントが増え、5回連続でプレイした合計点を競います。看板に書かれている電話番号、地名入りの道路看板などをどれだけ探せるかが鍵になります。

 

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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