県産米で美肌をサポート!?【島ネタCHOSA班】


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県民なら誰もが知る、お米が目覚めて踊りだす天気予報の提供元としておなじみの沖縄食糧。このたび、オリジナルブランド「mycucuru(米くくる)」を立ち上げ、スキンケア商品を完成させたというのですが…?

お米の会社がなぜスキンケア商品を? 興味津々の調査員は、浦添市勢理客の沖縄食糧株式会社へ向かいました。

沖縄食糧が開発

開発チームは女性5人。(後列右から)品質管理部山城真知子さん、総務部田幸亜樹子さん、営業部川平いずみさん、(前列右から)経理部 宮平清美さん、営業部 仲本香さん

出迎えてくれたのは、品質管理部主任の山城真知子さん。管理栄養士・米穀検査上級技術者の資格を持つ山城さんは、お米の研究に取り組み、健康をサポートする雑穀米などの商品開発を手掛けてきたそう。

「沖縄食糧では精米を行っているので、米ぬかが発生します。SDGsの観点から、この米ぬかを何か活用できないか考えました」

玄米を白米に精米する過程で生まれる米ぬかには、美容成分が豊富に含まれています。昔の人は米ぬかをせっけんの代わりに使っていたという話もあり、お米本来が持っている成分を生かしてスキンケア商品が開発できるのでは…と思い至った山城さん。各部署から女性5人を募って、開発チームを結成します。そして約1年の時間をかけて今年6月に商品を完成させ、オリジナルブランド「mycucuru」を立ち上げました

「ブランド名は『米』と英語の『私(my)』を掛け合わせており、お米に携わる人々の想いと沖縄の心(くくる)を表現しています」

県産素材にこだわり

では、実際の商品を見せてもらいましょう。今回発売したのは、泡洗顔2種(さっぱりタイプ・しっとりタイプ)と化粧水。

試しに泡洗顔を使わせてもらうと…。ポンプを押すとモコモコの泡が出てきました。手で触ると、しっとり・もっちりしたやさしい感触です。

「お米由来成分には、高い保湿力が期待されます」と山城さんの言葉を、調査員も泡を触って納得。

「泡立ちには特にこだわり、試作を何度も繰り返しました」

ちなみに、泡洗顔にしたのは「朝、何かと忙しい女性が、泡を立てる時間を少しでも短縮できるように」との工夫。女性5人の開発チームならではの発想ですね。

泡立ちを優先しすぎると保湿力が落ちるため、泡立ちと保湿力の理想的なバランスを追求。また、開発チームのメンバーの肌質によって意見が分かれたため、さっぱりタイプ・しっとりタイプの2種類を開発したそうです。

mycucuruのスキンケア商品。①泡洗顔と美容ミストがセットになったスペシャルボックス、②お米の恵み 美容ミスト(化粧水)(100ミリリットル)、③お米の恵み 泡洗顔しっとりタイプ、④ 同さっぱりタイプ(どちらも150ミリリットル)

「地域の中で作ったものを県民の皆さんにお届けしたいという想いから、県産の素材にこだわっているのも特徴です」と山城さん。

泡洗顔と化粧水には、石垣島産の米ぬかエキス(※1)、西表島産の黒米発酵液(※2)、久米島の海洋深層水など、県産の天然素材を配合。

ちなみに、ポリフェノールが豊富で抗酸化作用が期待される黒米に着目したのは沖縄食糧のオリジナル。お米の研究を行ってきた山城さんの知見が生かされているのですね。

製造は久米島の化粧品メーカー「ポイントピュール」が担当。6月の商品完成以来、販路も拡充させ、県内量販店など20店舗やECサイトでの取り扱いも始まっています。「今後は、泡洗顔、化粧水とセットで使えるクリームの開発にも取り組みたい」と山城さんは次の目標を話してくれました。

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最後に、泡洗顔のしっとりタイプと化粧水で顔を洗ってみると…。お肌がやさしく包み込まれるような感覚! もっちりハリのあるお肌になったように感じました。さらに化粧水は、紫外線によるダメージをケアしてくれるそうです。お米の力でこんなにお肌が潤うとは! これまで知らなかったお米の力を実感し「mycucuruを通して、お米を生活の中に身近に感じてほしい」という山城さんの言葉がよみがえった調査員なのでした。

※1 コメヌカエキス
※2 アスペルギルス/コメ発酵液
【皮膚コンディショニング】


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(2022年10月27日 週刊レキオ掲載)