首里に「サンタのお家」!?【島ネタCHOSA班】


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先日「サンタのお家(うち)」の看板を見つけました! 学生服のリサイクルをしているお店のようです。お店のキャラクターもサンタクロースでした。気になるので調べてください。

(宜野湾市 神宮ベルさん)

クリスマス特集号にぴったりな依頼です。さっそく那覇市首里石嶺町にあるという「学生服のリサイクル サンタのお家」を訪ねてみました。店内に入ると学生服が所狭しと並んでいます。上着やシャツ、スカート、ズボンの他、ネクタイやリボンなどもあります。

協力者みんながサンタ

代表の照喜名小百合さん

出迎えてくれたのは代表の照喜名小百合さん。もともと那覇市天久で社会貢献型リサイクルショップを運営していましたが、2年前に現在の場所に移転。学生服の需要が高く、中古学生服のみの買い取りと販売を続けているそうです。以前は、店舗に持ち込まれた品物のネットオークション出品代行を手掛けていた同店。落札価格の3割を寄付してもらい、制服やランドセルなどを必要な人にプレゼントするための購入に充てていたといいます。
「持ってきてくれた人みんながサンタクロースという意味を込めて『サンタのお家』という店名にしました。現在の形態になっても、協力してくれる人がいるからこそ成り立っているので、名前もそのまま残しています」

同店で取り扱っているのは、主に中学・高校の制服。不要になった学制服を販売価格の約1割で買い取り、安価で提供しています。販売価格は服の状態と在庫によって変わるそうで、3千円~5千円で販売している学ランの場合、300円~500円で買い取りしています。
ここには何着ぐらい置いてあるのですか。

「実は店頭にあるのと同じ量の制服が、後ろにもあるんです。表には4千着近くあるので、在庫も合わせると合計8千着くらいあります」

他店との連携も

扱っているのは本島内の学校の制服。メインは那覇市内の学校だといいます。在庫が多いものや同店で取り扱っていない中部以北の学校制服は買い取りをしていないそうですが、「その場合は寄付として預かり、他店に持っていったりしています」

県内には他にも制服のリサイクル店があるんですね。

「希望の制服の在庫がないものは、他店を紹介するなど、連携を取っています」という照喜名さん。学生服をリユースする店舗は他にもあり、「学生服リユース子ども応援団 笑(わら)びん」(沖縄市)、「学生服リユースリサイクル ゆいまぁる」(浦添市)、「学生服リサイクル 大和商会」(那覇市)などとは一緒にプロジェクトに参加しているといいます。

どんな人が制服を売りに来るのでしょうか?

「譲る人がいないからと卒業後に持ってきてくれる人が多いです。サイズが合わなくなったというという人もいますね。SDGs(持続可能な開発目標)の効果なのかは分からないですが、学生たちは以前よりリサイクルを着ることに抵抗がなくなってきていると感じます。学生服の品質はすごく良いので、3年以上でも問題なく着られますから」

新品で学生服を購入する場合の相場は、1セットで約5万円。洗い替えもそろえると、倍近くかかるといいます。学校指定のジャージや靴なども加えるとさらに費用が増します。「その一部でも安くなればという思いです。中学と高校の入学がかぶる家庭も結構います。双子、三つ子などがいる人たちにも『助かる』と言われますね」

制服の再利用という選択肢があることを知った調査員。役目を終えた制服を必要な人につなげるお店はまさに「サンタのお家」でした。

学校ごとに制服が整理されている店内。クリスマスツリーやリースなど、一年中クリスマスの飾り付けが施されています
ネクタイやリボンなども並びます

サンタのお家
那覇市首里石嶺3-30-10
TEL:098-943-8630
営業時間:10:00~17:00
定休日:日曜・祝日・第3火曜
https://santa.okinawa/
※月により営業時間の変更あり
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「沖縄アウトレットモールあしびなー」と同店を含む4店舗が提携し「まわる制服プロジェクト」を実施中(12月31日(土)まで)

 

(2022年12月1日 週刊レキオ掲載)