位置情報の使用を許可する? モバプリの知っ得[209]


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今月4日、名護市内の学校に侵入し、衣類などが入ったカバンを盗んだ男が逮捕されました。盗まれたカバンに位置情報を発信する機器が入っており、男の居場所を特定したとのことです。さらに今月5日には、香川県高松市で18歳の女性を車ではねて逃げていた男がひき逃げなどの疑いで逮捕されました。逮捕の決め手となったのは、被害女性のスマートフォンが偶然はねた車の上に載っかったスマートフォンの位置情報の検索機能でした。どちらも被害者がいる残念なニュースではありますが、機械の「位置情報機能で容疑者が捕まった」という共通点があります。魔がさして悪いことをしても、こうした機能ですぐにバレてしまうということですね。

特にApple社が2021年に発売した忘れ物防止機器「AirTag(エアタグ)」は、少し分厚い500円玉ほどの大きさで、位置情報を調べることができる優れた製品です。私も財布を無くさないように財布に入れて活用しています。便利な一方、こうした製品をストーカーが悪用する事例も報告されています。例えば、アイドルにプレゼントするぬいぐるみに機械を入れて、家に持ち帰ると…自宅が分かるわけです。Apple社も不審な動きがあればAirTagから音が鳴るように対策を取ってはいますが、音が鳴らないように改造する人も出てきておりイタチごっこです。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

スマホアプリから「位置情報の利用を許可しますか?」とよく聞かれるかもしれませんが、私たちの位置情報はすごく大切なプライバシーです。しっかりと考えて機能をオン・オフして使ってみましょう。

~ 解説 ~

※ 大切なプライバシー … 私たちの位置情報は企業のマーケティング(商品を売るための分析)に使われます。この人は浦添でこの商品を検索した、この人は移動が多い・少ないなど、位置情報から得られる情報は沢山あります。こうした情報がネットの検索履歴・メールの中身などと一緒に分析されて、私たちの頭・心の中がIT企業に丸裸にされていることも意識してみましょう。

 

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/