美容整形広告とミス沖縄休止 モバプリの知っ得[215]


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

今月17日、沖縄観光コンベンションビューローは40年以上続いた「ミス沖縄」の選出休止すると発表しました。ミス沖縄はこれまで、沖縄の観光や物産などを県内外でアピールする役割を担ってきました。しかし観光のアピールであれば若い女性だけである必要はないはずです。存在意義が改めて問われていますね。

このニュースを見て、私は同じ時期のネットの話題を思い出しました。それは今月16日、SNSのインフルエンサーが電車内の「高校生向け美容整形広告」を批判した件です。「たった3年の高校生活。1秒でも長くカワイイ私で過ごしたい。」と書かれた、目の二重(ふたえ)手術を勧める広告です。人を見た目だけで判断することを「ルッキズム」と呼びます。ミス沖縄の選出も、ルッキズム的な価値観が含まれていると思いますし、美容整形の広告もルッキズムを後押しするものでしょう。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

ルッキズムは若者向けSNSですごく問題視されています。InstagramやTikTokが、「容姿が良い」とされるインフルエンサーに数字(動画再生数・いいね数・フォロワー数)が集まるように作られているのではないか? ということです。ルッキズムの“呪い”は特に、若い女性に向けられることが多いです。「若い女性は見た目が良くないと価値がない」と思わせるような社会の空気感ですね。ミス沖縄の選出休止も、美容整形広告の批判も、ルッキズム的な価値観から距離を置こうとしているように感じます。皆さんはどう受け止めますか?

~ 言葉の解説 ~

SNSのインフルエンサー … 高校生向け美容整形手術の広告を批判した俳優・プラスサイズモデルの藤井美穂さんは「今のままで十分かわいいいよ」「こんな若い美しい女の子たちに整形をしないと美しくないと思わせるような広告やめろ。」とTwitterに投稿しています。

俳優・プラスサイズモデル藤井美穂さんのツイート
https://twitter.com/mihoimiofficial/status/1626063891267731459

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/