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沖縄アクターズスクール「第二章」開幕! COO(最高執行責任者)エグゼクティブ・プロデューサー 牧野アンナさん


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

アクターズスピリットを継承

1983年に開校し、多くのスターを世に送り出してきた芸能養成所「沖縄アクターズスクール」。創設者・マキノ正幸さんの娘で、スクール内ではインストラクターを務めていた牧野アンナさんが、このたびスクールの再始動を宣言。無料レッスンを受け、全国展開のプロジェクトに参加できるスター予備軍「B.B.WAVES(ビービーウェイブス)」のメンバーを募集中だ。=那覇市内にて撮影 写真・村山望

1990年代、日本の音楽シーンを席巻した沖縄アクターズスクール出身のアーティストたち。MAX・DA PUMP・三浦大知さん他、歌って踊る抜群のパフォーマンス力が高く評価されたスクール出身者の現在の活躍も、多くの人が知ることだろう。開校当初の83年からスクール生として活動し、メジャーデビューも経験。93年にインストラクターに転身した後にスクール運営から離れていた牧野アンナさんが、20年ぶりに再始動を図るという。思いを語ってもらった。

40年前の11歳のころ、開校時の沖縄アクターズスクールに入校した牧野アンナさん。当初は俳優養成所だったという。

「イメージするのとは全く違う校風でした。祖父が映画監督で俳優の家系だったので、お芝居がメイン。大人が多いスクールで、小・中学生はサブ的な存在だったんですよ」当時の沖縄で芸能学校は珍しく、応募が殺到。音楽レッスンでは演歌を歌い、演劇などを教わっていたという。だが1年後に、演劇講師が別のスクールを開設。多くの生徒が移動した。

「子どもだけ残り好きなことをやっていい、というレッスンに変わりました。カラオケで好きな曲を歌うようになったので、それがポップスに切り替わったタイミングだといえますね」

講師がいないのも特徴で、「先輩が後輩の面倒を見ながら教えていました。マイケル・ジャクソンなどのビデオをみんなで見て、一緒に踊ったりもしていました」と振り返る。

「校長の父は、歌って踊れるスターの育成を本気で考えていました。欧米歌手のパフォーマンスを研究し、体の中にビートを叩き込むなど1つずつメソッドにしていったんです」

実践する第一号は娘のアンナさんなのがお決まりで、「不器用なお前は習得できた時に人に教えられる。指導者向きだ」と早くから言われていたそうだ。

大復活祭から次の道へ

1992年に安室奈美恵さんらと「スーパーモンキーズ」としてメジャーデビューを果たしたアンナさんは、安室さんの才能と観客を魅了する力を間近で感じ、圧倒された。

「小学生の時からダンスと歌のセンスがあり、練習が大好きだった奈美恵。こういう子がスターになるとデビュー直後に分かり、指導役に専念したいと父に話しました」

マキノ校長は安室さんがスターになり後輩が続けば、指導者であるアンナさんも注目される存在になると確信していたとのこと。スクールに戻り後のSPEEDメンバー含む若い世代の指導を始め、デビューを見据えてメンタルを鍛え、ホームシックにならないようグループで上京するなど戦略もできていた。

そして90年半ばに安室さん人気がブレイクし、アクターズスクール出身者の活躍が続いた。スクールの全国オーディションには5万人以上が集まり、デビュー予備軍のB.B.WAVESは県内での活動はもちろん、テレビ番組の収録のために東京に行くなど大活躍。「いろんな人に会いたくさんの事をやりましたが覚えていない。こなすのが精一杯でした」とアンナさんは語る。

「大復活祭」では、SUPER MONKEY’Sメンバーとしてステージに立ったアンナさん(提供写真)

その後2002年に沖縄を離れたが、18年に沖縄でアクターズスクールの同窓会を開催。歴代のショーを舞台で披露し、「みんなの細胞の中に同じものが入っていると実感。歌って踊って楽しくて、次は大きなイベントがやれたらいいねと話し、昨年の大復活祭につながったんです」と語った。

大復活祭は人気スターとなった卒業生も参加して大成功。出演者も観客もアクターズスクールの素晴らしさを改めて感じる機会になったという。特に三浦大知さんは「アクターズのメソッドを継承し、スターを育ててください」とアンナさんに訴えたそうだ。

親子で楽しむエンタメへ

三浦さんや多くの卒業生の協力を得て「子どもたちを育成し、沖縄の才能を世界に発信しよう」と目標を掲げたアンナさん。目下、令和版B.B.WAVES結成に向け、オーディションを開催中だ。

「現在30~40代の元々のB.B.WAVESメンバーが指導役になり、その子ども世代が新メンバー。一緒にパフォーマンスする親子も出てきそうですし、親子でファンになってくれる方もいると思います。いろんな世代を網羅できる楽しさのあるスタイルなんですよ」とアンナさんは期待を込める。歌とダンスに限らず、例えばクリエイティブなことやトークが得意な子、エンタメに興味があれば勇気を出して応募してほしいそうだ。

2022年10月に開催した「沖縄アクターズスクール大復活祭」でマキノ正幸さん、牧野アンナさんを中心に記念撮影(提供写真)

開校から40年が過ぎ、次世代へと継がれるアクターズスピリット。体も心もフル回転させて出し切るエンターテイナーとしての精神が、その根幹だという。未来のスターの誕生が待ち遠しい。

(饒波貴子)


沖縄アクターズスクール令和版「B.B.WAVES」

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参加資格:沖縄在住の小4~高3の男女(2023年4月時点)

・歌、ダンスの経験問わず
・親権者の同意が必要です
・特定のプロダクションと契約している方は不可
 

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締め切り:3月12日(日)

(2023年3月2日付 週刊レキオ掲載)