暮らしを楽しく豊かに 沖縄の植物漫歩(1) 


暮らしを楽しく豊かに 沖縄の植物漫歩(1) 
この記事を書いた人 佐藤 ひろこ

 「亜熱帯・沖縄の植物たちの特徴をよく知り、その特性を生かしていくことで、沖縄の産業や暮らしを豊かにしていきたい」というのが、私たちNPO法人沖縄有用植物研究会の活動の主眼であり、この連載の狙いでもあります。沖縄の植物への関心・興味をもっともっと高めてほしい、そのために、植物の特徴、特性をもっと知ってほしい。

 沖縄は亜熱帯地域とよく言われますが、植物にとっての亜熱帯の特徴とは何か、亜熱帯の植物は温帯とどのように違うのか。さらには増殖や栽培などの正しい知識や技術を知って、沖縄のさまざまな植物を生かし、日々の暮らしを楽しんでほしい、というものです。

 「沖縄は熱帯の北限、温帯の南限で、それだけ沖縄は幅広いたくさんの植物が育つ環境に恵まれている」と、これは故立花吉茂先生の格言です。恵まれた植物環境を生かして、沖縄ならではの豊かな生活を楽しんでほしいと思うのです。

沖縄では「アカバナー(赤花)」とも呼ばれるハイビスカス。県内では今帰仁村などで「市町村の花」としても愛されています
かわいらしい野の花・アカボシタツナミソウ

 沖縄ではハイビスカスやクロトンはご近所の家の庭でも簡単に見ることができます。どちらもタネをまくことで、どこにもないあなただけの花を簡単に咲かせることができます。

 また、インパチエンスやポトスなど沖縄ではほとんど雑草なのですが、東京や大阪などでは鉢で栽培されて花屋さんで売られています。身近な植物が雑草から園芸品に大変身したものや、園芸種が野生化したものなど、沖縄にはこんな植物がたくさんあります。販売用としてではなく、家庭で暮らしを楽しむものとして植物を眺めると、沖縄はまさにその宝庫です。

(NPO法人沖縄有用植物研究会 牧野洋二)

(2014年10月31日 琉球新報掲載)