まるでカフェ!化粧お試しも 多様化するコインランドリー


まるでカフェ!化粧お試しも 多様化するコインランドリー
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 雨が続くと洗濯かごに衣類がたまり、気持ちまでジメジメしてしまいそう。そんな気持ちを吹き飛ばすように、沖縄で近年、衣類も気持ちもカラッと爽やかにしてくれる、すてきなコインランドリーが増えている。

待ち時間を快適に過ごせる「コインランドリーカフェ東浜」=与那原町東浜

カフェ併設で安らぎ

 与那原町東浜の「コインランドリーカフェ東浜」は、座ってお茶を楽しめるスペースを併設したコインランドリーだ。来店客は、読書をしながらコーヒーを飲み、ゆったり洗濯が終わるのを待つ。運営する武産業の金城恵子社長は「清潔でゆっくり過ごせる、自分が理想としたコインランドリー作りを心掛けている」と話す。

 常駐の店員は、機械の清掃や、洗濯を終えた衣類のビニール詰めなど、整理整頓に気を配りながら、来店客との談笑も大切にする。

 毎週利用するという新垣義永さん(75)=南風原町=は「店員と話しながらお茶を飲むのが楽しみ。少しの洗濯でも利用する」と話し、カラッと笑った。

店舗ホームページから機械の稼働状況が確認できる「ワッシュランド ちばな店」=沖縄市知花

ITとIC初導入

 沖縄市知花の「ワッシュランド ちばな店」は2009年に県内で初めてITとICを取り入れたコインランドリー店だ。店舗の乾燥機や洗濯機の稼働状況を誰でもホームページ上で確認できるほか、支払いにポイントが付くICカードを導入した。

 店を運営する「ハーブ・ランドリーサービス・沖縄」の代表兼店長の池原秀幸さん(55)は父親の介護を機に脱サラした。父を介護しながらできる仕事としてコインランドリーの経営を選んだ。持ち前の探求心で本土の同業者を自ら視察し、先端技術を導入した。

 土足禁止の店内は夏場には冷房が入り、WiFiを完備している。イベントのビラや地域情報誌を置いて、来店者が待ち時間を有効活用できるよう工夫を凝らした。利用者の吉村五月さん(37)=うるま市=は「小銭不要で、カード利用でポイントが付く。仕上がりも上々」とほくほく顔だ。

女性雑誌や化粧品の試供品が並ぶ「アイ・ランドリー」=那覇市田原

■女性専用も

 那覇市田原の「アイ・ランドリー」は県内初の女性専用コインランドリーだ。24時間営業で、午前9時から午後9時まで女性スタッフが対応し、午後9時以後は支払いにも使える会員用のカードで入店を管理する。店内には女性雑誌や化粧品の試供品も並んでいる。こちらもWiFi完備で、コーヒーも提供する。

 運営するのは東京の飲食・サービス業のセカイエ。金井孟代表は「利用者に安心・安全とくつろぎを提供するため、女性専用にした。今後は携帯アプリを活用し、広告動画を見て、利用料が割り引かれるなどのサービスも提供したい」とより良い環境づくりに意欲を見せている。

 スタッフの10代女性は「仕上がりを待つお客さんと、世間話をするのが楽しい」とふんわり柔らかな口調で話した。

文・藤村謙吾
写真・又吉康秀

(2016年5月3日付 琉球新報掲載)