何度も訪れたくなる島づくりへ 「島あっちぃ」記者ルポ

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 「島を知る・感じる・ふれあう」を掲げ、県内離島が提案するモニターツアーで離島の観光・交流を促進しようと、県は10月から本島在住者を対象にモニターツアーの旅費の8割を助成する事業「島あっちぃ」を実施している。島の魅力を実体験するため、11月11~13日に開催された久米島モニターツアーの様子を紹介する。

 「息を吸って、吐いて。滑らかな呼吸を意識しましょう」。午前7時前、朝日が昇り、爽やかな海風が優しく通り抜ける久米島のイーフビーチ。女性のヨガ講師が「島あっちぃ」参加者らに声を掛けながら、一緒にヨガポーズを取る。参加者らはゆったりとした環境で体を伸ばし、心身ともにリフレッシュした。

 定員10人の「奥武島ステイプラン 自然に感謝!朝ヨガで心も身体もリフレッシュ!」プログラムに参加したのは全員女性だった。友人同士や家族、個人など、参加者はさまざま。

 4人姉妹で久米島を訪れた40代の女性は「モニターツアーのおかげで、久しぶりに家族旅行ができた」と述べ、ヨガでリフレッシュもできたようだった。


日の出を楽しみながら、ヨガを体験する「島あっちぃ」の参加者ら=久米島町のイーフビーチ

潜在力


国指定天然記念物の「五枝の松」を紹介する久米島のバス運転手(左手前)=久米島町

 2泊3日の行程は、ヨガのほか、海洋深層水とドイツの伝統的温浴療法(バーデ)が一つになったスパ施設「バーデハウス」も訪れた。海洋深層水はマグネシウムやカルシウムなど人間の体に必須の微量元素が含まれており、リハビリテーションなどの運動能力回復にも役に立つという。同施設は県内唯一の海洋深層水を利用したスパ施設だ。

 ツアーは島の魅力を大いにPRするため、フリータイムも多く組まれている。伝統の久米島紬(つむぎ)の織り体験や乗馬体験などオプションプランも多数用意されている。

 初めて久米島を訪れた30代の女性は「山や海など豊かな自然と触れ合いつつ、伝統的な紬の織り体験もできて、とてもよかった」と評価する。さらに「これまで久米島の存在は知っていたが、ぼんやりとした知識しかなかった。今回実際に島を訪れて、島に潜んでいる魅力が十分理解できた」と話した。

参加者ら意見交換

 最終日には、久米島町観光協会が3日間を振り返る「ゆんたく会」を久米島空港内で開いた。ヨガチームのほか「海洋深層水化粧品ポイントピュールで美容セミナー」と「ホタルとサンゴの島づくり体験プログラム」の参加者ら計24人が意見を交わした。

 ホタルの保護観察施設「ホタル館」の見学などを通して久米島の自然を学ぶ「ホタルとサンゴの島づくり体験プログラム」参加者からは「ホタル館のプログラムはとてもよかった」と評価がある一方、「ホタルが見られず、残念だった」などの声もあった。

 モニターツアーを提案した久米島町観光協会の担当者は「ホタルとサンゴへの理解を通して環境保護の重要性を知ってもらうことが本来の狙いだった」と説明し、その上で「初めての事業なので、準備が足りないところもあった」と反省する。

 今回のモニターツアーでは売店が閉まって土産品が買えないなど一部課題を残したものの、離島ならではの体験、潜在的な魅力は十分商品化できることが分かった。何度も訪れたくなる魅力ある島づくりへ、各離島の挑戦は始まったばかりだ。

(呉俐君)

(2016年12月4日 琉球新報掲載)



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