冬でもアツい沖縄の山 やんばる自然観光が人気

  • 北部
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 沖縄で自然に親しむと言えば、マリンレジャーの印象が強い。冬季や梅雨などで海を存分に楽しめない時期、「どこで外遊びを楽しもうか」「県外の友人をどこへ案内しようか」などと困った経験はないだろうか。近年、年間を通して自然を楽しめる山や森の観光が県内で人気を集めている。

全国1位


初めてのバギー体験を楽しむ中原さん家族=名護市世冨慶の「どきどきヤンバルンチャー」

 昨年4月にオープンした名護市世冨慶の「どきどきヤンバルンチャー」は、4輪バギーにまたがって山の中にある一周約1.5キロのオフロードコースを楽しむことができる。夏季は6~7割の予約で埋まっていたが、今の時期はほぼ予約がいっぱいとなる盛況ぶりだ。

 世界中の体験型観光を紹介するウェブサイト大手「ベルトラ」の客が評価する「満足度ランキング」で、全国2824施設中1位になるほどの人気を誇る。リピーターも増えている。

 バギーを降りて森林散策をする時間もあり、本土とは違う植生にじっくり触れることができるのも魅力の一つだ。体験者からは「雨でも(自然の中の)雰囲気があって楽しめる」との声が寄せられている。

 糸満市から家族5人で参加した中原仁康(にこう)君(糸満小5年)はバギー3台の先頭で堂々と走った。「水たまりを走るのが怖かったけど楽しかった」と話した。

口コミで広がる


大石林山を満喫する外国人観光客=国頭村宜名真

 石灰岩層の隆起・浸食でできた岩山散策を楽しめる国頭村の「大石林山」はここ数年、女性を中心に「パワースポット」としても口コミで人気が広がっている。大石林山のある「安須杜(アシムイ)」は四つの山々からなり、40を超える拝所がある。

 それぞれ所要時間30分前後の4コースが用意されている。変化に富んだ岩の形から、二つの岩が寄り添うように見える「縁結びの岩」、サイのように見える岩は「ハイ!サイ!」など名付けられ、楽しい気分になる。展望台では与論島を見渡す絶景が楽しめる。

 友人を訪ねて米国から来たジャスミン・ドゥハティさん(20)は、動画投稿サイト「ユーチューブ」で大石林山を知った。もともとハイキングが好きで、「沖縄は緑が素晴らしい」と話した。

 数十年来の学友と共に宮城県から訪れた木本圭一さんは「初めての沖縄で、自然に触れたかった。石灰岩でできた岩肌の感じが、県外とは全然違う」と興味深そうだった。

森でリフレッシュ


遊歩道を歩いた後の程よい疲労感には、滝の音が心地よい=国頭村の比地大滝

 国頭村の「比地大滝キャンプ場」では、年利用者の約3分の1に当たる約1万人が海外から来るという。近年キャンプブームだという韓国からの観光客が特に多い。片道約40分の遊歩道では比地川のせせらぎや鳥の声を聞きながら、多い所で80段はある階段を上り下りしながら滝を目指す。

 「せわしい日常を離れてリフレッシュしたい。建物がない場所で自然に囲まれたい」と、宜野湾市から友人と2泊3日でやんばるを満喫しに来た女性(40)は語る。予想していたよりたくさん歩いたため体温が上がり、1月ながらタンクトップ姿に。高所恐怖症で高い階段やつり橋が苦手だとしながらも、終始笑顔で「森でのリフレッシュ」ができた様子だった。

文・長浜良起
写真・新里圭蔵



年中手軽に楽しめる 雨宮節さん 県山岳連盟会長

 1月でも半袖で過ごせる日がある沖縄は、山を楽しむには本当に素晴らしく、絶妙な気候だ。1月に本土の山で道に迷うと低体温症になる危険性が高いが、沖縄ではその心配がほとんどない。山の「厳しさ」がないため、綿密な計画を立てなくても手軽に山を楽しめる。

 沖縄の山には登山の原点がある。それは「この先に何があるか分からない」という探求心だ。多くの山はガイドブックなどに載っていない。自分で山を探して進むという醍醐味(だいごみ)がある。一方、遊歩道などが整備された施設では、たとえ体力にあまり自信がない人でも山歩きの魅力に触れられる利点がある。

 沖縄は、他府県には見られないほど都市の近くに自然がある。那覇からでも1時間もあれば山に行けることに、県外の人たちはみんな驚いている。こんなにすぐそばに、お金では買えない自然がある。たくさんの緑、花、動物。車社会の沖縄の人もぜひ、車を降りてほんの少しでいいから山に入ってみてほしい。



(2017年1月17日 琉球新報掲載)



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