音楽でつなぐ絆 慶留間舞台の映画「島々清しゃ」

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 作曲家普久原恒勇の名曲をテーマにした映画「島々清(かい)しゃ」(新藤風監督)が21日、那覇市の桜坂劇場で公開される。座間味村の慶留間島などが舞台の本作は、美しい自然と人間味あふれる情景が見せ場だ。出演した伊東蒼と安藤サクラ、新藤監督に話を聞いた。


主人公花島うみ役を演じた伊東蒼

バイオリニスト北川祐子役を演じた安藤サクラ

「島々清しゃ」を制作した新藤風監督

 「チンダミ狂っている!」。きれいな音しか受け付けない特殊な音感を持つ少女花島うみ(伊東)が何度も口にする言葉。米軍の戦闘機から学校の吹奏楽部が奏でる音までいやがる彼女が、島の人々や子どもたち、離れて暮らす母との距離を努力することによって縮めていくヒューマンドラマだ。

 美しい海の風景やうみの祖父・昌栄(金城実)が奏でる歌三線、うみと島の子どもたちが実際に練習して吹奏楽で奏でる場面は印象深い。新藤監督は「撮影の時を思い出すと胸が熱くなる」と話す。

 新藤監督は「一目ぼれ」で慶留間島を舞台に選んだという。「慶留間島を訪れた瞬間、魅力を感じた。海と空、人、何もかも引かれた」と語る。

 伊東は本作の撮影で初めて沖縄を訪れた。「海がきれいで、食べ物もおいしい。ケラマジカもかわいくて、何より人があったかい。また来たい」とほほ笑む。

 バイオリニストの北川祐子を演じた安藤は金城が奏でる三線に感動したという。「10代の時三線に出会って音に引かれた。初めて自分から進んで楽器を弾いたのが三線。おじい(金城)の奏でる三線を生で聞けて最高に幸せだった」

 伊東の演技力が随所で光っている。劇中の会話では沖縄の子どものイントネーションを特徴的にとらえている。「おじいや周りの人たちの発音をよく聞いていた」。伊東が初めてフルートを吹き、努力を重ねて演奏できるようになるまでのストーリーも見ものだ。


(左から)新藤風監督と出演した安藤サクラ(後列)、伊東蒼(前列)、金城実、津波俊之介、金城盛長、脚本・音楽監督を手掛けた磯田健一郎=那覇市の桜坂劇場

 音楽が人と人をつなぐということを主要テーマとして描いた。新藤監督は「蒼ちゃん演じるうみはきれいな音しか受け付けない。そこから子どもたちがどのように成長し、つないでいくのか、しっかりと見てほしい」と語る。その上で安藤は「ぜひ劇場で見てほしい。スクリーンでしか表現できないものが詰まっている」と映画の魅力を紹介した。

 金城の歌三線に合わせて、子どもたちが吹奏楽の練習を積んで演奏した「島々清しゃ」。ドラマだが、ドキュメンタリー性を絡めながら美しい音とは何かを問う。ぜひスクリーンで見て感じてほしい。

(金城実倫)

(2017年1月17日 琉球新報掲載)




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