サンゴの今を知る「さんごの海フェスタ」 しかたにさんちの自然暮らし(16)

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どこまでもきれいな、宮古島の与那覇前浜ビーチ

 今年は厳しく冷え込む日が少なく、過ごしやすい冬を迎えているようです。というのも、この1月の平均気温は平年よりも1.6℃高く、これは戦後に統計を始めてから最も高かった1988年とタイ記録。数字ではわずかな違いですが、平均値が1℃上がるというのは自然界では結構大きな変化なんです。

 そしてもちろん、気温が高ければ海も暖かい。昨年の夏は海水の温度がとても高く、各地でサンゴの白化が起こりました。その後、秋から冬にかけても、沖縄の海では平年より1~2℃高い状態が続き、実際の海水温は23~25℃。25℃って、気温なら夏日ですね!もともと沖縄の冬は、気温よりも海水温の方が高いのですが、特にこの冬は、海で活動する仲間たちから「海が冷たくない!」という声が上がっていました。

 冬の海が暖かいのは、サンゴ礁に住む熱帯・亜熱帯の生きものにとっては過ごしやすいかもしれません。でも、水温の変化が産卵などのスイッチになる生きものもいるし、海を広く回遊する生き物は、水温の変化を感じて移動したりします。やっぱり冬は冬らしく、多少の寒さを感じるくらいが良さそう。

 サンゴの海を元気にするには、水温が大きなカギになります。とはいえ、海を冷やそう!…っていうのは難しい。せめて海を汚さないよう、みんなで考えていきたいですね。

 そこで沖縄県では、昨夏から「さんごの海フェスタ」(https://www.facebook.com/sangofesta/)というイベントを各地で行っています。沖縄県のサンゴ礁保全活動を紹介しつつ、サンゴや海についてのワークショップで、多くの人にサンゴへの理解を深めてもらおう!というもの。


ぬいぐるみで海の自然を紹介する「あーまんシアター」

生きものモビール作りのワークショップ

 先月14日には宮古島で行われ、私も参加してきました。

 内容は、手作りの海の生きものぬいぐるみで海の自然を紹介する「あーまんシアター」、生きもの同士のつながりを表現する「生きものモビール作りワークショップ」、そして専門家のお話を交えた「さんごトーク」の3本立てです。


さんごトークでは、地元のサンゴ礁の現状を紹介

 イベントには、地元の学童の子どもたちも参加してくれて、中には大人顔負けで海の生きものの知識を教えてくれる子も!賑やかで楽しい時間になりました。

 さんごトークでは、宮古島のサンゴ礁を見守り続ける地元の専門家から、現在の海の様子についての報告もあり、予定時間をオーバーしながらの熱気あるお話に、ご来場のみなさんも最後まで聞き入っていました。

 海は、私たちの暮らしの鏡だと思うんです。今のところ、サンゴの白化を防ぐことはできません。

 でも、私たちの暮らしが海の環境に影響していることを意識するのは、大切なこと。それに、子どもたちの元気な笑顔を見ていると、彼らにきれいな海を残してあげたいと、心から思います。


モビールできたよ!

 「さんごの海フェスタ」は、このあと内容を少しずつ変えて、2月12日には石垣島で、3月19日には本島に戻って、国立劇場おきなわを舞台に行われます。

 お近くの皆さんは、ぜひご参加くださいね。



鹿谷麻夕(しかたに自然案内)

 しかたに・まゆ 東洋大、琉球大卒。東大大学院中退。東京で生まれ育ち、20代半ばで文系から理系に転向、沖縄に来てサンゴ礁を学ぶ。その後、しかたに自然案内を主宰し、県内で海の環境教育を行う。本と音楽と野良猫を好む。



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