強くしなやかに 沖縄市生まれの日本画家・中原亜梨沙さん

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初の画集「ゆうなれば花」を出した中原亜梨沙さん。後ろに飾られている絵も本人の作品=沖縄市の「珈琲専門店 原点」

 沖縄市生まれで、さいたま市在住の日本画家・中原亜梨沙さんが初の画集「ゆうなれば花」(芸術新聞社・3024円)を出した。初期から最新までの作品93点に加え、ロックバンド「ASIAN KUNG―FU GENERATION」のCDジャケットで知られるイラストレーターの中村佑介さんとの対談も収録し、見応えある一冊となっている。

 中原さんは母が与那国島出身で、父は新潟県出身。中原さんが生後間もなく家族で沖縄から埼玉県へ移り住んだ。実家には、額に飾られた紅型の布など「沖縄の色味」が何気なくあり、「私の絵は日本画にしては使う色が多い。色彩感覚への影響は大きいと思う」と振り返る。

 東京芸術大、同大学院で本格的に日本画を学んだ。その実力は早くから注目を集め、百貨店や画廊での個展開催のほか、日本最大規模のアート見本市として知られる「アートフェア東京」に参加するなど活動の幅を広げている。

 女性の表情をモチーフにし、その根底に「生きることと死ぬことの共存」という一貫したテーマがある。ふっくらと血色の良い頬や、下まぶたの粘膜部分はみずみずしい生気を表現。対照的に、髪はあえて緻密に描かず、べたっと塗ることで闇や死を暗示する。「誰もが『いつか死んでしまう』ということを受け止めながら生きている」。そんなメッセージを伝える。

 画集のタイトル「ゆうなれば花」には「例えていうならば花になりたい」という意味を込めた。種からつぼみになり、花を咲かせ、枯れ、また種になる…。「どの瞬間を切り取っても美しい。人もそうあるべきだし、自分もそうなりたい」。花のように強くしなやかに、常に「今」を生きる女性を描くことへの誓いのようなものといえる。

 1月には約10年ぶりに沖縄を訪れ、親戚から激励を受けるなど“充電”した。「より強く自分のテーマを出していきたい。2人以上の群像や、動物なども描いてみたい」とさらなる進化を思い描く。(大城周子)

(2017年2月8日 琉球新報掲載)

 



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