個性がキラリ 世界に一つだけの石獅子作り 沖縄の伝統を楽しく体感 

  • 沖縄県全体
このエントリーをはてなブックマークに追加

 世界に一つだけのオリジナル石獅子を作るワークショップ「表情いろいろ My石獅子を作ろう」(琉球新報社主催)が2月12日、那覇市天久の琉球新報社で開かれました。スタジオde-jinの若山大地さん・恵里さん夫妻が講師となり、県内各地に鎮座する石獅子の歴史や特徴を紹介しながら、参加者の作品作りをサポート。大人から子どもまで9組15人がノミとハンマーを使って琉球石灰岩を思い思いに削り、独創的で個性的な石獅子を作り上げました。ワークショップの模様をご紹介します。

※若山大地さん・恵里さん夫妻の紹介記事はこちら


ワークショップ「表情いろいろ My石獅子を作ろう」で、講師の若山大地さん(左)に教わりながら、オリジナル石獅子作りを楽しんだ参加者=2017年2月12日、那覇市天久の琉球新報社

ディープな魅力 歴史の話に興味津々

 2009年から沖縄県内各地にたたずむ石獅子を巡り、調査を始めた若山さん夫妻。これまでに120体ほどの石獅子を確認してきたそうです。2016年1月には琉球新報の副読紙「週刊かふう」で、連載「歩いて見つけた 石獅子探訪記」をスタートし、そのディープな魅力を発信し続けています(「琉球新報Style」でも好評掲載中)。

 ※連載「歩いて見つけた 石獅子探訪記」は、こちらのページから


石獅子の歴史や特徴について説明する若山大地さん

 ワークショップはまず、“石獅子うんちく”からスタート。琉球王国時代の1689年、現在の八重瀬町で相次いだ不審火の「火除け」として設置された「富盛(ともり)の石彫大獅子」が県内最古にして最大の石獅子であることなど、その成り立ちや歴史を若山大地さんが分かりやすく説明してくれました。

 シーサーのルーツといわれる石獅子の特徴や、県外の神社に鎮座する「狛犬(こまいぬ)」との違いなど、知っているようで知らないエピソードや話題に参加者たちは興味津々。熱心にメモを取りながら話を聞く参加者もいました。


使う道具はたった2つ ノミとハンマー


 “石獅子愛”あふれる若山さんの話を聞き、うずうずし始めた参加者たち。


選んだ石に、イメージする石獅子をどう描こうか考える参加者たち

 「使うのはハンマーとノミだけ。今回使う石は『粟石』という名の琉球石灰岩です」

 「このハンマーは『石頭』と書いて、『セットウ』といいます」

 道具の持ち方や使い方、注意事項などの説明があった後、いよいよ石獅子作りが始まりました。イメージする形を赤鉛筆で描いてから削り始める人もいれば、すぐに削り始める子どももいました。

 初めは恐る恐るハンマーを振るっていた参加者でしたが、若山夫妻に手順やコツを教わると作業は徐々にヒートアップ。


ノミさばきもだんだんと上達しました

 途中、石に大きくヒビが入り、2つに割れてしまった小6の男の子。若山さんは、とまどっている様子の彼の作品を眺めながら、

 「これぐらい割れた方が逆に作りやすいよ。斜めに割れた断面の部分を顔にしたらいいんじゃない? 小さい方で『石敢當』も作れるよ」と言葉をかけていました。

 ピンチをチャンスに変える! 石獅子作りを通して、何事にも通じる大切なことまで教わっていました。

 「失敗はないです。自由にやってほしい」 

 そんな若山さんの言葉通り、参加者はそれぞれ伸びやかに、楽しく、制作活動を進めました。



若山さん(右)の技を食い入るように見つめる参加者

お母さんと一緒に参加した幼稚園児も、職人並みの集中力を発揮していました

楽しみながら沖縄の伝統に触れる

 参加した子どもたちからは

 「削るのは大変だったけど、いっぱい削れた時が気持ちよかった。目を彫るのが難しかったけど成功してよかった」

 「楽しかった-。もっとやりたい」

 などの声が上がりました。


参加者が手掛けた世界にたった一つだけの石獅子たち

 今回は親子参加も多く、子どもと一緒に参加した保護者からは

 「初めは子どもの制作を見るだけのつもりだったのに、実際にやってみると、私の方がはまってしまいました。帰りにホームセンターでノミを買って、家で続きをやります」
なんて声も聞こえてきました。

 講師を務めた若山大地さん・恵里さん夫妻は、参加者が手掛けたオリジナル石獅子をうれしそうに眺めながら、

 「自分で石を削り、石獅子を作ることを通して、沖縄の風土に興味を持つきっかけになれば」

 「参加者の皆さんが自由に作ってくれて、逆に勉強になりました」

 と振り返ってくれました。

※連載「歩いて見つけた 石獅子探訪記」は、こちらのページから



◆この記事を書いた人

 佐藤ひろこ(さとう・ひろこ) 琉球新報Style編集部。北部支社報道部、社会部、NIE推進室、文化部などを経験し、特に子どもを取り巻く諸問題に関心を持って取材してきました。大阪府出身。小6、小3、4歳の子育て中。目下、「働き方」「生き方」の見直しに挑戦中です。





前の記事氷川きよし“憧れレジェンド”との...
次の記事「そもそも、これまでの働き方がお...