[PR]島と人がつながる旅 夢も悩みも丸ごと応援 島あっちぃ

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 島しょ県・沖縄には39の有人離島があります。その多くは交通機関がぜい弱で商店も少なく、一見不便な環境に思えるかもしれません。でも“何もない”小さな島の足元には、豊かな自然や奥深い歴史・文化など、たくさんの「宝」が埋まっています。そんな島々の魅力を本島に住む県民に体感してもらい、“島の応援団”になってもらいたい―。そんな願いを込め、沖縄県は2016年度、離島観光・交流促進事業「島あっちぃ」を始めました。島々で生まれたドラマや成果の一端をご紹介します。


渡嘉敷島の風景を楽しむ参加者


津堅島でニンジンを収穫する子ども

 「島あっちぃ」は2016年6月、2つのミッション「県民が一体となった離島振興」「離島の自立・主体的な観光振興」を掲げ、沖縄振興特別交付金(一括交付金)を活用してスタートしました。初年度の主な取り組みは「本島住民によるモニターツアの実施」と「島人による体験プログラム開発」です。

 小さな島では観光客の受け入れ体制や、その担い手が十分に整っているとはいえません。各島の資源や人材に応じた観光のあり方を模索するため、まずは県民にモニターツアーを体験してもらい、ファンになってもらうと同時に、共にプログラムを練り上げてもらいたい―。目指すのは「県民が育てる旅」なのです。

 スタートから約5カ月。初年度は19離島で取り組みが始まり、島の住民が考案した体験プログラムは何と100種類に。モニターツアーは定員3000人に対し、応募総数が1万1559人に達するなど、多くの関心をお寄せいただきました。最終的に総参加者数は2894人、そのうち旅費の8割助成を受けたモニターツアー参加者は2759人に上りました。

 島の特色を生かした体験プログラムや、個人旅行では経験できない島人との交流を通し、数多くのドラマが生まれました。


久米島の砂浜でヨガ体験

西表島の自然を満喫したトレッキング体験

 石垣島では車いすでツアーに参加した86歳の女性が、島の自然や人々の優しさに触発され「十数年ぶりに家の外で歩くことができた」というエピソードも。受け入れ側の島々からも「島が明るくなった」「地域の絆が深まった」と喜びの声が上がるなど、島と人の“つながり”が深まり、島に笑顔が広がっています。

 


池間島でコーディネーターを務めるNPO法人いけま福祉支援センターの(左から)三輪大介さん、儀間利津子さん、前泊博美さん、木下靖子さん

池間島のコーディネーター・NPO法人いけま福祉支援センター 可能性は無限大

 「島あっちぃには無限の可能性があると思います」。池間島でコーディネーターを務めるNPO法人いけま福祉支援センターの前泊博美理事長(64)は、ツアーや民泊の受け入れや、体験プログラムの開発を通して、地域の変容を実感している一人です。

島の「宝」を再発見


池間島の集落で摘んだ野草でピザを作り、「島のごちそう」を味わった参加者たち=3月、宮古島市平良字池間

 「島あっちぃ」の特徴の一つは、「地域の魅力を伝える」「島に何を残すのか」という視点で、島人が自らプログラムを作り、モニターツアーを踏まえて改良を重ねることにあります。

 池間のツアーは「アイキーミィーディー(島内散策)&野のごちそう作り体験」。島の野草でピザを作って味わう体験です。スタッフの三輪大介さん(46)は「お年寄りから話を聞いて、昔は当たり前に野草を採って食べていたことが分かった。そんな『島のごちそう』を残したいと思ったんです」とツアーに込めた思いを語ってくれました。


交流で広がる世界


集落を案内しながら食べられる野草を紹介するコーディネーター(中央)

 過疎化と高齢化が進む島では「民泊」の効果も絶大です。池間では2011年、県が実施する「沖縄離島体験交流促進事業」で児童の受け入れを始めました。

 「それが大当たりだったの」と笑う同センターの儀間利津子さん(64)。「『早く死にたい』ってやけになっていたおばぁたちが『また来るから元気でね』と子どもに言われ、『長生きしてみようかね』って笑顔を見せるようになったんです」

 民泊を受け入れている山口修さん・ゆかりさん夫妻は、「子どもはとにかくかわいい。でも大人の民泊ならお互いに情報交換ができる。教わることも多くて世界が広がる。それが財産だよね」と島あっちぃの魅力を語ります。

民泊で家族の絆も

 現金収入が乏しい島にとって、民泊やツアーの収入による経済効果も大きいそう。「でも、現金収入があっても、おばぁたちは自分のためには使わず、島外にいる子どもや孫に何か買って送るんです」と前泊さん。「そうしたら疎遠になりがちな子や孫から『ありがとう~』『また行くからね』って連絡がきて、家族の会話が増えるんです」

 高齢の親が民泊を受け入れる日に、島外に住む子や孫が手伝いに来ることも増えています。前泊さんは「なかなか会えない子や孫に会えるし、収入があればお小遣いもあげられる。高齢者の社会参加や介護予防もできて、家族の絆まで深まるんです」とうれしそうに話してくれました。

 


石垣島北部地域のツアーに参加した若山大地さん

石垣島北部の「サバニ体験」に参加 若山大地さん(那覇市)奥深い体験に感動

 旅行者にとって「島あっちぃ」は、島ならではの体験ができるのはもちろん、島人の暮らしの一端に触れたり、地域の人々と交流を深めたりできるのも魅力です。


石垣島北部でサバニ体験を楽しんだツアー参加者

 ことし1月、家族4人で石垣島北部の伊原間集落で民泊し、「サバニでいく風よみ体験」に参加した若山大地さん(40)=那覇市=は「個人旅行ならきっと素通りしていた小さな集落で奥深い体験ができました」と振り返ります。

 「人々の暮らしがごく普通に自然とつながっていることにも感動でした」と若山さん。民泊先の家族や、一緒に泊まった家族との交流も深まり、「那覇に帰ってからもSNSでつながっています」とうれしそう。

 「決して『自由な旅』ではないけど、表面的な魅力だけじゃない“島”を知ることができたように思う。新しい発見がたくさんありました」と話してくれました。

 

小さな集落も活性化 島あっちぃコンサートで成果報告


ライブやコントを楽しみながら「島あっちぃ」の魅力や成果を発信した「~島人のリズムを感じる~島あっちぃコンサート」=3月、那覇市

 初年度の事業成果を報告する「~島人のリズムを感じる~島あっちぃコンサート」が3月25日、那覇市の県男女共同参画センターで開かれ、ツアー参加者やコーディネーターら約370人が駆け付けました。離島出身アーティストら4組のライブを楽しみながら、旅の感動を振り返りました。

 フリーアナウンサーの柳卓さん、島あっちぃの事業統括でカルティベイト社長の開梨香さんが司会を務め、島のコーディネーター2人も登壇しました。石垣島の中でも約200人という小さな集落・伊原間の美馬誠憲さんは、大人の民泊ならではの酒を酌み交わせる交流会の楽しさを紹介し、「集落も活性化しています」と報告。伊良部島の普天間一子さんは「民家さんも、おじぃもおばぁも熱烈歓迎しています」と来訪を呼び掛けました。

 ライブで熱唱した西表島船浮出身のシンガー池田卓さんは、島あっちぃのコーディネーターも務めています。「その日の潮や風に応じて楽しめることが違う。“今日一番楽しめるツアー”を組んでいます」と型通りではないプログラムの魅力を語ってくれました。

 演芸集団FECの小波津正光さんといさお名ゴ支部さんで構成するウーマクーボーイズは「離島のマナー違反あるある」と題し、島を旅行する際の注意事項をコントで披露。「ヘソ出しルックで集落を歩かない」「島で燃やせないペットボトルは持ち帰る」など、「島あっちぃマナー十カ条」を面白おかしく紹介し、会場を盛り上げました。

島あっちぃコンサートの動画はこちらから

次年度は離島間の交流も
安慶名均さん(県企画部企画調整統括監)


 「島あっちぃ」は、県民が島の歴史、文化、自然と触れ合い、島の住民と交流を重ねることで島への理解を深め、島の活性化を図るとともに、体験プログラムの開発・改善、受け入れ体制の強化など、島々の魅力を生かした観光産業の振興につなげることを目的とした事業です。

 ツアー参加者からは「通りすがりの旅では得られない体験で離島の素晴らしさを再確認できた」などの声が寄せられ、島の関係者からは「大人の受け入れにやりがいを感じ元気をもらった」「島の自立に向けたビッグチャンスだ」との評価をいただいています。

 次年度はモニターツアーの助成対象を離島住民にも広げ、派遣数を200人増の3200人に拡大する予定です。島々は沖縄の宝、ダイヤモンドです。県民全体で離島を支えていく社会を目指した「島あっちぃ」を、ぜひ一緒に盛り上げていただきたいです。

島の個性を輝かせたい
開梨香さん(島あっちぃ事業統括、カルティベイト社長)


 沖縄の39有人離島のうち、学校がある島は29島、そのうち高校や病院があるのはわずか4島、人口は千人以下が27島、500人以下は11島です。その島々が元気になると、県全体が元気になるんじゃないかとの思いで「島あっちぃ」に取り組んできました。

 初年度は、フリーで来島するお客様を想定した練習に力を入れました。島が自ら客を呼び、多様なニーズに応える力を培うため、体験プログラムは全て島の人々に考案してもらい、私たちはサポートに徹しました。

 大同火災と共に研究を重ね、離島で個人や小グループの体験滞在交流型旅行を受け入れた時の万一に備えた保険商品も作ってもらいました。少しずつ島々が安心して観光を推進できる環境が整ってきました。今後の課題は、島の個性を輝かせていくことだと考えています。



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