海人文化 息づく 糸満市糸満

  • 南部
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 暖かな春の日差しが心地良い3月下旬。糸満市観光協会の「あ・るっく糸満」の海人(うみんちゅ)のまちを回る「字糸満コース」に参加した。

 糸満市観光ガイドの大谷高子さん(66)の軽快なトークを楽しみながら歩いた。


県内最大級の門中墓として知られる幸地腹(こうちばら)・赤比儀腹(あかひぎばら)門中墓

美人が多い?

 漁港そばの糸満漁協からスタート。大谷さんが「ハーレーは旧暦の5月4日に漁港で行われる。海人のまちで知られる糸満は旧暦で行事を行う」と説明した。

 また「糸満は美人が多い」と紹介。「3代続かないと糸満美人とは言わないからね」。自身も3代続く糸満人だと強調すると、参加者から笑みがこぼれた。


白銀堂の奥にひっそりとある「糸満馬子之墓」。「意地ぬ出(んじ)らあ手引(てぃーひ)き」の格言の主とされる

 昔は鍛冶屋が立ち並んでいた「鍛冶屋門小(カンジャーヤージョー)」を通り抜け、国道331号へ。旧暦の8月15日に糸満大綱引きが行われる場所だ。

 シリンカーという古い井戸を通り白銀堂に到着した。ハーレーの時は感謝の報告をし、十五夜のパレードの最後に踊りを奉納する。糸満の人たちの聖域で、大谷さんのお母さんはバスで通る時もおじぎをしていたという。

 奥には白銀堂伝説に登場する馬子(マンクー)の墓があった。緑あふれ、独特の雰囲気に包まれている。

 ノロ殿内に向かう途中、大谷さんが「金城さーん」と、ある家の前で声を掛けた。馬子の子孫でボルタリングを指導する金城博さん(65)が顔を出す。外見は普通の家だが、中はボルタリングの練習場だった。こんな寄り道もまちまーいならでは。


赤瓦残る街並み


ハーレーの最後にハーレー歌を歌う場所になっているノロ殿内

 離島を思わせる石垣が続くスージグヮーにあるノロ殿内に到着した。

 ハーレーの最後にハーレー歌を歌う場所という。

 スージグヮーを歩きながら「意外と知られていないが、まだまだ糸満には赤瓦が残っている」と大谷さんが教えてくれた。

 高台にある「山巓毛(サンティンモー)」は糸満ロータリーを行き交う車、市役所、漁港、市内が一望できる抜群のロケーションだ。

 ハーレー当日はここで神事を行う。青空を見ながら深呼吸すると、少し疲れが和らいだ。


手前は、かつて海上の船から位置を測る目印になった山巓毛(サンティンモー)。隣接する展望タワーからは糸満市内が360度見渡せる

新鮮な魚が並ぶあんまー魚市場

 最後は糸満中央市場へ。肉屋では、洗濯機の中で豚の中味がグルグル回っている。

 あんまー魚市場では、色鮮やかな鮮魚に興味津々。店主との会話を楽しんで小旅行が終わった。

 旧暦文化が生活に根付く糸満人に思いをはせた2時間半。いつも車窓から見ている糸満とはひと味違った風景が広がっていた。まだまだ知らない沖縄がいっぱいありそうだ。

文・豊浜由紀子
写真・上原修



~ なかゆくい ~ 自慢の鮮魚、ずらり あんまー魚市場


糸満の鮮魚をアピールする金城司さん(右)と玉城洋子さん

 朝一番のセリで直接仕入れた鮮魚が並ぶ「あんまー魚市場」。糸満中央市場の入り口横にあり、現在、4店舗が営業している。

 マルイ鮮魚にはシチューマチやアカマチ、ミーバイが並ぶ。糸満と那覇のセリ市場から仕入れた鮮魚が自慢だ。その日仕入れた魚と新タマネギやキュウリなどの野菜と合えたみそあえは1パック500円。酒のつまみにも夕食の一品にもなる優れもので、早い時間帯に売り切れる。

 同店の玉城洋子さん(68)は「大根をおろして水分を切り、ポン酢とコーレーグースを好みで入れると白身魚に合う」とひと味違った刺し身の食べ方を教えてくれた。

 金城鮮魚店の金城司さん(54)は「今日はアバサーがお薦め」と話す。調理法も丁寧に教えてくれるので、店主との会話を楽しみながら鮮魚を選んでほしい。



海人のまちを回る「字糸満コース」

― てくてくガイド ―

 糸満市観光協会は字糸満編のほか、古い石垣文化を訪ねる「字兼城編」や「字大里編」、「平和コース」など全5コースを案内している。前日の午前中までに予約が必要。1人1500円。申し込み・問い合わせは(電話)098(840)3100。



(2017年4月11日 琉球新報掲載)



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