初夏の季節、沖縄は5月に梅雨入りしますが、晴れれば夏のような日差し。海で遊ぼう!という親子も多いことでしょう。
とはいえ、海に慣れないうちやお子さんが小さい間、いきなりサンゴ礁の自然観察は難易度が高いと感じるなら、砂浜で遊ぶのが安心ですね。
設備の揃った人工ビーチも便利で良いけれど、人の手が入っていない自然の砂浜も試したい!そんな親子の皆さんは、砂浜の貝を使った自然遊びはいかがですか?
今回は、その遊び方を3つお伝えしちゃいます。
その1:砂浜で貝堀り!
自然の砂浜では、引き潮のとき、波打ち際の砂の中にアサリを小さくしたような2cmくらいの二枚貝が見つかります。貝殻が真っ白なイソハマグリに、いろいろな色をしたナミノコガイやリュウキュウナミノコガイ。
小さなスコップを持っていくか、手のひらで握るのに良さそうな、少し平べったい石やサンゴのかけらを探しましょう。そうしたら、波打ち際ギリギリから陸に向かって、砂の表面を深さ5cmくらい引っ掻いていきます。
1カ所を深く掘るのではなく、スコップを横に動かして、浅く広く砂を削るようにしていきます。そうすると、コツ、という手応えと一緒に、小さな二枚貝が出てくるかもしれません。石ころやサンゴれきが多いと、最初は貝が見つかりにくいかも…でも、少しがんばって1つ見つけたら、きっとコツが飲み込めてくるはず。
貝は、その日の潮の満ち引きによって、砂浜の海側と陸側を移動しながら隠れています。広い砂浜の結構高い場所にもいるので、一度、海から陸に向かって縦に掘ってみて、貝がいくつか見つかった辺りで横に堀り広げていくと、見つけやすいです。
その2:見つけた貝で貝自慢!
たくさん貝が採れたら、みんなで貝自慢大会をしてみませんか。
自分たちで見つけた貝の中から「一番大きいの」「一番小さいの」「きれいだと思うやつ」「かっこいいと思うやつ」「一番お気に入り」…。一つ選んで握りしめて、みんなでせーの!で見せ合いっこ。これが結構盛り上がります。
「かっこいい」とか「お気に入り」などは、みんなそれぞれ理由が違うので、なぜそれを選んだのか子どもたちに聞いていくと、みんなの好みや視点の違いが分かって面白いですよ。
その3:砂モグリ競争!
しばらく貝と遊んだら、ちゃんと海に戻してあげましょう…でもその前に、もうひと遊び。
波打ち際の濡れた砂の上に貝をばらまくと、自分の足をペロペロっと出して、砂に潜っていきます。実はこの貝、潜り始めるとけっこう速い!どの貝が速く潜るか、貝を並べて競争させてみましょう。
すごく速く潜るのもいれば、中には用心深く、じぃっと動かなくなっちゃうのもいて、貝にも個性があるんだな~と思います。あまり動かなかったら、海水をかけてあげると反応することも多いので、試してみてくださいね。
砂浜の二枚貝は私たちも食べられます。
2cm以上の大きめの貝なら、食べる分だけ持ち帰って砂を吐かせ、おみそ汁の具にしても良いでしょう。
でも、1cm程度の貝はまだ子ども。これから大きくなって卵を産んで、次の世代を残してくれたら、また来年も貝遊びができますね。
そんな潮干狩りのマナーも親子で伝え合って、楽しんでもらえたら嬉しいなと思います。
鹿谷麻夕(しかたに自然案内)
しかたに・まゆ 東洋大、琉球大卒。東大大学院中退。東京で生まれ育ち、20代半ばで文系から理系に転向、沖縄に来てサンゴ礁を学ぶ。その後、しかたに自然案内を主宰し、県内で海の環境教育を行う。本と音楽と野良猫を好む。