生命保険、退職金、借金…「相続財産」はどれ? 【沖縄の相続】暮らしに役立つ弁護士トーク(3)

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 “沖縄の相続問題”のエキスパート・尾辻克敏弁護士の事務所に、最近お父様を亡くされたという泉崎さんが、姉の直子さんと一緒に、相談に訪れました。

 お父様が残された財産について分からないことがあるようです
 

 



 


泉崎さん

泉崎さん

尾辻先生、父が先日、道路を横断中、車にひかれて亡くなりました。突然のことで大変でした。

現在、保険屋さんと事故の賠償の話をしていますが、
父の財産をどう分けるかも家族で話し合わないといけないので、相談に来ました。

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

大変でしたね。今日はお姉さまもご一緒されたのですね。

まず、泉崎家の家族関係を教えてください。

 


泉崎さん

泉崎さん

 母と姉と私の3人家族です。

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

お父様は、どのような財産をお持ちですか?

 


泉崎さん

泉崎さん

父は、那覇市天久に自宅を持っています。
それに生命保険があります。

姉さん、お父さんは1000万円の生命保険をかけていたのだよね?

 


姉・直子さん

姉・直子さん

そうよ。確かに父は生命保険をかけていて、受取人は私になっているから、
尾辻先生、生命保険は弟や母には関係ないですよね?

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

生命保険は後ほど説明しますね。

失礼ですがお父様に借金はありますか?

 


姉・直子さん

姉・直子さん

父は消費者金融から100万円の借入をしていたようです。

 


借金も「相続財産」に!


尾辻弁護士

尾辻弁護士

今回は天久さん家族のケースにあてはめて、
「相続財産」について、「相続財産」の見つけ方も含めて、お話しします。

まず、「相続」が始まると、被相続人(亡くなった人)の財産は、
原則として「相続人」に受け継がれます。

この財産のことを「相続財産」といいます。

 


泉崎さん

泉崎さん

父の自宅は「相続財産」になるとして、
父が消費者金融から借りた100万円の借金は、どうなりますか?

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

相続は、何か財産をもらえると思いがちです。

しかし、「相続財産」には現金、不動産、株式などのプラスの財産だけではなく、
借金、保証債務などのマイナスの財産も含まれます。

お父様の自宅が相続財産になるのはもちろんですが、
消費者金融から借りた100万円の借金も相続財産になります。

親が亡くなった後、突然、債権者から借金の問い合わせや請求がくることがあるので、注意してください!

 


生命保険金は誰のもの?



姉・直子さん

姉・直子さん

私が受取人の生命保険はどうなりますか?

これも「相続財産」ですか?

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

生命保険金は金額が大きい場合が多いので、相続人の皆様もその行方が気になりますよね。

生命保険金の受取人が相続人の中の特定の人に指定されている場合は、
「相続財産」には含まれず、指定された人の固有の財産となります。

姉の直子さんが受取人に指定されているので、生命保険金は直子さんのものです。

 


父の退職金は誰のもの?


泉崎さん

泉崎さん

姉さんだけ、いいな~!

父は会社員でしたが、退職金はどうなりますか?

これは誰がもらえますか?

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

被相続人が在職中に亡くなった場合、会社から遺族に死亡退職金が支払われることがあります。

死亡退職金は、就業規則等により受取人の順序が決められている場合(通常、配偶者→子ども→父母…の順)が多いです。

その場合、死亡退職金は、「相続財産」に含まれず、受取人の固有の財産となります。

多くの場合、配偶者が第1順位となっているので、今回のケースでは、死亡退職金はお母様のものです。

 


交通事故で相続される「損害賠償請求権」


泉崎さん

泉崎さん

う~ん。死亡退職金は母さんのものか~。

では、これはどうですか。

父は交通事故で死亡したのですが、これも相続と関係しますか?

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

私は、相続と共に、交通事故をよく扱います。

交通事故で死亡した場合、亡くなられた方には、
死亡による逸失利益(簡単に言うと、死亡しなければ生涯稼げた分のお金)や
死亡慰謝料(裁判実務では、一家の支柱だと2800万円程度、母親・配偶者だと2500万円程度、その他は2000~2500万円程度)
などの損害を加害者などに請求する権利があります。

しかし、被害者本人は亡くなっているため、その権利を行使できないので、
交通事故による損害賠償請求権も「相続財産」になります。

 


姉・直子さん

姉・直子さん

おおよそ、どのような財産が「相続財産」になるか分かってきました。

だけど、親にどのような財産があるのか分からない場合って、結構あると思うのですが、そのような場合はどうしたらいいですか?

 


相続財産の見つけ方のコツ!


尾辻弁護士

尾辻弁護士

まずは、亡くなられた方の所持品や郵便物から探しましょう!

銀行からの郵便物や、役所からの固定資産税の納税通知書(毎年5月上旬に送付)で、預貯金や不動産の所在が分かります。

預貯金であれば、被相続人が利用していた金融機関を訪ね、残高証明書の申請を行うと、残高の有無や金額を記載した残高証明書を発行してくれます。

また、金融機関で預金の入出金についての取引履歴をもらうこともできます。

不動産であれば、法務局で登記簿謄本を取ることもできますし、役所で名寄帳を取ると、不動産の所在が分かります。

亡くなられた方の家中どこを探しても、通帳も実印も見つからないというケースがあります。

親子が長い間離れて暮らしていた場合や、親が認知症にかかっていた場合などによくあります。

「相続財産」がどこにあるか分からない場合、私ども弁護士であれば、弁護士に与えられた調査権限を使って、相続財産を調査することができるので、当事務所に是非相談してみてください!

 


泉崎さん

泉崎さん

弁護士さんって、そんな権限を持っているのですか!

いいことを聞きました。

 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

「相続財産」を見つけても、それで終わりではありません。

「相続財産」を見つけた後、「相続財産」の価値を正確に把握し、それぞれの財産の価額を評価しないと、各相続財産がいくらの価値があるのか分からず、遺産分割の話し合いを進めることができません。

「相続財産」がすべて現金や預貯金であれば評価は簡単ですが、そういうケースはあまりありません。

実際は、土地、建物、株式…など簡単には評価をだすことができない「相続財産」がたくさんあります。

そこで、「相続財産」の評価が分からない場合、弁護士事務所はさまざまな方法で「相続財産」の評価をお手伝いすることができます。

ぜひご相談ください!

 


(毎月第3水曜日掲載)



― 執筆者プロフィール ―


弁護士 尾辻克敏(おつじ・かつとし)

中央大学法学部、中央大学大学院法務研究科卒業。司法試験合格後、県内にて1年間の司法修習を経て、弁護士業務を開始。常に相談者の話を丁寧にお聞きし、きめ細やかな法的サービスを的確かつ迅速に提供し、全ての案件に誠心誠意取り組んでいる。

相続問題・交通事故、企業法務等を中心に取り扱う。相続問題では、沖縄の風習や慣習、親族関係にも考慮した適切な解決を心がける。


~法律問題でお困りの際は、お一人で悩まず、私と共によりよい解決を目指しましょう!~

島袋法律事務所 弁護士 尾辻克敏
那覇市樋川1-16-11 リーガルプラザ2階
(那覇の裁判所・法務局近く)
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お問い合わせ TEL098-834-9045

 





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