偶然をチャンスに ぬちぐすいレシピ蝶〈13〉

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 フローリストのひがあいさんが、お花の仕事を20年続けて出会った人や花、家族への愛情をつづります。
 仕事や子育て、夢に向かって奮闘するすべての女性に向けて、応援メッセージを寄せます。


今の私は戻りのお花や古くなったお花も最後まで自由に楽しめる。

 大阪の花屋さんで勉強させてもらっていた頃の話。

 そこは、葉を自動で取り除く機械がありました。その機械に花の茎を入れると、茎がクネクネ、花の顔はガクガクし、花と目を合わせられないぐらいかわいそうでたまらなくて…。自分までコキコキされてるような複雑な心境で涙をこらえていました。それを見た先輩が「ほんじゃ、今何ができる?」と…。

 その時の私はペーペー以外の何者でもなく、自分でお願いして勉強させてもらっている事を忘れていました。当時はフラワーデザイナーという肩書が世に出た全盛期で、私のような若者があふれるほど働けるチャンスを狙っていました。私が辞めても誰かが後を待ってる状態です。

 しかも、私は技術どころか経験もほぼゼロ。面接の帰りのエレベーターの中で、偶然憧れの先生と会え、沖縄から来た事、いずれ沖縄で花屋を開店したい事、先生の作るブーケが大好きなどと話した事で「あの沖縄の子、おもろい、雇わんかったら大阪で路頭に迷うでー」と、チャンスをつかめたまれなタイプだったんです。

 そこは忙しすぎる花屋で、婚礼後の花もすぐにごみ箱へ。持ち帰ろうと拾ったら「そんな事をしてる時間はない」と先輩方に叱られ、捨てている自分が嫌で嫌で仕方なかったことも覚えています。

 花が好きという気持ちと学びたい気持ちが一番葛藤していた頃ですが、振り返れば断然学びの方が多くありました。沖縄から来た私を親身になり、面倒を見てくれた先輩方の明るさやたくましさが懐かしい限りです。

 ひが・あい 1973年生まれ。読谷村出身。フローリスト。北谷町港で97年に開店した花屋Delphiに続き、2015年にブーケオンラインショップflower nicoをオープン。1男1女の母。

 

(2017年6月29日 琉球新報掲載)



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