インスタグラマー、ユーチューバー…Webで生きていくための〝極意〟とは 「ジモコロ」編集長が沖縄の学生に伝えたこと

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 「SNSやブログで、自分の思いや考えを多くの人に届けたい」
 「好きなことを仕事にしたいな」

 Webを使って、そんな思いを実現している人たちが沖縄にもいます。
 例えば、お気に入りの写真を投稿できるSNS「Instagram(インスタグラム)」をきっかけに、沖縄県内外の企業から仕事の依頼が舞い込んでくる人も。

 ブロガー、Webライター、インスタグラマー、ユーチューバー…
 インターネットに関わる新しい職業も次々に誕生しています。個人がWebで発信する情報が、今なぜ注目を集めているのでしょうか? そしてWebで生きていくための〝極意〟って、どんなことなのでしょうか?

 沖縄の学生の皆さんと一緒にWeb発信について考えるトークイベント『沖縄からWebで発信しよう!』が8月6日、沖縄国際大学で開かれました。沖縄在住のフリーライター「miya-nee(みやねえ)」さんの主催です。
 



 ゲストスピーカーには、地元愛にあふれた人気Webサイト「ジモコロ」編集長の徳谷柿次郎さんや、沖縄で活躍するWebライター、ブロガー、インスタグラマー、YouTuberの皆さんが登壇。これからのWeb発信に役立つディープな情報を惜しげもなく語ってくれました。

 そのエッセンスをイベントレポートとしてお届けします。
 




相手のことを誰よりも理解する
「口下手でも、サポート役なら輝ける」


学生ライター 松田和幸さん


学生ライター 松田 和幸さん


 琉球大学3年次。

 2016年3月に、「日本おもしろ記事大賞」でヨッピー賞を受賞したのをきっかけに、東京にあるバーグハンバーグバーグが運営する「オモコロ」でライターデビュー。

 「口下手だから文章を書いたら、その先にライターという道があった」というテーマで、Web発信を通じて気づいたことを同世代に伝えました。

海の中でプラモデルを作ってみた

道端で見つけた怪しい求人広告に応募した話

Twitter:@ jsr_a
 


 一般的にライターと聞くと、新聞記者や雑誌編集者をイメージしますが、松田さんが執筆する媒体はインターネット上の「Webメディア」です。今ご覧いただいている「琉球新報style」もそのひとつです。
 
 とはいえ、「Webで公開すれば、世界中の人たちに伝えられる」というわけではありません。企業の大半は、多くの人に届けたい情報があっても〝発信力〟がないため、膨大な情報の中に埋もれています。

 そこで松田さんは、ライターが取材して、第3者の視点で企業や商品の良さを伝えることで、発信力を高めるサポートを行なっているそうです。全身を赤色に塗って沖縄の妖怪「キジムナー」を演じたり、海の中でプラモデルを作ったりと、記事のなかに個性を織り交ぜながら発信している松田さん。大学在学中にライターとして働く意義を、次のように教えてくれました。
 



1.いろんな人や物事に出会うことで、理解力が深まる

「誰かの代わりに情報を伝えるとき、相手のことを理解しないと伝えらないですよね。僕は、好奇心旺盛なほうで、『この人と話したら、どんなことを聞けるだろう』って気になるんです。仕事として、相手のことをきちんと理解するまでしっかり聞ける、その時間こそが何よりも楽しいんです」

2.日常生活ではできないことに挑戦できる

「ライターデビューのきっかけになった『怪しい求人広告に応募してみた』は、そもそも記事にしようと思わなければ応募していなかった。だって、電話をかけたら殺し屋が来るかもしれないし、怖いじゃないですか(笑)。でも、このネタで面白がってくれる人がいるならと思い、自ら進んで挑戦できました」

3.主役を立てられる、サポートが得意な人ほど輝ける

「記事の主役は、企業であって僕ではない。だから、主役が伝えたいことを読者にも受け取ってもらえるように、相手を立てながらサポートすること。サポート役が得意な人ほど輝ける仕事なんです」





人生に色を塗る
情報の「受信者」から「発信者」になって変わったこと

学生ブロガー まつぞの だいきさん


学生ブロガー まつぞの だいきさん


 名桜大学3年次。

 長崎出身、沖縄在住3年目。日本周遊バイク旅や個人ブログを通して、自分のやりたいことをやり続ける楽しさに気づく。

 「自分の人生に色を塗りたくて、行き着いたのがWeb発信だった」というテーマで、どのように自分の価値観が変わったのか、伝えてくれました。

「ぶらタビだいき」

Twitter:@BuratabiDAIKI


 「僕もお父さんも、日本一周のバイク旅が好きでして。ある日、お父さんから、『記録を残している人の話が、後世に受け継がれていく』と聞き、ブログを使って旅の記録を残そうと思いました」と話すまつぞのさん。

 父親の何気ない一言をきっかけに、有料の独自ドメイン(インターネット上にある自分のアドレス)を取得して、ブログを開設。現在は、月間8,000PVを達成し、「8月には月間1万PVまで伸ばしたい」というまつぞのさん。情報発信の魅力を次のように教えてくれました。
 



1.ブログを活用して、自分自身の軸を見つける

 「2017年1月に『これからやりたくないことリスト100』というテーマでブログを書いたとき、自分の内側を見つめ直しました。これは、BUCKET LISTの『死ぬまでにしたい100のこと』をもとに、これからの大学生活や社会人になってから、絶対やらないことをまとめたものです。

 現在、僕は大学3年生です。周りの友達は『就職活動のために、自己分析しなきゃ』と焦りはじめている。でも、就活に急かされて自己分析するよりも、まずはやりたくないことの軸を決めて、ブログでアウトプットしたほうがいつでも内容を振り返られるし、行動にも移せます。大人たちには、『まだ社会人になっていないのに、何を言っている?』とコメントをもらうこともありましたが、学生だからこそ発信できる内容もあると思います」

2.SNSは共感してくれる〝人〟が見える

 「SNSを眺めていて、他人の思いや考え方に共感したら、いいねやシェアをしますよね。ブログを通して、自分の思いに共感してくれた人が可視化されるのが楽しいし、発信の醍醐味でもある。情報の受け手側では味わえない体験だと思います」

3.良質なインプットが、アウトプットの質を高める

 「ブログを書くようになってから、同世代の学生がどんなことに悩み、行動しているのか情報収集するようになって…。そうした中で、あらゆる方向や分野に目が向くようになって収集力が身につきました。

 どうして情報収集が必要なのか。良質なインプットができなければ、アウトプットにもつながらないですよね。だから、僕は著名なブロガーさんなどのSNS投稿をメモして、スクリーンショットを撮りながら、自分がWeb発信する際に参考にしています」





自分らしさをプロデュース 写真で魅せる3人のインスタグラマー


♡1♡ monmamichelle
(モンマミッシェル)さん


monmamichelle(モンマミッシェル)さん


 オーガニックケータリング「yomogikitchen(ヨモギキッチン)」のオーナー。

 沖縄のフリーマガジン「be-o」、ファッション・コーディネート動画アプリ「MINE」のインフルエンサーとしても活動中。

Instagram:@monmamichelle



♡2♡ LEINA(レイナ)さん


LEINA(レイナ)さん


 Tomboy styleの個性派のモデルタレント。

 革細工職人や沖縄のWebメディア「OKINAWA CHANNEL」のタレントライター、FMぎのわんでもパーソナリティーも務める。

Instagram:@leina.k
 



♡3♡ 楚南 勇真(ソナン ユウマ)さん


楚南 勇真(ソナン ユウマ)さん


 モデル、俳優。イベンターや司会なども行う。

 趣味は、ヨガ、歌、写真撮影、自称沖縄観光大使として活動中。

Instagram:@so_south
 



 トークイベントの中盤では、インスタグラマーとして活躍するモンマさん、モデルのレイナさんとソナンさん、そしてMCの黒島ゆりえを交えて「沖縄のインスタグラマーが語る、Instagramでのセルフブランディング」というテーマで、トークセッションが行なわれました。

 インスタグラムでは、投稿する写真一つでフォロワーにどのように魅せていくのでしょう。

 自分らしさを表現したものを発信していくなかで、「こだわっているポイントはありますか」と質問を投げかけるMCの黒島さん。

 


 モンマ 「インスタでは、私なりのライフスタイルを伝えるために、『食べ物』と『ファッション』と『海辺』を中心に投稿しています。その際、ギャラリー(アカウントのトップ画面)のバランスや色味を見ながら、FoodieやSnapseedといった写真アプリのフィルターを使い、レトロっぽさを演出していますね」

 レイナ 「私のこだわりとして、投稿時間を午前中か夕方以降に決めていて、1日に2、3回はアップします。たとえば、午前中なら朝起きたばかりの子が見てくれるし、夕方以降だと家事がひと段落した主婦が見てくれるんです。時間帯によって、その方たちを意識しながら、自分の好きなポップで、派手なファッションをアップしています。

 あと、投稿は毎日したほうがいいと思います。この前、インスタに2日間投稿できないときがあって、そのときはフォロワーが20名ごっそり減ったことがありました(笑)」

 ソナン 「投稿するときにハッシュタグを付けると思いますが、定型文として使用するキーワードはメモ帳に残して、投稿するたびにコピーアンドペーストしています。

 僕が、インスタでチェックしているモデルさんやカメラマンさんのなかで、『#photogenic』『#beauty』などハッシュタグに対して人一倍工夫する人も。自分が特につながりたいと思う相手のハッシュタグを使うことは大事。メモ帳には、ハッシュタグがいっぱいですね」



 新しい職業の一つとして、インスタグラムをきっかけにファンを獲得することで影響力を持ち、仕事の依頼にも繋げていく「インスタグラマー」はご存知でしょうか。

 多くのファンがいて、影響力を持つインスタグラマーは、企業から引っ張りだこです。商品やサービスを宣伝してほしいとの依頼がくるようです。沖縄在住の3名に、「企業やフォロワーから、仕事の依頼はありますか」と質問するMC。

 

 モンマ 「インスタグラムには、フォロワーと連絡し合えるダイレクトメッセージ機能があり、ファッションイベントのケータリングの依頼や、『雑誌に掲載するピアスを、好きに宣伝してほしい』といって、商品が郵送されることも。

 先ほど、私は投稿するジャンルを3つに絞っているといいましたが、私のインスタをはじめて見てくれるかたにとって、『モンマさんは、沖縄在住でファッションが得意。海辺が好きなケータリングのオーナー』とわかりやすいイメージを相手に持ってもらうためなんです」
 
 レイナ 「最近だと、中国で活躍するカメラマンからダイレクトメッセージをもらい、沖縄県内の有名なスポットで撮影しました。私は、もともと外国の人が好きで、投稿するハッシュタグには必ず英語を入れています。

 そうすると、海外のかたでも検索で私を見つけてくれるし、思いがけないような依頼があったりしますね。でも、英語は得意ではないので、翻訳ツールを使いながら、やりとりするのは大変でした(笑)」
 


 ソナン 「僕は、友達と一緒にご飯を食べるのが好きで、県内のさまざまなカフェに行きます。以前、北谷町の『VONGO & ANCHOR(ボンゴ アンド アンカー)』にご飯を食べにいったとき、そのお店の位置情報と店名をハッシュタグに入れて投稿しました。そうしたら、店舗のアートディレクターから、『あなたの写真をリポスト(写真をシェアする)してもいいですか』という連絡がありました。

 お店によっては、専属カメラマンがいないし、料理をおしゃれに撮ってくれるインスタグラマーと協力することは、お互いにウィンウィンの関係になりますよね」
 





世界中に発信でき、知らない誰かと繋がれる


YouTuber はまさん


YouTuber はまさん


 YouTubeマニア。

 YouTuber系などのジャンルごとに「物申す(考察)」動画を投稿。賛否両論を浴びながら、気づけばチャンネル登録者約1万人を達成。他にも、YouTubeに関する知識や経験を活かし、他のチャンネル運営やサポートを行う。

 「基本は一発撮影!物申す系の沖縄Youtuberが語る、YouTubeのおもしろさと炎上回避」というテーマで、YouTubeならではの魅力を紹介してくれました。

はまさんのYouTubeチャンネル

Twitter:@okinawan66
 


 「自分は、過去に海外を放浪していた時期がありまして。そのとき、出会った外国人から『俺のロードムービーをFacebookとYouTubeにアップしたから、まず見ろ』と強制的に見せられて、動画と出会いましたね」

 世界中に配信される動画共有サイト「YouTube」は、ジャンルを問わずに、好きなテーマでオープンに発信できます。YouTubeは、SNSや他の動画投稿サイトに比べて、写真や文字、音声などを組み合わせて動画にすることができ、スマートフォンからでも簡単にアップできるところが強みだといいます。

 はまさんは、他のYouTuberに対して批評する「物申す系」、日常のブログを動画にする「ビログ」、最新ガジェットなどの実験や検証をする「紹介レビュー」の動画を投稿。そのなかで感じた、YouTubeが持つ可能性について伝えてくれました。



1.何千人もの視聴者から、リアクションをもらえる面白さ

 「Webで発信しても、はじめは誰も自分のことを知らないですよね。でもYouTubeを使えば、自分の言いたいことを発信できます。その意見を視聴者が見て、肯定や否定といったリアクションをもらえる。そこで、人とのコミュニケーションが生まれるんです。

 たとえば、動画の再生数が1,000回を超えれば、自分の話を1,000人に聞いてもらっているのと同じですよね。ときに批判や炎上する怖さもありますが、こんなにリアクションをもらえることはそうそうないから、生きる糧になるかも。ちょっと大げさかな(笑)」

2.知名度が上がるほど、収益の入り口は広がる

 「YouTubeの収益は、投稿した動画のクリック数に応じた広告収入、企業から告知してほしいという企業案件、試供品をもらって宣伝する場合があります。

 動画の収益率は、一般的に1クリック0.1円が相場といわれています。僕は、月に約25万再生数なので、大学生のお小遣いぐらい。でも、商品レビューを行なっているから、企業の試供品としてドローンのおもちゃや、アクションカムなどをいただいてます。多いときは、半年で約25万円相当の試供品を送ってもらったことも。さらにYouTubeから他のSNSやメディアとクロスさせて、再生数を伸ばすことができるのも魅力なんです」

3.動画市場に広告を出す企業が増えている

 「YouTubeの視聴者層は、小学生から大学生まで、いわゆるネットリテラシーが低いユーザーで、匿名性も相まって誹謗中傷がとにかく多い。そんな状況でも、若い人たちに情報を届けたい企業はたくさんあるし、Webを使った広告費は年々増えています。YouTuberをマネジメントする事務所も設立されて、これからYouTuberを支援する仕組みやフォローアップが期待できると思います」





140文字の世界を楽しむ ブランディングに「Twitter」を活用する方法


沖縄のフリーライター・編集者
miya-nee(みやねえ)


沖縄のフリーライター・編集者 miya-nee(みやねえ)


 2013年6月にWebでライターデビュー、東京のCINRA.Incが運営する「HereNow」や沖縄のWebメディアなどでも執筆、撮影。Webコンテンツ企画やイベント企画も行う。

 「沖縄のWebライターが語る、Webで文章を発信するコツ」をテーマに、Twitterで発信する際に考えておきたいことを解説してくれました。

「SUUMOタウン」に寄稿
実際に住んでみて知った「沖縄」の住み心地と魅力

沖縄移住応援WEBマガジン
「おきなわマグネット」で執筆

Twitter:@miya-nee3
 


 2008年から、日本でもサービスがはじまったTwitterは、現在も中高生を中心に根強く人気があります。とくに、東京の大規模イベントや企業商品のプレゼントキャンペーン、人気ドラマや映画の宣伝でもTwitterが活用されており、「いいタイミングで発信することで他のかたに届きやすくなる」とみやねえさんはいいます。

 「Twitterに投稿していて気づいたことは、より多くのリツイートやいいねをもらうと、他のかたのタイムライン上でも優先的に表示されやすいんです。Twitterのアルゴリズムというか、最近の仕組みがそうなっています」

 多くのかたの目にふれるために、Twitterでも「#沖縄」や「#逃げ恥」のようなビッグワードのハッシュタグを付けて発信すること。ただ、投稿数が多いキーワードの場合、ツイートがすぐにタイムライン上を流れて埋もれてしまうため、コツが必要だといいます。

 他のSNSとは違い、Twitterは140文字以内しか入力できません。一方で、文字数制限があるからこそ、真剣に文章を考え、言葉を吟味できる、といったTwitterを使った発信のコツについて話していました。



1.画像の追加で拡散広がる

 「今回のイベントを告知するにあたり、会場の駐車場案内をツイートしました。具体的にいうと、大学の入り口手前から駐車場までの目印を写真撮影して、わかりやすく文章と画像で投稿したところ、多くシェアしてもらえたこともあり、インプレッション(自分のツイートが表示された回数)は高めでした。外部サイトのURLを付けるよりも、画像付きの投稿が圧倒的に見られているんです」

2.キーワードを散りばめ、検索で見つかりやすく

 「ツイートするとき、キーワードをできるだけ多く詰め込んで140文字ギリギリで投稿しています。たとえば、『沖縄』『カフェ』『グルメ』『海カフェ』といった定番のキーワードを入れて、その単語を巧みに文章に繋ぎ合わせて発信する。さらに写真や記事URLも一緒に投稿すると有益な情報になります。沖縄の情報が検索されたときに、自分のツイートが表示される可能性が高くなるんです。

 他にも、とあるドラマの感想をツイートしたとき、ドラマの名前、主役の名前、役者の名前、ヒロインの名前、職業といったあらゆるキーワードを入れてちょっと面白くツイートしたところ、フォロワー外からリツイートをいただきました」

3.「あんた、誰?」を解消 プロフィールに強みを載せる

「SNSのタイムライン上を見ているとき、この人は誰だろ?と気になる投稿ってありませんか。勝手に、私は『あんた、誰?』問題と名付けてるんですが、投稿からプロフィール欄を確認する人もいて、私のことを知らない人でも、プロフィール欄の工夫次第で、何者かを知ってもらえて、フォローしてもらえることもあります」

 みねやぇさんのプロフィールは、以下のような「Webに強いライターである」ことがわかります。参考にしてみてください。

「Webまみれのライフワークを爆走中の沖縄在住フリーライター。15年からWebライティング #みやねえ講座を開催し「この世にネットがある限り」と #沖縄からWEB発信 を強化中。やけに沖縄の電源カフェに詳しい。ネットとアナログを繋ぐべく、fm那覇でラジオやるよ!ゲスト募集中。」





「ジモコロ」 がなぜ若者に読まれるのか?
 外からの視点で〝地方〟に新しい価値を


「ジモコロ」「BAMP」編集長
 徳谷柿次郎さん


株式会社Huuuu 代表取締役 徳谷柿次郎さん


 株式会社Huuuu代表取締役。

 どこでも地元メディア「ジモコロ」、小さな声を届けるWEBマガジン「BAMP」とダブル編集長を兼任。全国47都道府県のローカル領域を編集している。NHK Eテレ「みんなの2020 バンバンジャパーン!!」に出演中。

どこでも地元メディア「ジモコロ」

小さな声を届けるWEBマガジン「BAMP」

Twitter:@kakijiro 
 


 柿次郎さんが編集長を務めるどこでも地元メディア「ジモコロ」は47都道府県の地元と仕事をテーマに、自分たちの足を使って取材した流行り廃りに左右されないコンテンツ作りを行なっています。インターネットで検索すると、キュレーションメディアのまとめ記事が検索上位にきて、本当に知りたい情報にたどり着けないことが多いそう。埋もれた情報を拾い上げて平均約8,000文字の記事を更新。長文をスマホで読みやすくする工夫もしているそうです。

 ジモコロの読者は、18歳から34歳までが多く、スマートフォンユーザーが7割、そのうち6割は女性。月間約100万PVを達成するほど、若い層の心を掴んで止まない理由は何なのか。「現地に足を運び、その土地に住む人たちとの関係値」だと話す柿次郎さん。

 「僕たちは、Webと紙の利点を生かしたコンテンツ作りをしていて、フリーマガジンも制作もしてます。地方に住むおじいちゃんやおばあちゃんに取材したとき、ジモコロのWeb記事を見せても読んでくれない。スマートフォンを使わないし、文字が小さいから読めないんですよね。フリーペーパーを渡して年配層の懐に入るとか、地方の新しい情報発信として若者にも読んでもらえています」

 これからの展望として、47都道府県や世界中にある”ジモト“を取材していきたいという柿次郎さん。ジモコロに掲載したなかでも好評だった記事を取り上げていました。
 



1.Webには親切なマニュアルが足りない 丁寧な情報が長く読まれるコンテンツになる

 「何度も沖縄に足を運んでますが、本島から高速船を使ってたった50分で行ける離島があるなんて誰も教えてくれなかったんですよ。座間味島に行こうとして調べてみたら船便は少ないし手続きが少し面倒な感じで。なら、僕らでマニュアルのような記事を作ろう!と実体験の学びから記事の方向性を決めました。

 インターネットには親切なマニュアル記事はまだまだ足りません。実際に、2015年に座間味島の記事をアップしましたが、夏場になると、毎月約1万PVも見られていて。座間味島で検索すると、僕らの記事が上位に来てるんですよ」

2.外からの視点で、地方の情報を新しい価値へと編集する

 「ジモコロの代表作として、『【伝説】クワガタとタケノコで大稼ぎ! 謎の農家「風岡直宏」はなぜフェラーリを買えたのか?』って記事があるんです。そのときに取材した風岡さんは、今やテレビに出演するほどの人気者です。武井壮さんと対決したり(笑)

 地元のマスメディアがまだまだ拾いきれてない価値を見つけて、僕たちが現地で取材して、きちんと編集することで全国のマスメディアに波及していく。情報を広めていく自分たちの役割を大切にしていきたいと思ってます。

 そのために、あえて東京在住のライターに地方取材を担当してもらい、外の視点から面白く切り取ってもらう。新たな視点で価値を見つけていかないとその土地のためにもならないとも思うので」

3.地元の良さを実感するために、何も知らない状態を作る

 「イベントの前日に沖縄市でも登壇してきました。その打ち上げで、コザにあるストリップ『アマゾネス』で遊んできました。地元の人でもなかなか行かないところに好奇心を持って飛び込むことがジモコロらしさを生み出しているんです。

 『移住して豊かな土地に住もう』といったキラキラした一面だけを伝えるのは簡単なので、逆に地方の闇というか、裏側を丁寧に解きほぐしていきながら、記事を作っていく。さらに、その情報に対する新鮮さを高めるために、僕もライターもバカになるというか、知識ゼロの何も知らない状況に持っていけるか、という思いが記事制作の根底にあります」


 最後に、大学生に向けてWebで発信する可能性についてアドバイスしてくれました。

 「Webで発信することで、新聞社よりも多くの人に情報が届き、しかも過去の記事も読んでもらえるじゃないですか。でも、情報発信は誰かのためにというより、自分のために発信したほうがいい。モチベーションを高いままに維持できるから。僕も全国に旅行に行きたくて行きたくて、ジモコロに関わるようになったので(笑)。

 学生のみなさんに、もし自分がなりたいものがあるなら、どうしてそれが好きなのかをしっかり見定めて、時間とお金と足を使うこと。そうすると誰も真似できない発信になるし、お金も稼ぐことができるんです」
 



取材:水澤 陽介
写真:金子 郁子



水澤 陽介

新潟県生まれ、2013年に沖縄移住。

ライターとして、地域にある「ひと・もの・こと」を中心に取材。現在は、ファミマガ、おきなわマグネットなどで執筆、企業広報にも取り組んでいます。ライフワークとして、イベントコーディネーターにも関わっています。



金子 郁子

山梨県出身、沖縄移住11年目の駆け出し主婦フォトグラファー。

特技は囲碁(五段)だが本当は体を動かすほうが好き。趣味は写真を撮りながらのポタリング。

沖縄カメラ女子同好会PhotoRingにて活動中。展示会開催、撮影会企画、ラジオ番組運営などをメンバー5名でおこなっている。

ラジオ番組 フォトリングラジオ
(毎週金曜日20:00~ FM那覇)

写真展開催 PHOTORING2017
(2017.9.12~18 沖縄県立美術館・博物館 県民ギャラリー1)
 





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