“事故多発機”があなたの頭上に!「オスプレイ」全国飛行マップ(前編)

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「オスプレイは日本全国を飛び回っています。なかでも横田基地は、中継地点になっているので、よく飛来します。とくに今年3月は、新潟と群馬で日米共同訓練が行われたので、1カ月で104回も横田基地に離発着しました」

そう話すのは、「横田基地の撤去を求める西多摩の会」代表、高橋美枝子さん。沖縄の普天間基地に、オスプレイが配備された12年から、横田基地(東京都)への離発着を監視してきた高橋さんは、こう証言する。

「滑走路に着陸して、すぐに離陸する“タッチ・アンド・ゴー”を繰り返すこともあって、墜落事故を起こすんじゃないかとヒヤヒヤします。実際、昨年12月に沖縄の名護市沖に墜落したオスプレイも、直前まで東京や静岡、四国などの上空を飛んでいたことがわかっています」

別名“未亡人製造機”と呼ばれるほど事故が多い米海兵隊所属の最新鋭輸送機オスプレイ。名護市沖以外にも、今年8月5日にオーストラリアで墜落したほか、29日には岩国基地(山口県)から普天間基地に戻る途中のオスプレイが、エンジントラブルをおこし、大分空港に緊急着陸したばかり。

こんなリスクの高いオスプレイが、日本全国を飛んでいるとしたら大問題だ。

本誌は、米軍が「環境レビュー」という資料で発表したオスプレイの低空飛行ルートと、市民が監視する各地の飛行目撃情報などを合わせて“オスプレイ飛行マップ”を作成。少なくとも196市町村の上空をオスプレイが飛んでいることがわかった。

『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)などの著者で、日米の安全保障問題に詳しい作家の矢部宏治さんは、「日本人の命が軽視されている証拠だ」と警鐘を鳴らす。

「もはや沖縄だけの問題ではありません。沖縄では、人口密度の高い那覇市上空や、昨年末にオスプレイパットができた高江(国頭郡)の上空を飛び回っています。操縦士の顔が見えるほど低空飛行することもあるし、夜間訓練もおかまいなし。しかし本土上空でも、同じようなことが起こりつつあるようです」

実際、マップに示したように、日本上空を飛ぶオスプレイが、あちこちで目撃されている。軍事訓練のためだけではなく、防災訓練、航空ショーへの参加、荷物や物資の運搬、機体整備などのためだ。

オスプレイの監視を続ける埼玉県平和委員会の代表、二橋元長さんはこう語る。

「今年3月17日の記録によると、横田基地を朝7時3分に離陸したオスプレイ2基は、7時5分にはさいたま県日高市に、7時26分には長野県の佐久市や小諸市、9時2分には群馬県の高崎市上空を通り、9時13分には再び横田基地に戻っています。これは目撃できた情報だけなので、ルートを考えると埼玉県だけでも約30市町村の上空を飛んだのではないでしょうか」

市民が必死に情報を集めているのは、オスプレイの飛行ルートを、政府ですら米軍から知らされていないからだ。

「各地の防衛局の職員が、『横田基地に着陸した』などと“目視”で確認し、オスプレイが飛来しそうな米軍基地や、自衛隊の駐屯地がある自治体に連絡しているのが現状です」(二橋さん)

しかし、米軍基地や自衛隊駐屯地の立地自治体でなくとも、飛行ルートであればオスプレイは上空を通過する可能性はある。ところが、通過するだけの自治体には、「オスプレイが飛ぶ」という事前情報は送られてこないという。

埼玉県の基地対策担当者に確認したところ、「防衛局から得た情報は県のホームページで発表しているが、正直、どの自治体の上を飛ぶかわからないので、飛行ルート下の市町村に連絡はしていない」という、心許ない回答だった。

岩国基地(山口県)周辺で、監視を続ける坂本千尋さんは、こう証言する。

「先週、大分空港に緊急着陸したオスプレイは、前日にも岩国基地で、エンジンから白煙を上げていたんです。だから私、『あの機体は飛ばしたらいけない』って、岩国市に通報したんですよ」

坂本さんは、監視で確認できた飛行ルートも詳述してくれた。

「毎年3月に韓国の浦項(ポハン)で米韓合同訓練があるんですが、そのときは岩国基地から飛び立つオスプレイが、私の住む廿日市市(広島県)上空を頻繁に飛びます。知人は、『洗濯を干していたら、オスプレイが真上を低空飛行していて腰を抜かしたと言っていました。広島市内でも、夜間に飛行するオスプレイを知人が目撃しています』(※1)人口が密集する市街地の上は飛ばない約束なのに、日本には人が住んでないとでも思っているのか」(坂本さん)

(※1)オスプレイ配備に関する日米合同委員会の覚書によると、「米軍施設・区域上空や周辺の飛行経路は人口密集地を避けて設定する」という内容が記されている。

 

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