キッズのチカラを磨いて引き出す☆SKOレポ(vol.3)指揮者・岩村力さん


キッズのチカラを磨いて引き出す☆SKOレポ(vol.3)指揮者・岩村力さん
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 全国トップレベルの音を奏でる小学生~高校生が10月8日、沖縄に結集します!

 世界的な指揮者・佐渡裕氏が愛情を注いで育て上げた弦楽オーケストラ
 その名も「スーパーキッズ・オーケストラ沖縄特別公演」

 案内役を務める〝ジュノンボーイ〟鈴木一平さんがオケの魅力や舞台裏、公演の見どころなどをレポートします。

 

ハイサイ☆鈴木一平です。

早くも10月!
実りの秋、食欲の秋、そして…芸術の秋!
まもなくスーパーキッズオーケストラが沖縄にやってきます。

全国トップクラスの技術をもつ小学生から高校生の演奏家が、オーディションを勝ち抜き、選ばれたスーパーキッズオーケストラ。

彼らの〝技〟と〝音〟に磨きをかけ、その魅力を最大限に引き出すのが

そう、指揮者

なんです。

そこでSKOレポ最終回では、10月8日に開催される「スーパーキッズ・オーケストラ沖縄特別公演」の指揮者・岩村力(いわむら・ちから)さんのインタビューをお届けします。
 

指揮者の役割とは

―プロフィールを拝見すると、音楽大学に行かれる前に理工学部にて電子通信を学ばれていたという、異色の経歴をもつ岩村さん。個人的に興味があったのでプロフィールについて、詳しくお伺いしました。
 

岩村

小学生の時から指揮者になりたいと言っていました。アマチュア無線が好きで、外国人と英語で通信していましたね。サッカーに熱中したこともありました。

最初に行った早稲田大学では理工学部で学ぶ理系の学生でした。

塾講師や配送業者でのアルバイト、小学校の先生など、いろいろな経験をしたことが今に繋がっていると感じます。

―いろいろなご経験があるからこそ度量が大きく、幅広い知識が豊富な岩村さん。とても優しいお人柄でしたが、あの素晴らしいスーパーキッズの演奏の裏には「もしや厳しいスパルタ指導があるのでは?」と思い、質問をぶつけてみました。

岩村

彼らは全国を回るうちに技術力だけでなく、精神的なバックボーンも培われています。成長が著しいんです。指導をしていて本当に楽しい。指導者冥利に尽きます。

厳しさだけでは集団は動きません。コアになる部分はきちんと指導しますが、彼らに委ねている部分も大きいです。
 

―素晴らしい演奏集団であるスーパーキッズを前に、「指揮者」である岩村さんは具体的にどのような役割を担っているのでしょうか。

岩村

朗読の世界では、文章を声の質、大きさ、緩急などで表現します。

音楽も同様です。指揮者の役割は、記号である譜面をどういう読むのかを、演奏者に提示することです。

対して演奏家は、指揮者に示された方向を汲んで、その先に向かって表現します。

また、テンポを与えることも指揮者の重要な役割であり、特権でもあります。

演奏者をまとめ、率いる役割である指揮者としては、たとえ演奏者が大人であろうと、子どもであろうと、常に理想の目標に向かって、正面から向き合っています。

誰もが楽しめるプログラム

―とても楽しそうにSKOの話を続けてくださる岩村さん。楽団と音楽を心から愛していることが強く伝わってきます。やんばるの自然が大好きで、沖縄には何度も来ていらっしゃるという岩村さん。来場される皆さんにメッセージをいただきました。

岩村

私は沖縄が大好きです。食べ物も気候も自分に合っている感じがします。

今回の公演は音楽や曲目の知識が全くなくても楽しむことのできるプログラムになっています。若い世代の皆さんにも来ていただきたいです。

一瞬でもいいから「はぁ~いいなぁ」と思わずため息がでるような瞬間を、できるだけ多く感じてほしい。同じ世代の子たちがバリバリ演奏している現場を目の当たりにすることで、聴き手それぞれが自分なりに刺激を受けることになると思います。
 

     ◇             ◇

指揮と演奏者が互いに信頼し合い、楽しみながら交流を深めること―。

そして岩村さんのエネルギッシュで明るい性格、音楽に対する強い想いや全力で向き合う姿そのものが、演奏者である子どもたちのチカラを最大限に引き出すのだと、あらためて感じました。

岩村さんとスーパーキッズによる、舞台でのハイレベルなやりとりが、沖縄公演でも繰り広げられることでしょう。

本番がますます楽しみです。

 

最後に岩村さんよりアドバイスをいただきました。

「何が自分の糧になるか分からないから、いろいろなことをやって、いろいろな友だちをつくるといいですよ」

僕は今回、初めての案内役で不安もありますが、このアドバイスを受け、失敗を恐れず、胸を張って頑張ろうと思いました。
皆さんも、いろいろなことにチャレンジしてくださいね。

10月8日、沖縄市民会館でお会いしましょう!

 

※公演は終了しました

 プロフィル 

鈴木一平(すずき・いっぺい)

第29回(2016年)ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでフォトジェニック賞に選ばれた。県立開邦高校を経て、現在は沖縄県立芸術大学2年。1998年1月31日生まれ、那覇市出身。

特技は美術全般(特に立体)、バリ舞踊、写真、楽器(ギター、ヴァイオリン、ピアノ)

趣味は昆虫、骨格標本づくり、野遊び

好きな食べ物はカレー。特に好きなのは舌触りと香りの良いインドカレー