海辺の散歩で出会える植物(その2) しかたにさんちの自然暮らし(33)

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沖縄の海辺にも、食べられる植物が結構あるのはご存知ですか? 野生の植物は、みんなで採り尽くしたらすぐになくなってしまいます。でも、そういう植物のことを知り、子どもたちにも伝えて、みんなで「大事に使いながら残す」ことができたらなと思います。そこで今回は、味わえる浜辺の植物をご紹介しましょう。



1.チルナー(和名:ツルナ)はまるで〝海辺のホウレンソウ〟


チルナー。小さくて地味な花がついています

砂浜の野草の中で、一番食べやすいかも。葉っぱは少し肉厚で、丸まった三角形。少々ざらついているのが特徴です。葉に火を通すと、色がより鮮やかな緑になり、ちょうどホウレンソウと同じような感じで使えます。シンプルに鰹節と醤油でおひたしに。また、和え物や炒め物、お汁の具にしてもOK。

ツルナは日本中の砂浜で見られますが、こうした植物が生える自然の浜そのものが少なくなっています。生えている場所を残すのも、とても大事ですね。



2.ニガナ、ンジャナ(和名:ホソバワダン)は苦みが魅力



岩のくぼみに生えるニガナ

和名の「ニガナ」とは別の植物。海水のしぶきがかかるような岩の高い場所で、やや肉厚で細い楕円形の葉を広げます。

島野菜として売られているニガナは栽培品種で、やや苦みが抑えられていますが、海岸に自生するニガナはとっても苦い! 葉っぱをちぎると出てくる白い液が苦みのエキスで、昔から胃腸の薬と言われています。

お料理の代表は白和え。刻んだニガナの葉を少し水にさらして、くずしたお豆腐と和えますが、さらし過ぎるとせっかくのエキスが失われるのでほどほどに。軽く塩もみしたり、さっと湯がいても良いです。味付けにシーチキンと塩やお醤油、ごま油やピーナッツバター、白味噌、マヨネーズなどを加えると少しまろやかに。



ニガナの白和え。シーチキンと塩、醤油に、ゴマをぱらり

パッと明るい黄色の、ニガナの花


ニガナは岩のくぼみの厳しい環境に生える、強い植物です。時々食べるなら、海岸からいただくのは一度だけにして、あとは自分で育てるのが良いですよ。親株から分かれて伸びた子株を見つけたら、一ついただいて植木鉢にさせば、割と簡単に根付きます。やがて黄色く可愛い花が咲きますよ。

3.ハマデークニ(ハマダイコン)はサラダのアクセントに


ハマデークニの可憐な花

ダイコンの野生化したものと言われます。でも根っこは食べられるようには太りません。砂地に育ち、紫の花を可憐に咲かせます。葉っぱにダイコンの辛味があるので、少しだけいただいて、サラダに散らすとアクセントになりますよ。


 浜辺には、他にも薬草になる植物がいろいろあります。野生の植物は誰のものでもなく、言い換えれば人や生き物たちを含めたみんなのもの。どちらにしても「私だけのもの」ではないですよね。だから、味見したり利用したりするときは、その植物が野外で生きながらえて、これからも増えていけるようにしたいと思います。葉っぱを少しだけ摘む、群生していれば枝や子株を一つだけいただく、種を拾って自分で育てるなどして、自然の恵みの味を長く伝えられれば良いですね。そして、これらが育つ自然の砂浜の豊かさを、各地で残して行ければと思います。


鹿谷麻夕(しかたに自然案内)

 しかたに・まゆ 東洋大、琉球大卒。東大大学院中退。東京で生まれ育ち、20代半ばで文系から理系に転向、沖縄に来てサンゴ礁を学ぶ。その後、しかたに自然案内を主宰し、県内で海の環境教育を行う。本と音楽と野良猫を好む。

 




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