「沖縄入門シリーズ」誕生余話 沖縄県産本☆ バックヤード便り[15]

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第15回 「沖縄入門シリーズ」誕生余話

 

 今回からデビューする沖縄文化社の徳元英隆です、ゆたしくうにげーさびら。

 初回は当社が長年手掛け、反響があった「沖縄入門シリーズ」について紹介します。


コンパクトさが受けた「沖縄入門シリーズ」

 1985年の創立当時、当社は学校教材の出版物を柱にしておりました。一般向けの単行本を世に送り出したのは1991年で創立6年目のことになります。待望の本は『沖縄昔ばなしの世界』(石川きよ子著)、すぐに売り切れて増刷するという幸先のよいスタートを切ることができました。



背表紙には実はアルファベットが・・

 沖縄入門シリーズのトップを飾ったこの本の背表紙にはAの文字が付されています。2番目の本にはB、3番目にはCの文字です。で、4、5番目の本が出たころから、「ABCって何なの」と出版関係者から聞かれるようになりました。創立当時はバブル時代、箱入りや上製本、大型本などが県内版元の主流で、入門書のような廉価な本は少なかったと思います。

 そこで若い世代にもわかりやすい読み物を定価980円(税3%)で出すことにしました。いわゆる薄利多売方式です。ただ、これがうまくいくかどうかは“神のみぞ知る”で、いつ打ち切ってもいいように数字ではなくアルファベットで順番を表すという予防線を張ることにしました。最終的にはアルファベット26文字分の本を出すことができ、またほとんどの本を増刷することに成功しました。

地域に根差したコンパクト本

 このシリーズは、地域に根差したものなのでタイトルには『ウチナーグチ入門』『沖縄の由来ばなし』など沖縄に関連する言葉が入っています。ページ数は100〜128程度、写真は多用しましたがモノクロにすることで廉価な本に仕上げました。基礎的な内容がよかったのでしょうか、新聞記者や学芸員、教職員の方々から「この本持っていますよ」といううれしい言葉があり、一般読者からは「わかりやすくていい本だね〜」とのお電話をいただきました。

 時代は移り変わり、インターネットやスマートフォンが普及し定着すると、しだいに入門書やガイドブック類の需要は伸び悩み、残念ながら冬の時代を迎えるようになりました。
 ただ、新しい時代には新しいものが生まれることも事実で、ここは切り替えて、従来のモノクロからカラー、大幅なページ増による充実したコンテンツ、さらに新刊点数もできるだけ増やすことで生き残りを考えるべきなのかもしれません。

 長年続けてきた出版業です。ありふれた言葉ですが、業界の斜陽を是認せず、明日に向かって新しい時代の本づくりをめざしたいものです。




徳元英隆(とくもと・ひでたか) 国頭村出身。大学卒業後は編集の仕事一筋。趣味は卓球と取材を兼ねた島巡りで、酒の席でのユンタクがこれに続く。島巡りでは、いつも大好きなシーサーが目に飛び込んでくる。


 


沖縄文化社のホームページ

http://www.okibunsha.co.jp
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