離島に行ってみよう! 〜多良間島編〜 しかたにさんちの自然暮らし(34)


離島に行ってみよう! 〜多良間島編〜 しかたにさんちの自然暮らし(34)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 みなさんは離島に足を運ぶことがありますか?普段の自分の地域とは少し違った暮らしや自然に出会えて、いろいろな発見があるかもしれません。県内であれば気候も変わらず、比較的気楽に出かけられる離島めぐり。今度のお休みにいかが?

 先日の週末、私も離島に行って来ました。宮古島と石垣島の間に浮かぶ、多良間島です。今回はそこで出会った風景をご紹介しましょう。

多良間島はまあるい島

 沖縄本島からは、宮古島乗り継ぎで多良間空港へ。空港ロビーでパンフレットを入手して、このマップを頼りに島を回ります。多良間島は平坦でまあるい島です。レンタカーもありますが、一周19kmレンタサイクルでのんびり周るのも良さそう
 

ふるさと海浜公園の案内看板。平らでまあるい島ですね。

空港で3種のパンフレットを入手。

 「多良間島自然観察ガイドブック」によれば、この島には500種もの植物が生え、その半数以上が有用植物とのこと!すごいですね。小さな島の中で、身近にある自然を本当に上手に使ってきたんだろうなと思います。

トゥブリを探して

 島の周回道路には、「トゥブリ」という海に下りる小道がたくさんあります。分かりやすいトゥブリもあれば、車を走らせていると見落としてしまう、ふとした茂みの切れ目のような場所もあります。対向車に出会うことも少ない島の道。ゆっくり走ってトゥブリを探し、いくつかの浜に下りてみました。

トゥブリを抜けると、エメラルド色の海。
風の強い日でしたが、ブルーグリーンの色が美しい。

 実は、島を訪れた週末は沖縄本島に台風22号が近づき、この多良間島も強風で海は大荒れ。浜には漂着物と一緒にたくさんの流木が流れ着いていました。でも、ビーチは砂も水も本当にきれい。よく見ると、白砂に混ざってグラスビーチがたくさん拾えます。

 砂には星砂もたくさん混ざっています。サンゴのかけらもゴロゴロ落ちていて、海の中の豊かさが想像できました

海の色にそっくりのビーチグラス。
真っ白な砂には星がたくさん。

さとうきびの島

 島の真ん中はきび畑。それも広ーい!ところどころに牧場もあり、時にはヤギがお散歩中。のどかな島の風景に気持ちがほぐれます。

島の真ん中はどこまでもきび畑。
道で出会ったヤギ。

お菓子のパッケージとしては迫力です…

 さて、ちょっとお茶でも…と思っても、さすがにカフェはありません。じゃ、集落のスーパーに行ておやつを買おうかな。どうせならやっぱり地元のものを試したい!と思っていたら、「うーやきがあす」を見つけました。

パッケージにインパクトがあるのは、多良間の「八月踊り」の衣装から。ローカルおやつはお土産にもいいですね。材料もシンプルで、サクサクカリッと美味しい。黒っぽいところは地元産の黒糖味、多良間の黒糖は上等です。島の黒糖工場は新しく建設中で、とっても大きな工事をしていてびっくりしました。しばらくの間は工事に携わる方々が入れ替わり立ち代り島にやって来るようで、宿泊施設も一杯だとか。完成したら、また美味しい黒糖をいただけるのが楽しみですね。

くせになる美味しさ

 帰るとき、空港前の「宮古島まもる君」にも心の中で挨拶。そう、「まもる君」は宮古島だけでなく、多良間島に来ないとコンプリートしないことを知りました。そうだったのか!
 私は仕事絡みが多いとはいえ、離島に行くのはいつも楽しい経験です。みなさんも機会を作って、ぜひいろいろな島に出かけてみてくださいね。

多良間空港前の「宮古島まもる君」。今日もお疲れ様!

鹿谷麻夕(しかたに自然案内)

 しかたに・まゆ 東洋大、琉球大卒。東大大学院中退。東京で生まれ育ち、20代半ばで文系から理系に転向、沖縄に来てサンゴ礁を学ぶ。その後、しかたに自然案内を主宰し、県内で海の環境教育を行う。本と音楽と野良猫を好む。