琉球舞踊はおもてなしの心 マブイロードを歩くVol.5

  • 沖縄県全体
このエントリーをはてなブックマークに追加


 琉球王国時代のビッグイベントといえば冊封の儀式です。これは中国皇帝からの詔勅(しょうちょく)を携えた使者(冊封使)が琉球の新国王を任命するというもの。

 今回はその宴席で披露され、現在まで受け継がれている琉球舞踊についてのお話です。

 

 昨日の放送ではマットーバイ課の生真面目職員、目取真エマの正体が判明しましたね。

 何とな~く緩い空気の漂う同課の中で唯一、テキパキと仕事をこなす彼女はなんと凰神(おうじん)カナミーでした。

 これで琉神マブヤー、龍神ガナシーに続く3人目の戦士が登場したわけですが、性格のまったく異なる戦士たちは今後どのように絡みながら活躍していくのでしょうか。
 


オニヒトデービルとバトルを繰り広げる琉神マブヤーと凰神カナミー

小国は文化で勝負する


 さて琉球舞踊は、王国時代に中国(当時の明国、清国)から遣わされた冊封使をもてなす宮廷芸能として発展しました。

 発祥の時期は明確ではありませんが、文献によると1609年以降の「江戸上り」の際には、すでに琉球芸能が披露されていたようです。また、18世紀初めには、王府の組織に踊奉行(おどりぶぎょう)が設置されています。

 当時の中国は東アジアの超大国。琉球の宗主国であり、新国王を任命する冊封使は重要な国賓でした。そのVIPをもてなすため、王府は積極的に芸能を奨励したのです。これぞ小国が生き延びるための知恵。舞踊家は平和外交の重責を担った人たちでもあったのです。

 踊り手はすべて士族の男性で構成され、選りすぐりのイケメンエリートだったといわれています。冊封使の御一行も、さぞかし驚きの目をもって彼らの舞を眺めていたことでしょう。

 しかし王国滅亡後の士族は禄(ろく)を失います。舞踊家は新境地を求めて、那覇の東町に舞台を設けました。麻布をかけただけの粗末な小屋でしたが、それは同時に宮廷舞踊が初めて庶民の前で披露された瞬間でもありました。

 こうした彼らの動きに対し、一部の舞踊家の中には反感を抱いた人もいたようです。が、今日私たちが舞踊を観賞し、女性舞踊家が活躍しているのも彼らの功績があったからだといえるでしょう。
 


琉舞道場を取材する目取真エマ。彼女の正体は凰神カナミー

幕開けはかぎやで風

 琉球舞踊は大きく3つに分類されます。

 王国時代に演じられた「古典舞踊」、明治以降に創作された「雑踊(ぞうおどり)」、戦後に誕生した「創作舞踊」です。

 数ある演目の中から、古典舞踊「かぎやで風(かじゃでふう)」の歌詞をみてみましょう。

 今日の誇らしゃや 何をにぎゃなたてる
 蕾で居る花の 露行逢たごと

 訳すると、「今日の喜びを何にたとえることができよう。まるで蕾(つぼみ)の花が朝つゆをうけてぱっと花開くような心もちだ」となるでしょうか。

 沖縄の祝宴はこの曲で始まります。てんとぅん、てんとぅんという三線のイントロが流れると一瞬にして場の空気が引き締まり、お祝いムードが高まります。結婚披露宴をはじめ、生年祝いやお墓の祝いにいたるまで様々な宴に欠かせません(*)

 かぎやで風は王国時代、国王の前で真っ先に演奏されたことから「御前風(ぐじんふう)」ともよばれます。それが一般に普及したのは戦後の琉舞道場の増加や大規模ホテルでの披露宴が定着したことが影響していると考えられます。

 ちなみに同じ沖縄文化圏でも宮古島では「とうがにあやぐ」、八重山では「鷲の鳥(ばすぃぬとぅるぃ)「赤馬(あかんま)」、与那国島では「鷲の鳥」が祝宴の幕開けに披露されています。芸能王国、沖縄の幅広い文化と多様性がうかがえる一事ですね。

*それぞれの祝いにふさわしい歌詞(琉歌)があてられる
 

文・仲村清司
写真・武安弘毅


マジムン軍団の世界にも浸透している「かぎやで風」


     


舞への誘い

 首里城公園内にある下之御庭しちゃぬうなー)の系図座(けいずざ)・用物座(ようもつざ)では、週4日および祝日に琉球舞踊が上演されています。

 古典舞踊の「四つ竹」や「かせかけ」、雑踊「加那ヨー天川」「むんじゅる」など、人気の演目を無料で楽しむことができます。

 琉球舞踊はなんとなく敷居が高いと感じている人にとっては嬉しい催しです。

 首里城を借景に野外で観劇する舞踊は臨場感があって雰囲気も格別。王朝由来の伝統芸能の粋(すい)が味わえること請け合いです。
 


首里城では王朝時代の雅な舞が堪能できる

*開催時間や演目などの詳細は首里城公園ホームページに掲載されています。
http://oki-park.jp/shurijo/maihenoizanai/
首里城公園管理センター(電話)098-886-2020



 

 

 


WSJ特設サイト

前の記事龍を釣りに行った話 salt g...
次の記事ネットでの「晒し」を考える モバ...