きょうだいが行方不明!遺産はどうなる? 【沖縄の相続】暮らしに役立つ弁護士トーク(9)

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 “沖縄の相続問題”のエキスパート・尾辻克敏弁護士の事務所に、最近父親を亡くされた石嶺さんが、相談に訪れました。

 石嶺さんは、父親の財産を分けたいようですが、弟の次郎さんが行方不明で、遺産分割が進められないようです。



 


石嶺さん

石嶺さん

父は1500万円の財産を残して亡くなりました。遺言書は作成していません。母は健在で、私には兄の太郎と弟の次郎がいます。なお、次郎には妻子はいません。

父の四十九日も済んだので、父の遺産について話し合いを始めたいのですが、弟の次郎とは連絡も付かず、居場所も分かりません。

遺産分割協議は相続人全員で行う必要があると聞いたことがあります。弟が行方不明の場合、父の遺産はどのようにして分けたらいいのですか? 
 



行方不明でも〝のけ者〟にできない


尾辻弁護士

尾辻弁護士

相続人の中に行方不明の相続人がいるケースのご相談ですね。

まず、石嶺さんが話していたように、遺産分割協議は相続人全員で行います。

※詳しくは(【沖縄の相続】暮らしに役立つ弁護士トーク(5))をご覧ください。

次郎さんに連絡が取れないからといって、次郎さんを除いて遺産分割協議を進めることはできません。

そこで、相続人の中にどうしても連絡がつかず、居場所も分からない相続人がいる場合、行方不明の相続人の代わりに遺産分割協議に参加する「不在者財産管理人」を家庭裁判所に選んでもらうことになります。

不在者財産管理人には通常、遺産分割協議に利害関係のない親戚や弁護士などが選ばれます。他の相続人は、遺産分割協議に利害関係があるので、不在者財産管理人を兼任することはできません。
 


行方不明者の代理人になる「不在者財産管理人」


石嶺さん

石嶺さん

不在者財産管理人は、どのような役割を果たすのですか?
 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

不在者財産管理人は、行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加し、行方不明の相続人の相続分を確保することに務めます。

不在者財産管理人は原則として、法定相続分に従った財産の分割を求めることになります。そのため、他の相続人が望むような柔軟な遺産分割ができなくなるかもしれません。
 


やっぱり大切な「遺言書」の作成


尾辻弁護士

尾辻弁護士

石嶺さんのように、行方不明の相続人がいる場合には、財産をスムーズに分ける方法として、財産をどのように分けるかを定めた遺言書を生前に作成しておくことをお勧めします。
 


生死不明の場合は「失踪宣告」を!


石嶺さん

石嶺さん

仮に父が亡くなった当時、行方不明の次郎が、生きているかどうか分からない場合、どうなるのですか?
 


尾辻弁護士

尾辻弁護士

生死不明から7年が経過すると、家庭裁判所に失踪宣告の申立をすることができます。

船舶の沈没などの「特別失踪」に当たらない「普通失踪宣告」が認められると、7年経過した時に法律上死亡したとみなされます。

次郎さんの生死不明から7年が経過した後に父親が亡くなり「普通失踪宣告」が認められると、次郎さんは父親より先に死亡しているとみなされるので、相続人になりません。
 



― 執筆者プロフィール ―


弁護士 尾辻克敏(おつじ・かつとし)

中央大学法学部、中央大学大学院法務研究科卒業。司法試験合格後、県内にて1年間の司法修習を経て、弁護士業務を開始。常に相談者の話を丁寧にお聞きし、きめ細やかな法的サービスを的確かつ迅速に提供し、全ての案件に誠心誠意取り組んでいる。

相続問題・交通事故、企業法務等を中心に取り扱う。相続問題では、沖縄の風習や慣習、親族関係にも考慮した適切な解決を心がける。



~法律問題でお困りの際は、お一人で悩まず、私と共によりよい解決を目指しましょう!~

島袋法律事務所 弁護士 尾辻克敏
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(那覇の裁判所・法務局近く)
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お問い合わせ TEL098-834-9045

 



 (毎月第3水曜日掲載)



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