待望のLINE「送信削除」も、引き続き注意したいこと モバプリの知っ得![33]


待望のLINE「送信削除」も、引き続き注意したいこと モバプリの知っ得![33]
この記事を書いた人 稲嶺 盛裕

LINE株式会社は16日、メッセージアプリ「LINE」の送信メッセージを削除できる機能を、今年12月以降に提供することを発表しました。
これまでのLINEは、送信したメッセージを削除することができず、間違えてメッセージを送る「誤送信」で焦ったことある人も多いと思います。

今回の送信削除の追加は、「待望の機能」であると同時に、引き続きLINEの利用は気をつけないといけません。
なぜなら、この機能の追加は誤送信時の対処方法が一つ増えるだけであり、誤送信そのものの発生率は変わらないということです。

送信削除機能によって「傷」を抑えることはできますが、「事故」が起きない仕組みではないからです。

「大きな前進」となる送信削除

送信削除機能が使えるのは今年の12月以降です。
削除ができるのは送信24時間以内のメッセージが対象で、今後利用者の反応を見ながら削除可能時間は調整するとのこと。
削除の操作方法などは明らかになっておらず、詳細は実際に機能が提供されてから知ることになります。

https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2017/1945

これまでのLINEにもメッセージの削除機能はありました。
ただし、それは自分に届いた受信メッセージを削除する機能です。
人から届いた無駄なメッセージ、嫌なメッセージを削除する。あるいは人に見られるとまずいメッセージを削除するなどの用途で使うことができました。

そのため、これまでは相手に間違ってメッセージを送った場合、自分ではどうすることもできず、不適切な内容のメッセージであれば、ただひたすら謝るしかありませんでした。

しかし送信削除機能が使えるようになることで、お詫びした上で削除することができます。
相手が見る前に削除すると理屈としては、無かったことにするのも可能です。

LINEは、手軽にメッセージを送れることがメリットですが、その手軽さゆえ、うっかりミスで誤送信をしたことある方も多いと思います。
LINEの調査によると、スマホユーザーの83%が誤送信の経験があるとのことでした。

今回の送信削除機能の追加で、誤送信時の選択肢が増えることは大きな前進になると思います。

削除は可能だが、注意したい点も

送信削除機能を使うと、送ったメッセージを削除することはできます。
しかしながら、相手が見てしまった「記憶」や「感情」までは消すことができません。

例えば、「お母さん、迎えにきて」「おはようございますー!」などの内容を、友人に誤送信したとします。それを削除しても、友達は何も思わないでしょうし、すぐに忘れると思います。

しかし、「○○ってムカつくよね」「△△って調子乗ってるよね」などの、悪口・見た人が嫌な気持ちになるメッセージの場合、削除しても相手の記憶にはずっと残ります。

イラスト・小谷茶(こたにてぃー)

またスマートフォンには、画面上の表示を写真データとして保存できるスクリーンショット機能が搭載されています。
メッセージの削除前にスクリーンショットで保存することで、削除前の状態を保存できることになります。

結局、仕組みとして削除は可能になりましたが、LINE「誤送信」によるトラブルは引き続き発生すると考えられます。

今まで以上に気をつける

前述したように、送信メッセージは削除可能になっても、記憶からは簡単に消せませんし、スクリーンショットで残すことも可能。

つまり、悪口などを送った「事実は消せない」のです。

送信削除機能の追加によって、「消せるからいいか」と今まで以上に軽い気持ちでメッセージを送信するとトラブルも増えるでしょう。

メールなどと比較しても簡単にメッセージが送ることができるために、ついつい簡単に送ってしまいがちなLINEですが、引き続きマナーを守って気持ちよく使えるようにしましょう。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」11月26日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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