ピンと張られた綱の傾斜は30度ほど。和傘を手にした男性団員が、直径わずか3センチの綱の上でバランスを取り、一歩一歩上っていく。一番高いところに到達したら、ポーズを取って一気に滑り降りる。
木下サーカスの中でも古い演目の一つ「坂綱」。奈良県・東大寺の落慶法要にも奉納された古典芸だ。一時は上演が途絶えていたが、15年前に復活した。現在は3人の演じ手がいる。
水平な綱渡りとは違って傾きがあるため、足の親指と人さし指で綱をしっかり挟みこまないと滑り落ちてしまう。「全体重が足先にかかる。最初はとても痛かった」。演じ手の中で最年少の請井(うけい)克成さん(28)は振り返る。
不安定な綱の上で、後ろ向きに歩いたり、あおむけになったり。習得が難しく、足の指を骨折した団員もいるという。「ただ受け継ぐだけでなく、よりよくしていきたい。これまでも洗練されてきて今の形がある」と強調する請井さん。伝統を重んじながら、技にさらなる磨きをかける。
木下大サーカス沖縄公演
琉球新報社は、新本社ビル落成記念プレ事業として15日から来年2月26日まで、豊見城市の豊崎タウン特設会場で「木下大サーカス沖縄公演」を開く。夢あふれるステージの見どころを紹介する。
公演情報はこちら → 迫力満点! スーパーミラクルイリュージョン★木下大サーカス沖縄公演
Information
●2017年12月15日(金)~2018年2月26日(月)
豊見城市豊崎タウン特設会場
●休演
毎週木曜日、12月31日、1月10日、2月14日
※ただし1月4日(木)は開演
●前売り券
一般自由席
おとな2,600円 こども(3歳以上中学生まで)1,600円
●問い合わせ
琉球新報社 営業局098(865)5200
(平日午前10時~午後5時)
(2017年12月5日 琉球新報掲載)